いちごタルトみたいな彼女と、羊羹みたいな私が仲良しな理由。
「お待たせ!」
わたしが駆け寄ると、彼女は顔を上げた。
ひさびさに会う友人は、話したいことがたくさんある顔をしていた。
彼女とは不思議な縁で一緒にいる。
明るく活発で華やかな彼女。
落ち着いていて真面目で控えめな私。
学部も違う。
「どういう組み合わせ?」
学生時代はよく、こう訊かれたものだ。
彼女とは、大学のイベントサークルで出会った。
彼女と私は、同じ時期にそれぞれ別のイベントのリーダーを務めていた。
管理役の職員さんと運営内容をめぐってバトルしたり、段取りを練ったり作業をしたり青春の日々だった。
気づいたら、団結が深まっていた。
そして大学院のとき、偶然同じフロアの研究室に配属された。
大学院生活は苦しいばかりで、彼女はとても痩せてしまったし、私も暗い顔をしていた。
そんな日々の合間に、休憩室で一緒にカップラーメンを啜っていた。
団結はさらに深まった。
そしてなぜか偶然にも、就職して他県に移ったにも関わらず、3駅となりに住んでいるという奇跡が起こった。
毎月会ってはご飯を食べたり、彼女の家で韓国ドラマを観たりした。
社会人になってから毎月会う関係性って、小学生の毎日会う関係性に相当するらしい。
一見真逆にみえるこの組み合わせは、メチャクチャに相性が良かったのだ。
彼女は美人でおしゃれな外見から、ミーハーで陽キャでパリピにみえる。
でも話してみると、非常に考えが深く繊細な感受性の持ち主であることがわかる。
私も、1人で深く考えたり、身の回りで起きることを深く掘り下げるのが好き。
そんな彼女と自分の考えを語り合ったり、感じたことを分かち合うのが本当に楽しい。
話していると止まらなくなる。
お茶するだけじゃ物足りない。
積もる話がありすぎて、時間が秒で過ぎた。
社会人になってからもこんなふうに気軽に会ってくれる気のおけない友人がいて、私は本当に本当に幸せ者だ。
《おわり》
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