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プラネタリウムのふたご

先日とても嬉しいことがありました!

大好きないしいしんじさんの「プラネタリウムのふたご」という本を読んでTwitterに感想を書いたら、ご本人からリプライを頂きました・・・(涙)

Twitterの限られた文字数では書ききれない想いをどうにか無理やり詰め込んで、語弊があるかなと思ったけど「しんどい」と書いたことが、ご本人に届いてちゃんと受け止めて下さったことが嬉しかったです。

しんどい、と思ったのは、何気ない日常にも実はたくさんの小さな事件が起きていて、それを一つ一つ真剣に受け止めるとこんなに喜びや悲しみがあり、感情のアップダウンがものすごかったから。

これは本の中だけじゃなくて、きっと私達の日常もそうで、だから大人になるにつれていろんな感覚を麻痺させて、気づかないようにして過ごしているんだろうなと思いました。

本気で受け取ると疲れるよね。

出てくる人たちはみんなすごく人間でした。

わかりやすく善や悪に振り切れているのではなく、人間ならこんな気まぐれあるよね、ちょっと嫌味の一つも言いたくなるよね、だけどそんな人でもこういう時は悲しいよね、ちょっといいとこあるよね、という人間の持つ不安定さやいい加減さ、未完成さとも言うのかもしれない、がとてもリアルに描かれていました。

偉くなりたい、有名になりたい、人の役に立ちたい、ミュージシャンになりたい、みたいな感覚は多かれ少なかれみんなあるんじゃないかと思うんですが、そんな感覚で「人間になりたい」って思いました。

人間って未完成だけどとても豊かな生き物ですね。

疲れるけど、こうした人間の生活の数々を私も拾っていきたいから、省エネしなくてもいいように体力をつけたい。

そんなわけで私最近プロテイン飲み始めました(ガチです)。

繰り返しになりますが、発信はもちろん受け取るのも疲れるし体力使いますよね。

私が発信しているものは小さなものかもしれませんが、いつも受け取って下さる皆様ありがとう・・・って思いました。

それにしても、序盤からの流れがこのように繋がっていたのね・・・というところに、ストーリーの感動とは別の回路でも感動しました。

特に、前半で盲目の婦人が話してくれる氷山の話がこういう意味だったんだとわかった時がいちばん衝撃的でした。

ネタバレになっちゃうから内容については控えますが、読了した方がいたらめっちゃ語りたい!誰か!!読んで!!

また、いしいしんじさんの小節もエッセイも、独特な世界観や言い回し、心の声のようなかっこ()の使い方がとても好きです。

登場人物が想像していることや、その場にないこと、存在しているけど見えない想いといった形のないものが、なぜかすごく生き生きと見える世界です。

読んでいる途中、宮沢賢治が時折私の頭の中をちらつきました。

現代のプラネタリウムと賢治の時代の星や星座。

登場人物のふたごタットル・テンペルと賢治の「双子の星」

熊退治イベントやサーカスの熊パイプと賢治の「なめとこ山の熊」

などなど、賢治作品と併せて読んでみても楽しそうです。

そんなわけで新しい本を買いました。

たのしみ!!!



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