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ローカルライターのふたば暮らし 7月1日の日記

横浜から福島県浜通りに移住して9年半、
双葉町に引っ越して、2ヶ月半。
双葉町に暮らしながら、双葉郡をはじめとする浜通りのあちこちに出かけるローカルライターの私の、なんということのない日常を綴ります。

2023年7月1日

小雨の降る中、朝から隣町の浪江町へ。
移住者で歴史オタクな友人が、町の人たちと震災前の伝統行事を復活させるべく、まず会場となる城址公園(だった場所)の草取りをするというので、その熱心さと単純に面白そうなので参加。

告知チラシ

田舎って基本車社会だから、イベントごとは大体現地集合なのだけど、今回は参加者に移住者やこの地域に働きに来てる人も多いからか、まずはセンターに集合してから現場へ歩いて向かう。

そのおかげで、初めて会ったり久しぶりに会ったりした人とも、自己紹介や近況報告しながらまち歩き出来たのは良かったなー。これ、次回イベントやる時参考にしよう。

現場である「権現堂城址跡」へ近づくに連れて道は狭くなり、草は茂り、獣道化。でもちゃんと道はあるので、前の人に続いて進む。

着いた場所は、竹が生い茂り、落ち葉で埋まっていたけれど、以前は芝生の公園で、さらに昔は城があった場所。
まずはここを整えようと、腕に覚えがある方たちは竹を切り、そうでない人は落ち葉や蔓を掃いたり、切ったり。

男性が多かったけど、女性もいましたよ


老いも若きも、地元の人もそうでない人も、老若男女総勢45人くらい参加。人海戦術は見事なもので、1時間半で覆われていた石段や木道が姿を現しました。
「竹倒れまーす!」の声で、竹と共に笹の葉がハラハラ落ちてくるのは幻想的ですらあり、光が差して来る様子は、竹取物語を彷彿とさせました。

作業の合間には、この地域の歴史家の方による、この地(城跡)の成り立ちや歴史の話も聞けて、現場でそういう話を聞くことによるインプットの濃さを実感もしたり。

町中に、歴史地図も展示してありました

良い感じに汗だくになったので、町内の温浴施設「いこいの村なみえ」へ。大浴場での湯浴みと、最近覚えたサウナで整ってサッパリ。

水素で発電してお湯を沸かしているそうです

ランチは道の駅なみえで、海鮮丼。
なにやら若い外国人の集団がいて、つい見てしまったり。(同じ集団だと思われる人たちを、後日国道6号線沿いの東京電力福島第一原発の見えるあたりで見かけました)

カナガシラとシラスのユッケ丼。
大葉の下にもシラスびっしり入ってました


満腹になったところで、さらに北上し、当日7/1オープンだった、パン屋カフェ「aosubashi」へ。

震災後、南相馬市小高区に移住して、キッチンカーでのコーヒースタンドから始めて、実店舗のスタンドバー形式のカフェ「オムスビ」と実績を重ねて来た森山さんが、震災から10年空き店舗になっていた「青葉寿司」の店舗をリノベーションして、パン屋カフェ「aosubashi」として移転オープン。

私はオムスビ時代から時々通っていて、カフェスタッフのシホちゃんともお友達なので、当然のように遊びに行ったのだけど、さすがオープン日!すごい人でしたー!

老若男女のお客さん!

南相馬市は、隣の原町区が中心都市なので、このaosubashiがオープンした小高区には、飲食店や店舗が多くなく、特にパン屋は無かったので、求められてたんだろうなぁと思う。

特筆すべきは、ベーカリーを持たずに、全国の人気店の冷凍パンを扱っているということ。
斬新だし、とても効率の良いことだと思って、その目の付け所すごいなと思いました。

こちらは解凍したパンを並べてます
店内でもお家でも
クロワッサン、うれしい

混んでたのであまり話しかけず、その日は無料オープンしてた2階のコワーキングスペースで寛いでいたら、シホちゃんが声かけに来てくれて「麻衣子さん、めっちゃ自分の場所見つけちゃってる!」と微笑まれました。

2階からの景色


パンとコーヒーで満たされた後は、同じ小高区のブックカフェ「フルハウス」へ。
こちらは、芥川賞作家の柳美里さんが店長をつとめており、この日はカフェでも本屋でもなく、柳美里さんが発起人となった、この夏に開催される「常磐線舞台芸術祭」のチラシを受け取りに。

私は、とあるきっかけでフルハウスオープン直前からお手伝いしており、今回の芸術祭でも広報のお手伝いをしております。

チラシを500部受け取り、早速翌日富岡町のふたばいんふぉに配下。
とにかく早く、地元の人に情報届けないとなのでね!(遅いぐらいではあるのですが)
素敵なチラシなので、受け取ってください!

今週もだいぶ走ったので、双葉郡より少しガソリンの安い南相馬市でガソリンを満タンにし、
楢葉町のスナック的居酒屋「結のはじまり」へひとっ走り。小1時間のドライブ。

この日は女将で友人の古谷かおりちゃんが主宰する『「余白」をデザインする新スナック学講座』の一環で、「お試しスナック」。いわば実際にスナックの店頭に立ってみる実践編。
そのお客さん役として(常連代表⁉︎(笑)呼ばれてました。

※募集は終了しています

受講生それぞれの思いで、全国各地で「場づくり」や食を伝えることをやってみたい人たちが楢葉町に集まっていて、
お客さん役の私たちはそんな思いを聞きながら、半ば勝手にいろいろおしゃべりしたり、皆さんが思いを込めてつくってくれた料理をいただいたり。

お客さん役も、移住者であるかおりちゃんが「地元の人と他所から来た人が混ざる場にしたい」と運営している「結のはじまり」ならではで、
住まいも出身もバックボーンも様々な人たちが集まったので、受講生の皆さんも多様なお話が出来たんじゃないかなと。
(このスナックを建てた地元の棟梁さんや復興の仕事で来ている人、地元出身の人、移住者、本当に揃っていました)

特に接客業は、想定通りにいかないのがデフォルトで、よっぽどのことが無ければお客さんを選べないので、そういう意味では実戦に勝る講話は無いかもしれないなと、アナログで接客業出身の私は思ったりして。

カウンター内、8人の受講生は全員女性でした!


講座のあと、お客さん役のみんなが残ってのアフタートークも楽しかったな〜。
普段からしょっちゅう顔を合わせてはいるものの、会う時はせわしなくてゆっくり話せる時間も無ければ、なんとなくお互い忙しいんだろうなーと思って飲みにも誘えない感じなので、こういう機会って本当に貴重でした。

帰ってから、洗濯機回して、部屋干ししてから寝た私、エライ(お試しスナックの始まる時間が早かったので、帰宅してから洗濯出来たの)。

ご支援いただいた分は、感謝を込めて福島県浜通りへの取材費に充てさせていただきます。