少年サッカー 身体能力を育てるために、やってよかったトレーニングは何?
少年サッカーを楽しむパパコーチ体験記の第8弾!
前回の記事で書いたように、僕は「長男が高校を過ぎても、本気でサッカーができる環境にいること」を目指そうと思いました。
そうすると、まず「ユース年代でそれなりに活躍する」ことが目標になります。そのためには、長男の身体能力を育てることが大事だと思いました。
そこで、自分なりにいろいろと調べて、
ジュニア期から身体能力のトレーニングを行っていました。
今回は、そのトレーニングについて書きます!
何かの参考になれば。
なぜ、身体能力の育成が大事だと思ったのか?
まず、長男の身体能力が決して高くはない、と感じたからです。(残念)
ユース年代で活躍するために必要な能力はなんでしょうか?
ジュニアとジュニアユースのサッカーは、わかりやすく違います。
まず、競技ルールが変わります。プレイヤーが11人になる、5号球になり、ピッチがフルサイズになる。
ジュニアユース・チームに入ってみて感じた違いもあります。ディフェンスの戦術的な動き、特に陣形をコンパクトにするプレス戦術が当たり前に導入され、それを実行するための認知力と走力が鍛えられます。それに合わせて攻撃面でも、コンパクトな守備の間を抜くために、より正確で速いパスが求められます。
では、ジュニアユースとユースの違いはなんでしょうか?
(イングランドではない方の)U18プレミアリーグをYoutubeで見ると、やっているサッカー自体に大きな違いはないように見えます。
ジュニアユースの選手が、ユースに入ってすぐに活躍することがあるように、基本的にはやっているサッカーの内容は近いようです。
しかし、「近い」といっても、同じではありません。はっきりした違いもあります。それがインテンシティです。スピードとコンタクトの強さがまったく違います。
(お兄ちゃんのいるパパ友に聞いても、ジュニアユースからユースになると「フィジカルが一段あがる、ピッチサイドまでカラダの当たる音が響いてくる」そうです)
ジュニアから、ジュニアユース、ユースと進んでいくことをイメージしてみた上で、たとえどんなサッカーをするチームに行くとしても、ユース年代で活躍するには、技術だけでなく、スピードとコンタクトに向けた準備をしておく必要があると思いました。
ジュニア年代に何をやってきたの?
長男は、足は速い方だったのですが、べた足で踵重心(インソールの踵に穴があく)でした。べた足なので縄跳びが苦手。
また、成長期が早めにきたからか、身体の動きがぎこちない点がありました。学校の運動でも、逆上がりや雲梯ができませんでした。(その後、練習してなんとかできるようになりました)
小学生の時期は、広く身体能力を高めるために、いろいろやってみました。
体幹トレーニング、バランストレーニング、縄跳び、水泳、その他いろいろ。
やってよかった練習は何?
いろいろやった結果、一番長男にあっていたのは、杉本龍勇さんが監修した『岡崎慎司 カラダ覚醒メソッド』です。
運動神経が決して良かったわけではない長男が、関東リーグのジュニア・ユースチームの身体能力が高い子どもたちの中で、短距離、中距離ともに上位の方に入れているのは、このトレーニングのおかげだと考えています。(※あくまでも個人の感想です)
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長男は、先ほども書いたように、「運動神経がよい」というタイプではなく、べた足で効率的な走り方ができていなかった。そのため、走り方教室にいったり、いくつか本を買って、練習していました。
ただ、足と地面の接地を足の前部分(フォアフット接地)に矯正して走るようにすると逆に遅くなってしまうようでした。
調べてみると、陸上の短距離走でも足裏全体でフラットに着地するフラット接地でも問題ない(というか、地面からの反発をもらうのはフラットの方がよい)ということのようでした。
また、ジュニア年代は神経系が伸びる時期なので、身体操作、コーディネーション、バランスを鍛えたいと思っていました。なので、動きを止める静的な体幹トレーニングよりも動きの中でトレーニングする方を優先しようとおもいました。
(もちろん両方やった方がよいのですが、ワンピースを読むのに忙しい子どもは5分以上のフィジカル・トレーニングは絶対しません!)
