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「雀魂」ルールでの、対リーチ押し引き

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

今までの押し引きに関する研究は、以下の3種類の指標を基にしていました。

局収支
半荘収支(25000点持ち30000点返し・ウマ10-30)
段位pt(天鳳鳳凰卓七段東南戦での完全順位戦。1位:+90pt、2位:+45pt、3位:0pt、4位:-135pt)

では、収支戦や天鳳段位戦以外のルールでは、押し引きがどう変わるかというのが気になるところです。今回は、最近にぎわっているというオンライン麻雀「雀魂」のルールについて、『新 科学する麻雀』に掲載したデータを用いて、押し引きがどう変わるか、もしくはルール間の比較をしてみたいと思います。

2.シミュレーション条件等

〇使用するデータ
『新 科学する麻雀』と同一データ

〇指標
局収支
半荘収支…25000点持ち30000点返し・ウマ10-30
天鳳pt…天鳳鳳凰卓七段東南戦での完全順位戦。1位:+90pt、2位:+45pt、3位:0pt、4位:-135pt。今までは「段位pt」と書いていたが、雀魂ルールと区別するために、「天鳳pt」という表記に変える。
雀魂pt(雀豪★1)…雀魂・玉の間・雀豪★1・東南戦での段位pt。25000点持ち25000点返し素点考慮あり、順位点1位:+125pt、2位:+60pt、3位:-5pt、4位:-180pt。
雀魂pt(雀聖★3)…雀魂・王座の間・雀聖★3・東南戦での段位pt。25000点持ち25000点返し素点考慮あり、順位点1位:+135pt、2位:+65pt、3位:-5pt、4位:-255pt。

(参考URL:https://mahjongsoul.info/how_to_enjoy1/

雀魂ルール(段位ptの計算式)の特徴として、以下の3つが挙げられます。
(1)天鳳ルール同様、ラスに対するペナルティ(順位点のマイナス)が大きい
(2)天鳳ルールと違い、素点が考慮される
(3)雀豪★1の順位点部分(の比率)は天鳳七段に近く、雀聖★3は雀豪★1と比較して、ラスに対するペナルティがより大きくなる。

この特徴を踏まえて、雀魂ルールでの押し引きがどう変わるかが本日のメインテーマです。

〇掲載表
・門前聴牌VS1軒リーチ
・門前聴牌VS2軒リーチ

表の見方は、行方向が待ち・打点・初手切る牌による分類、列方向がルールと巡目による分類で、マスの中の数字が(押したときの局収支・半荘収支・天鳳pt・雀魂pt)-(降りたときの局収支・半荘収支・天鳳pt・雀魂pt)の値(局収支差・半荘収支差・天鳳pt差・雀魂pt差)です。

表の色分けは、以下の通りです。
・赤…押し(追っかけリーチ)が大差で有利
・オレンジ…押し(追っかけリーチ)が中差で有利
・薄い黄色…押し(追っかけリーチ)が微差で有利
・薄い水色…ベタオリ微差で有利
・黄緑色…ベタオリが中差で有利
・青色…ベタオリが大差で有利

このような表が、VS1軒リーチor2軒リーチで2パターン×点棒状況(トンパツ・南1トップ・南1平ら・南1ラス目で4パターン)×親子関係(子VS子・子VS親・親VS子の3パターン)で計24枚あります。

〇データを見る上での注意点
・雀魂ptについては、ポイントの計算式のみを天鳳ptと変えた場合を想定している。特に、シミュレーションの前提となるパラメータはすべて天鳳鳳凰卓の牌譜を基にしている点に注意。
誤差評価(マスの色分けの閾値)はポイントの分散から総合的に判断して、雀魂pt(雀豪★1)は天鳳ptの1.5倍、雀魂pt(雀聖★3)は天鳳ptの2倍に暫定的に設定した。ちゃんとした誤差評価はやっていない(大幅にずれることはないとは思うが…)。

以下、有料部分で表の掲載と分析をしていきます。

3.門前聴牌VS1軒リーチ時のルール別押し引き判断

まずは門前聴牌VS1軒リーチの場合について見ていきます。点棒状況がトンパツの場合の押し引き表(子VS子・子VS親・親VS子の3枚)が以下の通りです。

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