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NAGA本を読んで~対リーチ鳴き判断

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん
スペシャルサンクス 多喜田翔吾プロ

1.はじめに

先日、多喜田翔吾プロの著書「人工知能は人間を超える―― 麻雀AI『NAGA』の鉄戦術」(以下、NAGA本と表記する)を拝読させていただきました。

この中で、2章テーマ⑤の「タンピンドラ1は鉄チー? リーチ受けのチーテン判断」について、シンプルなテーマながら、まだ取り上げてなかったなーと思ったので、便乗してシミュレーションでの調べをしてみることにしました。

他家リーチ者がいる
・自分役あり門前一向聴
・上家からチーテン取れる牌が出た

という状況で、チーテン取るかスルーするかの選択について見ていきたいと思います。

2.シミュレーション条件等

想定捨て牌

〇巡目
6巡目・9巡目・12巡目
(このうち6巡目について、NAGA本での捨て牌と同じように設定した)

自分手牌

手牌1・2 暗刻あり雀頭なしタンピン三色一向聴

手牌1は出る5s、手牌2は出る2s(高め三色)

手牌3・4 両面×2タンピン三色一向聴(初手安牌

手牌3は出る5s、手牌4は出る2s(高め三色)

手牌5 両面×2タンピン一向聴(初手安牌)

出る5s

手牌6 両面×2タンピン一向聴(初手無筋

出る5s

〇ドラ枚数(2パターン)
ドラ8m(ドラ1)・ドラ9m(ドラ0)

〇その他仮定
チーテン時は、全ツッパする。スルー時は、全ツッパ・やや押し(一向聴で危険度10%以上の牌を切ることになったら降り)・降り気味(一向聴で危険度5%以上の牌を切ることになったら降り)・ベタオリの4つの挙動について調べる。

具体的には以下のような表を作成します。

表の見方は、行方向が手牌形・出る牌・自分がとる挙動・ドラ枚数・巡目による分類で、列方向がデータの種類(アガリ率・アガリ時平均打点・放銃率・局収支・半荘収支・天鳳pt)による分類です。また、スルー全ツ・スルーやや押し・スルー降り気味・スルーベタオリ・チーテンの中で、局収支・半荘収支・天鳳pt的に最も有利な戦略を薄い赤色塗りつぶしと太字にしました。

例えば、3m4m6m7m8m2p3p4p6p6p6p3s4s出る5sの牌姿で、ドラ8m・6巡目の場合、スルー全ツ(途中降りやベタオリより優秀)のアガリ率38.5%、アガリ打点8097点、放銃率24.2%、局収支1156点、半荘収支0.06pt、天鳳pt-1.21ptに対して、チーテンのアガリ率47.1%、アガリ打点3440点、放銃率22.4%、局収支40点、半荘収支-3.48pt、天鳳pt-6.13ptで、チーテンよりもスルー全ツのほうが有利です。

以下、有料部分で表の残り部分掲載と分析をしていきます。

3.対リーチ鳴き判断(シミュレーション結果)

それでは、他家リーチあり時の鳴き判断の表を見ていきます。下表になります。

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