杉本さんは、バルセロナオリンピックの100m、400mリレーに出場した方で、清水、湘南、大分でのサッカーのフィジカル・コーチ経験があります。岡崎選手とは清水エスパルスの時に知り合い、その後専属コーチとして長く関わられているようです。
今は法政大学の教授で、岡崎選手以外にも、吉田選手、堂安選手、板倉選手の指導もされていたそうです。
この本には、陸上ではなく、急加速やターン、ストップを含めたサッカーや球技のための走り方を身に着けるためのトレーニング方法について書かれています。「速くではなく、うまく走る」ことを目指そうとします。
「うまく走る」ための3要素として、①姿勢、②リズム、③股関節をあげています。
実感として、長男は、このメソッドで股関節の可動域が拡がったように思います。走る時のストライドも広がりました。身体の能力を引き出すためには、股関節とを上手く使うことが大事だと言われますが、少しはそれができるようになったのではと思います。
本になっているぐらいなので、紹介されているトレーニング・メニューはたくさんあります。
長男は、U8で一章の「動きづくり」から始めて、段階的にドリルを進めていきました。
すべての練習を一通り行った上で、数種類のメニューを小学校卒業まで継続して取り組みました。
メニューは、この本の68ページにある、目的別のおススメにそって選択しました。これなら、自主練のはじめ5分ぐらいで実施できます。
脚を速くするためのメニュー
1-7 股関節内旋、1-8股関節外旋、1-9足上げフロント、1-10足上げサイド
ステップワーク
3-3フロントスラローム、3-4 バックスラローム
股関節を中心に、上半身と下半身の動きをシンクロさせることが大切だということですが、これがなかなかスムーズにはできません。ですが毎日やっていると、少しずつ体に動きがなじんできて、3か月もやれば、変化が見られます。
特にできなかったのは、バックスラローム。はじめはリズムも姿勢もバラバラでした。それでも小学校を卒業するころには、「なんとなく、できている」感じにはなりました。
このバックスラロームの動きは、守備時の「ターンからダッシュの動き」を速くする、つまりディフェンス力に直結する動きだと思います。
練習時は、着地した足を曲げないことと、着地と腕ふりのタイミングを合わせることを意識していました。
筋力トレーニング
あと、筋力トレーニングも、この本の「自体重トレーニング」のメニューを選んで実施しました。どのメニューも、リズムとストレッチと動きの連動性を統合して鍛えるものになっていて、静的な体幹トレーニングよりも、長男には合っていました。
毎日夜寝る少し前に、このトレーニングかストレッチを、5分ほどで実施していました。
(本当は寝る前のトレーニングはよくないのですが、時間がそこしかなく)
身体能力って伸びるの?
ジュニア年代のサッカーでは、ボール扱いの上手さが、フォーカスされます。
しかし、サッカーは相手と直接コンタクトして戦うスポーツなので、ジュニアユースやユースで戦っていくには、速さ、強さといったアスリートとしての能力が絶対に必要です。
今は、センターバックにも足の速さが必要ですし、ウィングにもプレッシングの強度が求められます。
長男がプレーした実感でいうと、今のジュニアユースの選手はみんな上手くて技術面で差が付きにくいので、身体能力面での差が試合での活躍度合いにつながるように感じています。
たとえば、試合の最後まで走れるか、プレスにくる相手と競り合いながらドリブルで運べるか。
(以前、内田選手は取材記事の中で、ドイツと比べて、日本は評価が技術に
偏っていると言っていました。)
「身体能力が後天的に伸びるのか」というと、僕は伸びると考えています。
長男は、最後まで、陸上選手のような速いリズムの腕ふりが結局できませんでしたし、腿上げのスピードも少し遅いままで終わりました。
それでも、ジュニア期の間で、身体能力は確実に上がりました。倒れそうなところでも倒れなくなったり、最後の瞬間に足を出せたり、試合でも、それは出ています。
僕の理解としては、長男がもともともっていた身体能力を、ちゃんと使えるようにする身体操作の技術が向上したのだと思います。
(そして、使うことで、もともとの身体能力も少しは上がったのでは)
100m走の選手になるには、特別な才能が必要です。
でも、サッカーで求められる身体能力のレベルであれば、身体操作の技術にを身に着けて、子どもが持っている能力を使えるようにすることで到達できるのではないかと、僕は思っています。
「走ることにコンプレックスを持っていた」岡崎選手が、動き出しのよいFWとしてミラクルレスターの一員として活躍したことは、その証の一つだと思います。
そして、身体を扱うスキルは、ボールを扱う技術と同じように、ジュニアの時に始めると伸びが速い。
神経回路に関するものなので、ボール扱いと同じだと思います。
(たとえば、身体操作系のスポーツである水泳や格闘技も子どもの時の方が上達が速いことを考えるとそう思えます)
今は、身体操作の技術向上、コーディネーションのトレーニングはいろいろとあるので、なんとなく子供に合ってそうなものからいろいろと試してみてはいかがでしょうか。
杉本さんのカラダ覚醒メソッドも、お子さんに合うかどうかはわかりませんが、試してみる価値はあるとおもいます!
最後に、身体操作のトレーニングは、練習自体は子どもにとって面白くないので、ボールを使ったトレーニング以上に子どもをのせることが大切です。
のせるための一例ですが、たまにダッシュのタイムを計測して、「速くなっている事実」を確認するのもありです。
(親が計測するので、毎回タイムを速くすることも、親の胸先三寸です。トレーニングを続けさえすれば、どこかで本当に速くなるので嘘にはなりません!)
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