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形テンからの対リーチ押し引き

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

相手からのリーチを受けての押し引きについて、自分が形式聴牌の場合をまだ調べてなかったので、今回いつもと同様、シミュレーションで押し引きの優劣を調べてみます。

2.シミュレーション条件等

12巡目~18巡目
・18巡目の南家が最後のツモ
対面がリーチ(非一発巡)
・親子関係について、自分南家(子VS子)、自分西家(子VS親)、自分東家(親VS子)のいずれか
・自分は1副露の形式聴牌
現物2枚
・形式聴牌で押すときに初手に押す牌の危険度0%~40%(4%刻み)のいずれか。
・形式聴牌で海底ツモでアガれることは考慮しない
・自分南家のとき、18巡目に切る牌で河底ロンで相手打点1ハンUPは考慮する。
・押した場合の次巡以降押し引きは、最適な戦略を取る(100%以下押し・15%以下押し・10%以下押し・5%以下押し・0%以下押しのうち最も高い数値を採択する)。
・メンツスライド等で、ツモ牌より安全な牌を切って聴牌キープは考慮しない。
・流局時、供託リーチ棒本数×250点を局収支に加算する。
点棒状況は以下7パターンのいずれか
(1)トンパツ
(2)南一局・40000・30000・20000・10000の並び
(3)南一局・30000・27000・23000・20000の並び
(4)南一局・27000・25000・25000・23000の並び
(5)南一局・23000・25000・25000・27000の並び
(6)南一局・20000・23000・27000・30000の並び
(7)南一局・10000・20000・30000・40000の並び

具体的には以下のような表を作成します。

表の見方は、左上が親子関係・点棒状況・指標の種類(局収支・半荘収支・天鳳段位pt)による分類で、行方向が押すときの初手危険度別とベタオリによる分類で、列方向が巡目による分類で、マスの中の数字が各種指標(局収支・半荘収支・天鳳段位pt)です。マスの色分けは、ベタオリ時(黄色マス)を基準として、押し時の各種指標がベタオリ時を上回っているマスをオレンジ色に、ベタオリ時を下回っているマスを黄緑色で塗っています。

このような形式の表が親子関係別(3パターン)×点棒状況・指標の種類別(15パターン)の計45枚あります。

自分が形式聴牌で、加点のチャンスは聴牌流局のみなので、(河底の特殊事情を除けば)巡目が遅いほど押したときの局収支等は高くなり、多くのケースで形テン押しとベタオリの優劣が入れかわる巡目(以下、境界巡目と呼ぶ)があります。境界巡目について以下のような表にまとめました。

表の見方は、左上が親子関係による分類で、行方向が点棒状況・指標の種類による分類で、列方向が初手危険度による分類で、マスの中の数字が境界巡目です。境界巡目よりも早い巡目なら降り有利、境界巡目より遅い巡目なら押し有利です。

このような表が親子関係別の3枚あります。以下、有料部分で表掲載と分析をしていきます。

3.子VS子の場合の形テン押し引き(シミュレーション結果)

まずは、自分・リーチ者ともにの場合を見ていきます。局収支の場合が下表になります。

まず、初手危険度0%(安牌)の場合は、最初からベタオリ(加点の可能性なし)より、一瞬聴牌を維持して現物じゃないのを引いたらそこで降りる戦略(0%以下押し)が常に優越する(押し有利のオレンジマス)ので、ここは特に問題とはしません。

次に、初手危険度が4%の場合は、13巡目より前は危険度4%の牌を押さずに即ベタオリがよく14巡目以降は初手危険度4%の牌は(次巡以降最適戦略を取れる前提で、)押すほうが有利です。残りツモ回数4回でも、スジくらいの微妙な危険度がある牌は通して形テンに向かえると。

初手危険度8%~12%の場合は、押し引きが入れかわる境界巡目は14巡目と15巡目の間です。通常片無筋くらいなら残りツモ3回でも聴牌流局の加点のために局収支上は押せると。

例えば、15巡目のベタオリは局収支-1215点ですが、初手危険度12%の場合、最適な100%以下押し(全ツッパ)で、局収支-1168点、放銃率27%、聴牌流局率47%です。4分の1くらい放銃の可能性があっても、-1000点以上のマイナスから半分程度聴牌流局で+1000~1500点くらいに化けるのが大きいと。私の打ち手的感覚よりはだいぶ形式聴牌で片無筋押せる範囲広いなと感じました。

16巡目(残りツモ2回)が境界巡目になる初手危険度は16%です。通常より危険片無筋とか、通常程度両無筋がこのあたりの危険度になろうかと思います。

17巡目・18巡目だと、初手危険度24%までの牌は通せます。子VS子ならだいぶ押せる範囲は広そうです。

半荘収支・段位pt時の点棒状況別の表は後回しにして、先に境界巡目の表から見てみます。下表になります。

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