セッション「WHIPLASH」・・・これは断じて愛の鞭ではない

スポーツ根性ドラマみたいなやつだと思っていたら見事に裏切られた!
完璧以上の演奏をひたすら追求する一流音大の指導教官フレッチャーと才能ある新入生だが教官に目を付けられてビシバシ指導を受けるニーマン。
この二人の師弟関係が私の想像を遥かに超えて恐ろしいものだった。
音楽の高みのために人間性を捨て去り、常軌を逸脱していく怖さはサスペンス・スリラーかホラーみたいだ。どうせ最後は予定調和・・・なんて考えはものの見事に裏切られていく。
わたしはジャズが好きなのでそれが大きな動機となって観た映画だから演奏場面はなかなか楽しめたけれど、それどころかどんどん狂気の世界をひた走ったという気分だった。
特にラストはすごい!本当にすごい!汗と血がしぶきと散るドラムプレイ。
至高の演奏を追及する師と弟子の戦い。演奏はクライマックスへと・・・!
大方の凡庸なストーリーでは師弟が認め合って感動に涙するところだが、恐怖で凍り付くこととなった。
すごい映画だった。まだ動悸が収まらない。