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カンチャンVSペンチャンの一向聴搭子選択

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん


1.はじめに

前回のこちらの記事とか、

結構前のこちらの記事などで、

先制リーチ時にカン37待ちとペン37待ちだと、ペン37待ちのほうが微妙にアガリ率が高い(カン3m待ちは4mを自分で1枚使ってる分、場に見えてる牌でカベになりにくい)という話が出てきました。

これを踏まえて、以下の牌姿(一向聴でカン3mとペン3pの搭子選択)について考えてみます。

カン3mを残すメリットは、
・ツモ5mの両面変化、ツモ6mのリャンカン変化

ペン3pを残すメリットは、
・前述のとおり、愚形残りの先制リーチが打てたときにカン3mよりわずかにアガリ率が高くなる。
・ツモ6pで宣言牌の前にスジにかけられる。

この搭子選択の優劣をいい感じのシミュレーション組んで、調べてみたいと思います。

2.下準備:先制良形リーチと愚形リーチのアガリ率

シミュレーションのパラメータとして、先制で聴牌した場合のアガリ率が必要なので、あらかじめ調べておきます。

良形リーチについては、以下のデータをそのまま使います。

愚形リーチについても、上記リンクの手法(ロジスティック回帰分析)とだいたい同じ感じで作ります。

(1)先制愚形リーチについて、牌譜解析により以下のようなcsvファイルを作る。

(2)元のcsvファイルから待ち種類・スジ・巡目でフィルターかけて、それぞれ別個のcsvファイルに移す

(3)小分けしたcsvファイルに対して、ロジスティック回帰分析にかける(説明変数:アガリ牌見え枚数・1つ内側牌見え枚数・2つ内側牌見え枚数。エクセルソルバーを使用)

以上手順により、各待ち・スジ・巡目ごとの偏回帰係数がこんな感じ(一部抜粋)で求まりました。

このデータを次のシミュレーションのパラメータとして使用します。

3.シミュレーション条件等

全員非リーチ門前の場面で、自分の手牌が愚形搭子選択の牌姿。
・自分南家
・下家のツモ番からスタートする。
他家のだれかから先にリーチがかかった時点で、アガリの可能性はないものとする。
・自分・他家とも、副露やダマ聴牌は考慮しない
関連牌の枚数(枚数減により、ツモ確率や出る確率や先制リーチ時アガリ率に影響する)は考慮する
カン3m残し時、両面変化とリャンカン変化は考慮する。リャンカン→両面変化は考慮しない(8mを自分で切ってて、24m→246mからツモ7mの変化は無効の想定)。
愚形スジ待ちの情報(カン3mからリャンカン変化時モロひっかけスジ待ちと、ペン3pのツモ6pで前スジにかかる)は考慮する
ペン3p残し時、手牌変化(ペンチャン→カンチャン→両面の2段階変化など)は考慮しない
・カン3m残し・ペン3p残しともに、縦引きの変化は考慮しない
自分が先制で聴牌した場合、先述の「先制良形・愚形リーチアガリ率」のロジスティック回帰の予測値によって、自分のアガリになるかを判定する。
3m4m5m3p4p5pの見え枚数開始巡目(1~15巡目)を動かす。
・初期盤面で、6m1枚見え・6p1枚見え・3s1枚見え・4s1枚持ち2枚見え・5s1枚持ち1枚見え・6s1枚見えは固定とする。
・関連牌の5牌について、初期盤面で見えてるのはすべて黒牌とする。

このシミュレーションの結果(一向聴のアガリ率)を以下のような表にまとめます。

表の見方は、左から6列が3m4m5m3p4p5pの見え枚数の分類で、中央のブロックがペン3p残し時の一向聴アガリ率(巡目別)で、右のブロックがカン3m残し時の一向聴アガリ率(巡目別)です。

また、中央のブロック(ペン3p残し時)について、カン3m残しアガリ率よりもペン3p残しアガリ率が高ければオレンジ色に、低ければ黄緑色に塗っています。

例えば、3m4m5m3p4p5pがすべて場に0枚切れ(4mのみ自分で1枚使ってる分、1枚見え)の場合で、5巡目ペン3p残し時アガリ率が18.05%です。

後の有料部分で表掲載と分析をしていきます。

4.使用パラメータ

先制両面リーチ時アガリ率(ロジスティック回帰分析による)
先制愚形リーチ時アガリ率(ロジスティック回帰分析による)
他家リーチ発生率(親子・巡目別。リーチなし時)
自分がある数牌をツモる確率(牌種類・見え枚数・手持ち枚数・巡目別)
他家がある数牌を切る確率(牌種類・見え枚数・手持ち枚数・巡目別。リーチなし時)

この節では、使用したパラメータたちを順に貼っていきます。

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