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ゆうせー本から学ぶ「手なりの河の速度読み」理論

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん
スペシャルサンクス ゆうせーさん

1.はじめに

ゆうせーさんの新作の著書『読むだけで上級者!麻雀が強くなる即戦力講義』を読ませていただきました。大変ためになる内容でした。ゆうせーさんありがとうございます!

その中でも、テーマ9の「手なりの河の速度読み」のお話について、面白くて、かつ比較的容易に研究できるな、と思いました。

そこで今回は、このテーマについて、牌譜解析やシミュレーションから検証をしてみました。

2.「手なりの河の速度読み」の要旨など

私が読み取った「手なりの河の速度読み」理論の要旨は以下の2点なのかと思いました(間違ってたらごめんなさい)。

・相手の河が「手なりの河」(オタ風→役牌→19牌→28牌→3~7牌)であることが前提
・その場合に、相手の河にある3~7牌の枚数0枚だと速度が遅い、1枚だと中程度の速度、2枚だと速度が速い

この理論の是非を確かめるべく、今回は「相手の速度」の指標として、「1巡あたりリーチ発生率」を採用し、「手なりの河」の定義をそれっぽく行ったうえで、相手の河にある3~7牌の枚数ごとのリーチ発生率牌譜解析により調べてみました。

また、その結果を活用して、「速度読み」を使う例として本でも挙げられている、目いっぱいか安牌残しかのテーマについて、「速度読み」が局収支等に与える影響シミュレーションで調べてみました。

3.牌譜解析条件・シミュレーション条件

〇牌譜解析条件

・あるプレイヤー(以下、自分とする)の牌を切る直前を調査対象とする。
リーチ者がいない
自分は0副露
・自分の3巡目までの捨て牌について、(28牌の枚数+2×3~7牌の枚数)2以下
・以上、条件に当てはまった総回数と今の巡目でリーチ宣言がされた回数をカウントする(リーチ宣言回数÷総回数をリーチ発生率として算出する)。
巡目別、自分の捨て牌にある3~7牌の枚数別に分類する。

相手の河が手なり」に相当する条件として、以下の定義を使いました。
・自分の3巡目までの捨て牌について、(28牌の枚数+2×3~7牌の枚数)が2以下

最序盤の捨て牌に中張牌が多い「手なりの河」ではない(集計から除外する)、というのを表現したつもりです。

具体的には以下のような表を作成します。

表の見方は、行方向が巡目による分類で、列方向が捨て牌にある3~7牌の枚数による分類(右端列の「平均」が3~7牌の枚数問わずの全体)で、マスの中の数字がリーチ発生率です。3~7牌の枚数を問わないときのリーチ発生率は、5巡目で1.3%、8巡目で3.8%、11巡目で5.3%です。

有料部分で、3~7牌の枚数別のリーチ発生率について表の掲載と分析をしていきます。

〇シミュレーション条件

・自分南家
・門前の完全一向聴に取るか、安牌を残した両面両面一向聴に取るかの選択の場面
リーチドラ1の打点(役はリーチ以外なし)
・相手3人は非リーチ門前
8巡目
・相手攻撃に対して全ツする
・両面両面一向聴時、他家リーチが来たら安牌から先に切ることを考慮する
・相手3人について捨て牌3~7牌の枚数が0~2枚(リーチ者なし状態のリーチ発生率のパラメータのみ動かす)と、余り牌が片無筋か両無筋か、についてそれぞれシミュレーションを行う。

具体的には以下のようなグラフを作成します。

グラフの見方は、横軸が相手3人(西家北家東家)の捨て牌3~7牌枚数による分類で、縦軸が局収支で、各項目に対し、完全一向聴時(水色)安牌残し両面両面一向聴(オレンジ色)の2本の棒グラフがあります。このようなグラフが余り牌片無筋or両無筋局収支・アガリ率・放銃率で計6枚あります。

以下、有料部分でグラフ掲載と分析していきます。

4.捨て牌3~7牌枚数別のリーチ発生率(牌譜解析結果)

まずは、捨て牌3~7牌枚数別のリーチ発生率の牌譜解析結果から見ていきます。下表になります。

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