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中年男の再婚活 47歳、子供が欲しい!

バツイチ中年男の離婚から再婚活まで

離婚で鬼嫁から奪われたもの

40代半ば、仕事は順調で高年収ではないけど年代的にも平均的な収入はある。10年くらい前になるが離婚した時にはその時わずかながらに持っていた全財産と、わが子の親権を取られてしまった。離婚理由はベタだけど「性格の不一致」としましょう。
ヒステリックな元嫁はGPSから始まり、毎日の交通系ICの履歴チェック、出退勤時の電話・・など保護観察でも付いているかのようなまるで犯罪者扱いのようだった。不信感を持つ妻と毎日観察されている私、結婚生活は続くわけもなく子供はまだ小さかったが離婚することとなった。

養育費を払うことで子供には定期的に会わせるという約束も守られず寂しい毎日を送っていた。離婚後暫くは再婚と言う気持ちには全くなれなく、いやむしろ「結婚なんて地獄」とさえ思っていた。何もなくなってしまったけど、それでも贅沢じゃなくても自由に毎日生きていけることにむしろ幸せを感じていた。会社の付き合いでもたまに女性が横でお酌をしてくれるお店に行けたりと、なに不自由なく生活していた。

親父の死

五年後、親父が死んだのをきっかけに生活が少しずつ変わっていった。
親父は癌でまだ60過ぎという若さでこの世を去った。俺と兄ももういい年になり手が離れ、お袋と二人で旅行に出かけたりと老後の生活をそれなりに満喫していたと思う。酒やたばこが大好きだった親父が60まで生きられたのはもしかしたら幸せだったのかな・・と今では思えるようになった。ただ、少し心残りがあるとすれば「親父に孫(子孫)を残せなかったこと」だった。

兄も結婚はしているが子供を授からず55歳を過ぎていた。兄嫁との夫婦仲は良いので私と比べると親父に心配はかけなかったと思う。私は子供を授かったが、離婚前から両親には会わせてあげることができなかった。一緒に遊んだり出かけたりお風呂に入ったりしたかったかもしれないし、親父が長生きすれば息子(孫)と大好きな酒を酌み交わすのが楽しみだったかもしれない・・。なんとなく焦燥感に駆られていた。

我が家には子孫がいない?

親父の死後、お袋がぼけ始めた

親父が死んだあと、お袋が少しぼけ始めた。その頃、私は実家から車で20分程度の場所で一人暮らしを満喫していた。ある日、一人暮らしになったお袋が自転車で買い物に行く時にバイクとの接触事故があった。幸い命に別状はなく軽傷だったが、日常の買い物や通院など一人では難しく私が実家と会社と自宅を行き来するような毎日となった。そんなこともあり「お前、実家に戻れないのか?」という兄の提案で、結婚して以来実家に戻ることとなった。お袋は事故の後遺症もなく少し元気になったが、時々夜中にうなされていたりと心配は尽きなかった。

奥さんと子供がいないお袋との老後

40過ぎの男と、60後半の老婆、毎日の会話も「ごはんなに?」「あれやっといて」「お風呂は?」とか、その程度。ふと、「このままお袋と一緒に俺も年齢を重ねていって休みの日のリビングでの会話も毎日同じで、しまいには老々介護になって・・終わるのかな」とふと考えるようになった。

子供がいたら生活はどう変わるのだろう。
子供がいたら、毎日の会話も毎日違っただろう。
子供が大きくなったら、またその子供が出来て賑やかだっただろう。。

子供がいたら、この色褪せた生活はどんなに明るく鮮やかに変わっていただろうと毎日のように思い老ける時間が増えていった。

離婚からしばらく経ち、細々と一人暮らしをしていたこともあって少しだけ貯金も出来た。職場でも離婚後は干渉がないせいか仕事が捗り、ゆっくりだけど昇進もした。実家がだいぶ古くなってきてリフォームの機会が増えてきたことをきっかけに新築の戸建てに建て替えることも決意した。

「ないのは自分の家族だけ」そんなことを考えられるようになったのは、生活がある意味で落ち着いてきたからなのかもしれない。また事実として「俺が死んだらこの家は終わる」というのが頭から離れなかった。

