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カン発生時の対リーチ放銃時失点

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

普段の押し引きに関するデータは、どこからもカンが入ってない前提に基づいていました。よって、誰かがカンしている場合の押し引きについては、全くデータ的裏付けがない状態にあると思われます。

今回は、カン発生時の押し引きを見るための下準備として、カン発生時に相手のリーチに放銃した時の失点に関するデータを牌譜解析で調べてみました。

2.牌譜解析条件等

リーチ者がロンアガリした瞬間を調査対象とする。
・その局のカン発生回数が1回以下
・以上条件に当てはまった総回数、アガリ素点(本記事において得失点はすべて、アガリ者が親の場合は、子の得点に換算する。一発放銃の場合は、非一発の得点に換算する。また、素点の中にはリーチ棒支出と積み棒支出は含まないものとする)の和、アガリ素点が12000点以上の回数、アガリ素点が7700点以上の回数、アガリ素点が3900点以上の回数をカウントする(これらデータから、放銃時平均失点、放銃時12000点以上確率、放銃時7700点以上確率、放銃時3900点以上確率を計算する)。
表ドラの牌種類とアガリ者が表ドラを切っているかどうか別、カンドラの牌種類とアガリ者がカンドラを切っているかどうか別、カンの発生状況別に分類する。

表ドラやカンドラの牌種類は、以下の7種類のいずれかとします。
・19牌
・28牌
・37牌
・46牌
・5牌

・(アガリ者にとって)役牌
・(アガリ者にとって)オタ風
表ドラカンドラに関する情報について、牌種類7パターン×アガリ者がドラを切っているかどうか2パターンの計14パターンに分類します。

カンの発生状況については、以下の10種類のいずれかとします。
・カンなし
・リーチ者以外がカン
・リーチ者が非ドラ19牌をカン
・リーチ者が非ドラ28牌をカン
・リーチ者が非ドラ37牌をカン
・リーチ者が非ドラ46牌をカン
・リーチ者が非ドラ5牌をカン
・リーチ者が非ドラ役牌をカン
・リーチ者が非ドラオタ風をカン
・リーチ者が表ドラもしくはカンドラをカン

具体的には以下のような表を作成します。

左上がデータ種類(放銃時平均失点、放銃時12000点以上確率、放銃時7700点以上確率、放銃時3900点以上確率)とカンの発生状況による分類、行方向がカンドラの牌種類と切っているかどうかによる分類、列方向が表ドラの牌種類と切っているかどうかによる分類、マスの中の数字がある表ドラカンドラ状況時の各種データ種類に応じた値(上表の例だと、放銃時平均失点)です。マスの中のグラデーションは、数字が小さい(放銃時平均失点だと4000点)ところを青色、数字が中くらい(放銃時平均失点だと8000点)なところを黄色、数字が大きい(放銃時平均失点だと12000点)ところを赤色で塗っています。

カンが入っていない場合は、ドラの種類と切っているかどうかを問わない放銃時平均失点は、5118点です。ドラの牌種類について、放銃時平均失点は、内側数牌>端寄り数牌>オタ風>役牌の順で小さくなります。オタ風>役牌なのは、オタ風ドラだと、リーチが高くなる要素(役牌刻子とドラ対子以上)が多くなる一方、役牌ドラだと、役牌とドラがかぶっているので、高くなる要素が減るためと考えられます。また、アガリ者がドラを切っている場合、300~500点(比率でいうと、0.9倍強)くらい放銃時平均失点が下がります。

以下、有料部分で、カンの発生状況別の、放銃時平均失点、放銃時12000点以上確率、放銃時7700点以上確率、放銃時3900点以上確率の表を掲載します。

3.カンの発生状況別の放銃時平均失点(牌譜解析結果)

まずは、放銃時平均失点の表から見ていきます。下表になります。

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