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(75)ベルギー 遠くて近い国 その4 ブリュッセル Anna Tanaka ブランド


Annaちゃんは、自身のブランドAnna Tanakaで、今企業理念として求められているSDGsを意識した服作りをしています。
www.annatanaka.com/
彼女の話によると、見た目の華やかさとは異なり、ファッション業界はかなり地球環境破壊に関与している業界なのだとか。
地球温暖化・海洋汚染・水質汚染・森林破壊・大気汚染が5大環境問題と言われていますが、
まず、生産過程でそれぞれに絡んでいることが挙げられます。
また、過剰生産された既製服が大量に廃棄されている実情があったり、時流のファスト・ファッションが安価で成立する陰には、アジアやアフリカで子供を含めた現地の人が低賃金労働を強いられているケースがあり、残念ながらエシカルとは言い難い状況が散見されます。

彼女は、ファッション業界のそうした影の部分を知るにつれ、自分のブランドでは、少しでも現状に抗い且つ自分のオリジナリティを打ち出すことができないか、という思いを強くしていきました。そしてなにより、身に付ける人には、心地よさを感じてもらいたいのだそうです。

自国で生産された良質な素材を使うべく、ベルギー西部の繊維業で知られる町Deinze(デインズ)のベルギー・リネンの仕入れルートを探し出しました。
en.wikipedia.org/wiki/Deinze
アップサイクリング(既存の洋服の生地を利用して別のデザインの洋服を制作すること)や、デッドストックの洋服を使って新たなデザインでよみがえらせプレタポルテ・コレクションを作るなど、既存のものを活かし再生させる努力もしています。

どうやって再生させるかというと、
まず、マーケットでヴィンテージやセカンドハンドの既製服を買ったり、大学時代のネットワークを駆使して、有名無名ブランドから未使用のデッドストックを仕入れます。その服の写真を撮って、インスピレーションのままに写真を切り平面上でコラージュし、完成形のイメージを固めます。 通常は、その工程を踏んでから裁断・縫製にはいりますが、想像力を掻き立てられる服に出会ったときは、いきなり裁断し布をコラージュして新しい服にしてしまうこともあるそうです。

新しいデザインに生まれ変わらせるこの制作では、前のデザインに残っているアーティストのエスプリ(魂)を読み取って活かし、そこから新たな自分らしさを加えていくことに面白みを感じるそうです。
カップルで共有することもできる心地よい服作りもしてみたいそうで、「ラ・カンブル」時代にスタージュをしたことのある憧れのHaider Ackermann(ハイダーアッカーマン)もシャープでユニセックスなスタイルで知られています。
www.fashion-press.net/brands/140
en.wikipedia.org/wiki/Haider_Ackermann

「ラ・カンブル」の同級生で最近名を成している
Marine Serreもそうですが、ジェネーション・ギャップのある私からするとかなり前衛的。
www.farfetch.com/jp/shopping/women/marine-serre/items.aspx
www.marineserre.com/en-int

最近のエッジの効いたファッションは、このような感じのものが多いのでしょうか。

(次週に続く)
ちょっとした幸せ (67)2022年4月のブリュッセル国連本部近辺

(アトリエからのブリュッセルの風景)

Annaちゃんにアトリエ近くの写真を送ってもらいました。

EU本部


中央駅と上階にあるギャラリー



近隣国オランダにもよく見かけられるレンガを使った間口の狭い建物。絵画教室と書いてありますね。

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