結婚相談所で再婚活

「中年バツイチ男、子供が欲しい」

暇なときにはふとスマートフォンで「結婚」「再婚」と検索するようになった。結婚相談所の広告がたくさん出てくるようになり、どんどん興味もわいてきて色々と調べ始めた。
たくさんの相談所があることを知り、一括資料請求をしてみた。すると直ぐにたくさんの相談所から電話が鳴り響いた。「まるで引っ越しの見積もりみたい」そんなふうに思いながら、仕事の合間や休みの日に電話で話を聞いていた。
どこの相談所も電話越しで同じことを言っていた。また同じ会社と話をしてしまっているのか?と錯覚するほどだった。
「会員数が多いので大丈夫ですよ」「再婚の方でも問題ないです」「お電話では分かりづらいと思いますので是非実際の雰囲気を見に来ませんか?」と、段々聞き飽きてしまっていた。
その中でも一社「仲人型のサポートで一緒に進めるので早いですよ」「自社会員様同士のイベント・パーティーが多いのでご縁が繋がりやすいんです」と私の中では気になるワードがいくつか出てくる印象深い相談所がみつかった。「ここの会社、次の休みに行ってみよう」そう決意した。

【婚活のキーワード】
・離婚歴有り
・40代の再婚活
・親同居(新築だけど・・笑)
・自分の条件(年収・学歴・身長・体重)

電話越しでは躊躇してしまい伝えられなかったが、40半ばを過ぎたけどどうしても譲れない「子供が欲しい」という気持ち。この年齢で果たして「子供が欲しい」という希望は叶うのかどうか。ここが一番知りたいところだった。

結婚相談所1社目 最大手グループ直営店

巷で話題のデートスポットで、海が見え景色が最高のロケーションに相談所はあった。
店舗に入ると品のある同世代くらいの女性スタッフが出迎えてくれた。
「こんにちは、●●様。ご来店ありがとうございます。本日より●●様のご縁をお繋ぎするお手伝いをさせて頂きます●●と申します。どうぞよろしくお願い致します。」

(いや・・今日は話を聞いてみたかっただけなんだけど)と内心思いながら席へ案内してもらった。窓際のオープンなスペースで閉塞感もなく海や街並みも良く見える特等席。昔ながらの個室に閉じ込められて契約を強要される営業・・なんていう雰囲気は1ミリもなかった。入り口での挨拶では少し力が入ってしまったが、席に着き出されたコーヒーを一口含むとあっという間にリラックスできた。
先ずはヒアリング。私のこれまでの婚歴、現在の状況、希望を少しずつ聞き出されていった。

「なるほど。ご結婚生活は大変だったのですね。家族や夫婦間に信頼関係がないとご家庭が休める環境ではなくなってしまいますよね。私も実は離婚歴がありますのでなんとなくお察しできるんです。」
その言葉に何となく理解者がいるような気がしてほっとできた。

「●●様、お子さまをご希望ですね。ご自宅も新しく建て替えられたとのことで、もう新しいご家族を迎え入れるご準備は整っていらっしゃいますよね。分かりました。」
そういうと、それ以上の余計なアドバイスや意見はせずに画面越しにシステムや会員数を映し始めた。

圧倒的な会員数7万人とその男女比率。また、再婚活をしている会員がどれくらいいるのか、具体的にデータを見せてくれた。再婚活の会員比率は大凡3割程度。こんなにも婚活をしている人たちがいて、更に同じように再婚したいと考えている会員がこんなにもいるのかと驚いた。また、自分よりも先にこんなにたくさんの会員が先に動いていたことを知り、時間を少し無駄にしちゃったかなとも思えた。
実際の検索画面では、子供がまだ望めそうな40歳までの女性を検索してもらった。その検索結果に先ず「多い」と思った。同じ地域、30-40歳の女性で4000人以上。更にこの中から再婚活の人を検索してくれて200人程度いることが分かった。
「●●様の場合は、ご条件的にも沢山の方とお見合いが出来ます。ただ、特に初婚の女性は離婚歴や会えていなくてもお子様がいるかどうかは気にされる方が多いんです。ただ、同じ再婚活をされている女性会員様ならその辺りの理解がある方が殆どですのでご縁が繋がりやすいのも事実です。」
担当スタッフさんの強引ではないデータ分析での信ぴょう性で結婚相談所の訪問が初めての私にも良くイメージができた。また、離婚歴のあるスタッフさんがいることで自分の希望を理解してもらえる期待感と、同じような思いで活動している人がたくさんいることが背中を押し、既に心の中では結婚相談所での活動を決めていた。

この後、思い通りには動かなかった結婚相談所の再婚活奮闘の3年が始まった。。


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