とにかく変な映画(褒めてる)『ボーはおそれている』
正直、ギリギリまで行こうかどうしようか悩んでいたが、やっぱり観に行ってきた。
ネタバレにならないように気をつけてファーストインプレッションをnoteします。
この映画は予告編が公開された時は、
「ホアキン・フェニックスは苦手だけどこれは面白そうだから絶対に観に行こう」
と思っていたのに。
金曜に公開された直後から、Xでは
「3時間ずっと気持ち悪い」
とか
「過去作と比べて一番気味が悪くて怖い」
とか
なんだかビビってしまうような感想の人が多かったからだ。
うわぁマジか。予告編はその辺りは隠してるんかなぁ、どうしようかな。
気味が悪いの苦手だし、そもそもホラー映画があんまりやしな。
だけど、
「そうでもない」
「3時間全く飽きなかった」
「意外に面白かった」
という人も意外に多かったし、珍しくあまりネタバレのなかった町山智浩さんの解説やアトロクの宇多丸さんの話を聴いたりして、
「やっぱりこういう映画は映画館に観に行っとこう」
と勇気を出して行ってきた。
結論。
全然、気味悪くも、気持ち悪くも、怖くもなかった!
なんなら相当面白かったし、僕は好きだった。
だけど、誰かれお薦めできるかというと、相方にはお薦めしないかな。
何故なら
めーーーーっちゃくちゃ、へーーーーーーんな映画だから。
よくもまぁこれだけの製作費をかけて大掛かりなB級アングラ実験映画を撮ったな。
と、そんな感想です。
これだけの大規模上映するのが信じられないとXでポストしていた人がいたけれど、まさにそんな感じ。
いや、アリアスターある意味でスゴい。
映画や小説などのクリエイティブな作品については、
「極端にパーソナルなテーマこそ多くの人々にも共感される作品になるものだ」
というような事が言われる。
しかし、アリアスター作品に限って言えば、きっと恐ろしくパーソナルな体験をモチーフにしてずっと作品作りをしているのだろうけれど、
まーったく共感は出来ません笑。
家族に対して何らかの感情を持っている人、親との関係性に問題がある人、などが観ると響く映画、とも言われていて、僕も相当親とは一筋縄では行かない複雑な感情があるのだけれど、全くその琴線には響かないし、
アリアスター監督が「ユダヤ人にとってのロードオブザリングだ」とコメントしていた件についても、ユダヤ人の葛藤が何なのかさっぱり理解していないので全く響かないし、
町山智浩さんが「ユダヤ人は数え切れない多くの戒律に縛られて日常生活を送っていて、そうしたことがボーが恐れていることとして描かれている」のような事を言われていたので、そういうところを意識して観たいたけれど、さっぱり分からなかった。
ある家族の家で交通事故の怪我療養のためアイドルの写真で埋め尽くされた娘の部屋に寝泊まりするシーンで、あれは偶像崇拝を禁じられているユダヤ教の。。。という話も映画上ではそんな風に演出されているようには見えなかったので、単なるこじつけの批評ではないのかな、とも思ったし。
いや、単に僕に映画を観る力がなかったんだろうけれど。
アリアスター監督って、本当に母親との関係が微妙で、父親の不在性が子供の頃からあったんじゃないんだろうか、というのは思った。
いつもあまりに酷い母親像だし。
だって、それしか描いてなくないか?
それでも、この訳わからなさ、ボーが次々と巻き込まれていく出来事をついてない男の悪運ジェットコースターに一緒に乗せられて追っかけていくだけで充分楽しかったのでいいじゃないか。
それにしても、ボー自身がもっとちゃんとモノを言える人間だったらこんなことにはならなかったと思うので、
「オイオイ、なんでそこでずっと黙ってるねん!もっとはっきり言えや!」
とスクリーンに向かって突っ込むことしきり。
ホラー風だったり、
シリアス会話劇だったり、
ドリフのコントだったり、
誇張しすぎた〇〇のハリウッドザコシショーだったり、
アングラ人形劇風だったり、
それこそドッグヴィル風だったり、
トゥルーマン・ショーだったり、
そして、最後はヘレディタリーだったり、
30分間隔くらいで全く別ジャンルの短編映画を次々と観せられる快感。
これを楽しめるかどうかだと思いました。
(2.23追記 映画は約40分の4つのパートと短い2つのエピソードで組み立てられていました)
個人的に一番の課題だったホアキン・フェニックス問題は、無事クリアできました。
いや、もっとちゃんとしろよ!なんだよ!とは終始思ったけれど、それはいつものホアキンが演じそうな感じだったけれど、まぁ本人のせいではないし。
途中森の演劇になるシーンでのホアキンは、やっぱりこの人上手いなと思ったし。
この映画はもう1回観たいかな。
今度は自宅で配信でゆっくりとノートを取りながら観たいかも。
だって、情報量多すぎて全く覚えてないから!!笑
さて、観ていなかったミッドサマーもこの調子なら多分大丈夫だろうな、観ておこう。
<了>
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