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整理収納コンサルタントが作った子連れ旅本『旅は暮らしの深呼吸』を読んで

私が好きな整理収納コンサルタント、"生活重視ラク優先"がモットーの、本多さおりさん。彼女が最近発売した新刊『旅は暮らしの深呼吸』を読んだ。

整理収納コンサルタントがなぜ、旅の本をと思うだろう。

もちろん、旅の持ち物やパッキングの工夫にも言及されているけれど、本の主眼はそこではない。

子どもと一緒の行き着く暇もない生活と、煮詰まった気持ちを、旅を活用して整えよう。とはいえ旅の負担は重い、子連れ旅をもっと楽に快適にできれば、日常に句読点を打つように、リフレッシュできるのでは?

という提案と具体策がこれでもかと盛りこまれた一冊なのである。

子どもが生まれてからというもの、ものすごいスピードで 日々が飛んでいきます。平日は家事と仕事と育児と雑事でてんてこまい、休日は育児と雑事と育児と育児。。。あれ?私はいつ休めばいいの?

充電はただ布団に入ってゆっくりするのでも良いでしょう。けれど家にいれば、やらなければいけないことが頭の中に渦巻いて、つい働いてしまいます。子どもも放っておいてはくれません。ではいっそ、日常そのものから脱出してしまおう。物理的に家から離れて、家事・雑事のできないところへ逃避行。そうして煮詰まった気持ちを一旦発散させたいのです。

旅は暮らしの深呼吸

思えば子どもが生まれる前は、国内をはじめとして、ヨーロッパやアジア、アフリカやブラジル、ロシアなど、旅をするのが大好きだった。それは夫も同様で、夫婦共通の趣味が旅だ。

旅は『エンターテインメント』の意味合いが強かったが、確かに本多さんの言う通り、産後は『日常からのエスケープ』要素が強くなった。

たまの楽しみに行くいい旅館やリゾートよりも、結果的にリーズナブルに家事をお休みできる会社の保養所や、実家・義実家へ頻繁に赴くほうが、心地いい。

大規模なレジャー施設や文化遺産よりも、自然溢れるキャンプ場や海・川のほうが、子どもが勝手に遊んでくれて楽でいい、など、自分を休ませることができる選択肢へと変化した。

そんな自分の旅の変遷すら、なんだか愛おしくも思えてくる構成になっている。

一度泊まって快適に過ごせた宿や気に入った旅先は、また来年、さらに次の年と、リピートします。新しい場所をどんどん開拓する楽しさもあるけれど、なじみの宿や旅先を作るのもなかなかいいものです。特に子連れ旅は 地図を見たり時間を気にしたりしながら、いつもとは違う環境に興奮する子どもに目配りもするという、ただでさえ気が張っている状況があります。知った場所ならその緊張がいくらか和らぎ、用心せずに過ごせるのが良いところ。美味しい店はどこか、確実に楽しめるのはどこかが分かっていると、リラックスして旅を楽しむことができます。

旅は暮らしの深呼吸

この本には、日帰りレジャーの工夫や、寝かしつけ後に1人でスーパー銭湯にエスケープするなど、手軽にできる息抜きのアイデアも盛り込まれている。

『とにかく休んで!父も母も諦めずに楽しんで!!』というエールを存分に浴びまくって、それだけで少し元気になった私なのでした。

忙しい日々の中、一番のプライオリティは待ってのきかない子どもへの対応です。並行して仕事もあるし、家事もある。そんな風に日々を回していると自分のことはどんどん後回しに。世にはびこり、自分の先入観にもなっているであろう『親が休むなんて』『育児中は多忙で当然』という考えも手伝って、追い詰められてしまいます。これが続くとくつろいでいるパートナーを見るだけでイライラ。自分ばかりが働いている、休めていないと怒りが湧いてしまうことも。そうなれば、家族の平和に関わる事態です。自分のためにも家族のためにも休む・遊ぶ・自分の時間を過ごすをしっかりやっていきたい。今こそパートナーと情報・労働をシェアし直しながら プライオリティの順番を見直す時が来たのです。ここに堂々と『かあさん(とうさん)休みます!』を宣言したい。

旅は暮らしの深呼吸

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