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三色の可能性と、対リーチ牌の危険度の関係

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん


1.はじめに

相手リーチを受けて、切る牌の危険度を考えるにあたって今までは、
・牌の種類
・スジとか無筋とか

などの牌理上の組み合わせの情報を中心に、牌の危険度を見積もるのが一般的でした。

今回は、手役狙いの観点、特に三色同順の手役の可能性がある牌と、三色が絶対つかない牌(三色のメンツを構成する牌が自分から4枚見えている)では、危険度に差があるかどうか、という問題が気になったので、牌譜解析で調べてみました。

2.牌譜解析条件などその1(三色の可能性の有無別)

・あるプレイヤー(以下、自分とする)の切り巡を調査対象とする。
自分以外のリーチ者それぞれに対して、調べる。
・自分はリーチしていない
切る牌が数牌
・以上条件に当てはまった総回数、リーチ者にロンされた回数、リーチ者にロンされたときのアガリ点数(親がアガった場合も子の得点に換算する。一発については特に補正はかけない)の合計をカウントする。
巡目別、切った牌の種類別、三色の可能性の有無別に分類する。

牌の種類は以下の17パターンのいずれかとします。
スジ19
スジ28
スジ37
スジ46
スジ5
モロヒ19
モロヒ28
モロヒ37
モロヒ46
モロヒ5
無筋19
無筋28
無筋37
片無筋46
片無筋5
両無筋46
両無筋5

三色の可能性の有無については、今回は以下のような条件で決めました。
切った牌以外の2色について、三色を構成するシュンツの牌のいずれかが自分から見て4枚見え(例えば、切った牌が3mで、234三色の可能性を見る場合、234p234sのいずれかが4枚見えの場合、「三色の可能性がない」と判定する。)

具体的には以下のような表を作成します。

表の見方は、左上が牌の種類による分類で、行方向が巡目による分類で、列方向が三色の可能性の有無についての分類で、マスの中の数字が(今回の場合)牌の危険度です。

例えば、9巡目・スジ37の牌の危険度について、123・234・345三色の可能性がある場合(〇○○)は危険度4.1%なのに対して、123・234・345三色の可能性がいずれもない場合(×××)は危険度4.7%です。

このような表が、牌の種類別に、以下の3パターン用意しました。
牌の危険度(=ロン回数÷総回数)
平均打点(=アガリ得点合計÷ロン回数)
期待損失点(=牌の危険度×平均打点)

この牌譜解析の結果が下表になります。

牌の危険度
平均打点
期待損失点

この表から、以下の結果が読み取れます。

9巡目
三色の可能性があるスジ37…牌の危険度4.1%、平均打点5135点、期待損失点210点
・三色の可能性がないスジ37…牌の危険度4.7%、平均打点4987点、期待損失点234点
・三色の可能性がある無筋37…牌の危険度8.4%、平均打点5582点、期待損失点468点
・三色の可能性がない無筋37…牌の危険度9.3%、平均打点5531点、期待損失点512点

データを取る前に期待していた仮説は、
(別色で4枚見えがあって)三色の可能性がない→その牌の周辺で手役狙いしにくい→別の部分でメンツを作りに行くケースが増える→危険度が下がる
だったのですが、この牌譜解析結果はそれとは逆になっています

ただ、この結果(三色可能性があるほうが危険度低い)をもって、例えば、「3m4枚見え」「7m4枚見えでない」の場合で、3p7pのどちらかを切る場合、「三色がない3pより三色がある7pのほうが切りやすい」と結論づけられるかというと、かなり疑問です。なぜなら、
三色可能性がない→4枚見えで同色のメンツが作りにくいという条件付き→別の部分(特に他の2色)の危険度が上がる
三色可能性がある→4枚見えがなくて、同色のメンツが作りやすいという条件付き→別の部分(特に他の2色)の危険度が下がる

という構図があって、4枚見えについての前提条件が異なるため、同一の場面・同じ前提条件のもとでの、3pと7pの危険度を測るのには、適したデータではないと考えるためです。

そこで、同一条件にそろえるために、「ある数牌が4枚見え」という条件を付したうえでの、同色と他色数牌の危険度牌譜解析で調べる方向に話を持っていくことにします。

3.牌譜解析条件などその2(4枚見え条件付きの各数牌危険度)

・あるプレイヤー(以下、自分とする)の切り巡を調査対象とする。
自分以外のリーチ者それぞれに対して、調べる。
・自分はリーチしていない
・自分から見て4枚見えの牌がある(4枚見え牌が複数ある場合、それぞれの牌について調べる)
切る牌が数牌
切る牌が4枚見え牌と同じ場合、集計から除外する
・以上条件に当てはまった総回数、リーチ者にロンされた回数、リーチ者にロンされたときのアガリ点数(親がアガった場合も子の得点に換算する。一発については特に補正はかけない)の合計をカウントする。
巡目別、4枚見え牌の数字別、切る牌の数字と色(4枚見え牌と同色か他色か)とスジ無筋別に分類する。

具体的には以下のような表を作成します。

表の見方は、左上が4枚見え牌の数字(便宜上マンズの下としているが、別色や数字の上下逆転について同一視する)による分類で、行方向が切る牌に関する情報(数字・色・スジ無筋)による分類で、列方向が巡目による分類で、マスの中の数字が(今回の場合)牌の危険度です。

このような表が、4枚見え牌の数字別に、牌の危険度・平均打点・期待損失点の3パターン用意しています。以下、有料部分で表掲載と分析をしていきます。

4.4枚見え条件付きの各数牌危険度(牌譜解析結果)

4枚見え条件付きの、牌の危険度・平均打点・期待損失点をまとめたものが下表になります。

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