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対リーチ押し引きについて、境界初手危険度を探る

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

『新 科学する麻雀』では、押し引き判断全般について、「押したときの局収支・半荘収支」から「ベタオリしたときの局収支・半荘収支」を引いた「局収支差・半荘収支差」の値をもって判断していました。

今回は、自分の待ち・打点・親子関係などを固定して、初手に切る牌の危険度を動かしたときに、押しとベタオリの境界となるような初手危険度(以下、「境界初手危険度」と書く)をシミュレーションで調べてみました。

2.シミュレーション条件等

〇前提条件
相手一人がリーチをかけてるところで、自分にも門前聴牌が入った。判断基準は局収支

〇固定項目
待ち・打点…良形1ハン、愚形1ハン、愚形2ハンの3パターン
親子関係…自分子VSリーチ者子、自分子VSリーチ者親、自分親VSリーチ者子の3パターン(親VS子については、愚形1ハンのみ調べた)
一発巡かどうか…2パターン

〇変動項目
巡目
初手危険度…5%おきの値で調べる

具体的には、以下のようなグラフを作成します。

画像1

横軸が巡目、縦軸が局収支の折れ線がベタオリ時局収支(これが基準となる)、それ以外の折れ線がある初手危険度のときの押したときの局収支です。

「子VS子」「良形1ハン」「非一発巡」の場合、ベタオリと押しの局収支が等価となる境界初手危険度は、
・序盤…初手危険度30%
・中盤…初手危険度30%~20%台後半
・終盤…初手危険度20%台後半

ということがグラフから読み取れます。

以下、待ち・打点・親子関係(3+3+1=7パターン)×一発巡(2パターン)の計14枚のグラフを掲載して、内容を分析していきます。

3.非一発巡の境界初手危険度(シミュレーション結果)

それでは、先ほども掲載しましたが、「子VS子」「良形1ハン」「非一発巡」のグラフがこちらです。

画像2

境界初手危険度
・序盤…初手危険度30%
・中盤…初手危険度30%~20%台後半
・終盤…初手危険度20%台後半

終盤で初手危険度が25~30%となるようなよほど通りにくそうな牌以外はだいたい押しで問題ないと思います。なお、巡目が遅いほど境界初手危険度は低下傾向となっています。終盤ほどベタオリ時の失点が少なくて済む(ツモられるケースが少ない)とかが主な要因だと思います。

次に、「子VS子」「愚形1ハン」「非一発巡」のグラフがこちらです。

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