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対染め手について、捨て牌の濃淡と、愚形聴牌押し引きの関係

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん


1.はじめに

『新 科学する麻雀』テーマ17・18で、対染め手の押し引きについて、とりあげました。その際の判断するための要素として、特に染め手模様の相手の情報について、以下を考慮していました。
相手の捨て牌が「染め手模様」の定義に当てはまっている
・相手の副露数
・相手の捨て牌で、染め色数牌が余っているかどうか

この中には、「捨て牌の染め手っぽさ(河の濃淡)」は入っておらず、かなりざっくりとした区分けになっていました。そこで今回は、相手の捨て牌をちょっとずつ変えた場合に、押し引きの結論や、相手染め手率・聴牌率・放銃時失点などがどう変わるかをシミュレーションで調べてみます。

2.シミュレーション条件等

〇想定牌姿

対面発ポン打9m、自分7sチー打8s、対面3pチー打1s、対面1pポン打西
自分は喰いタン1000点のシャンポン待ちで、初手染め色6pを押すかどうか。

〇場合分け

対面副露数…1副露(発ポンのみ)、2副露(発ポンと3pチー)、3副露(発ポン3pチー1pポン)
対面の捨て牌(左に行くほどピンズの染め手っぽい、右に行くほどピンズの染め手っぽくない、を想定)
1巡目…5mか1mか9p
3巡目…4sか東か9p
5巡目…6mか白か4p
8巡目…9mか9p

全パターン3×3×3×2=54種類の捨て牌を調べる
親子関係や点棒状況やドラ(4パターン)
自分子VS相手子・トンパツ・ドラ7p
自分子VS相手子・南1局3万点持ち・ドラ7p
自分子VS相手親・トンパツ・ドラ7p
自分子VS相手親・トンパツ・ドラ4p(2副露3副露時、ドラ面子のチーがある)

具体的には以下のような表を作成します。

表の見方は、左上が親子関係や点棒状況やドラに関する分類で、行方向が(染め模様)副露者の副露数1,3,5,8巡目の捨て牌による分類で、列方向が各種指標です。以下の指標を表示しています。
押し時局収支
・降り時局収支

局収支差(押し時局収支から降り時局収支を引いた値。プラスであれば押し有利、マイナスであれば降り有利)
・押したときの自分のアガリ率
・押したときの放銃率
・押したときの放銃時平均失点
・現在局面の対面の予測ピンズ染め手率
・現在局面の対面の聴牌率
半荘収支差(押し時半荘収支から降り時半荘収支を引いた値。プラスであれば押し有利、マイナスであれば降り有利)
段位pt差(押し時段位ptから降り時段位ptを引いた値。プラスであれば押し有利、マイナスであれば降り有利)

このうち、「現在局面の対面の予測ピンズ染め手率」については、(天鳳鳳凰卓牌譜を教師データとした)教師ありニューラルネットで推定した相手手牌が染め手の確率を表しています(詳しくは下記記事を参照)。

3.対染め手について、捨て牌の濃淡と、愚形聴牌押し引きの関係(シミュレーション結果)

〇子VS子・トンパツの場合

まずは、自分子・相手子で、トンパツの場合を見ていきます。下表になります。

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