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ここにいる人に、どういう気分でいてほしいか

昨日、会社の人に勧められて「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」を読んだ。一人の女性が自分の力で自信を取り戻していく過程がわかりやすく鮮明に描かれていて、おもしろい小説を読んでいるような気持ちと、いい自己啓発本に出会ったときのような感動が同時にあって、不思議な感覚で一気読みしてしまった。

著者はヴィレッジヴァンガードで働いていて、本の中で「ヴィレッジには、『どんなクズでもいていいよ』という空気があった」と書いていた。

その影響もあってか、今日ぼんやりと会社のことを考えていると、ふと、「ZIZO(弊社のことです)の人たちには、『ここにいると、やろうと思えばなんでもできるような気分になる』と感じてもらいたいなー」と思った。

「ここにいると、やろうと思えばなんでもできるような気分になる」
をさらに解説するなら、「この人たちと一緒にこの環境にいると、やりたい気持ちや理想さえあれば、あとはどうにかして実現できる気がする」という感じだろうか。

私が小学生のとき一世を風靡したりぼんのマンガ「神風怪盗ジャンヌ」で、悪い奴らに囚われたジャンヌが恋人の稚空(ちあき)のことを想いながら「“今ならなんでもできる”…ってこの気持ち!!」と自身が縛られていたロープをぶちぶち引きちぎっていき、「この気持ちを『勇気』って、人は呼ぶのね…」と恍惚とした表情で言い放った、あの名シーンを思い出した。今考えるとジャンヌは本当に思い込みが激しい。なんだかそうゆうところは、私と似ている気もしないでもないな・・・。

・・・

何はともあれ、「ここにいる人に、どういう気分でいてほしいか?」は、社内広報をする上で忘れずにいたい視点だなーと思った。サイボウズの社長・青野さんの著書「チームのことだけ、考えた。」によれば、サイボウズでは人によって定義がばらつきやすい「コンセプト」という言葉を、「誰に、なんと言ってほしいか」だと定義しているそうだ。上記のヴィレバンの空気を、社内の人向けのコンセプトだとするなら、他社が真似しづらい、しようとも思いにくい、めちゃくちゃいいコンセプトだなー、と思う。


最近ZIZOでは、月に一度全社員が集まって開かれている全体会を改善しよう、という意見があがっていて、私もいろいろと考えていたのだけど。
なんとなく全体会が、いい学びの場であってほしいと思っている。いい学びが生まれる場とはそもそもどんな場なのかについてはもっと勉強が必要だし、ZIZOにとって学びはなんのために必要なのか、またどんな学びがよしとされるのかは、会社のミッションに紐付いてなければいけないと思う。

学びという言葉が私のキーワードになっているのは、学校の先生をしている弟の影響が大きいように思う。
弟は学者肌な人で、「子どもが好きだ」みたいなアツいことは一切言わないけれど、「学ぶとは」「知識とは」「いい授業とは」みたいなことを、本当によく研究していて、つくづくイケてるなーと思う。弟だいすき。
実家に帰省するたびにいろいろと話すのが楽しみなのだけど、彼が最近教えてくれたことの中に、知識の3つの要素の話があった。

・学んだ場以外に持ち出せて(portable)
・必要なときに使え(dependable)
・作り変えつつ維持できる(sustainable)

というもの。

聞いたとき「うわーすごい」と思った。確かにそれは本物の知識だ、という感じ。

ちなみに「学び」とは、「意味と関係の編みなおし」であるという定義を聞いたときもしびれたものだ。

弟が学校の授業でめざしているような状態が、会社の全体会でできたらめちゃくちゃ素敵だなーと思う。子どもも大人も、学びが楽しい状態が起こる原理に違いはあまりないと思うし。

みんなに学びがたくさんあって、そこにいると自分もなにかできそうな気分になってくる全体会。どうかなぁ〜。

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