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サザンオールスターズ45周年イヤーこそ再放送を熱烈希望〜ドラマ 『ふぞろいの林檎たち』

『ふぞろいの林檎たち』というドラマをご存知でしょうか?

山田太一さん原作のドラマで、TBS系列の金曜ドラマ枠で夜10時から放送されていました。

最初に放送されたのが1983年で、
その2年後の1985年に続編のパート2が放送。
さらに6年後の1991年にパート3。
これで最後かなと思っていたら、なんと1997年にパート4が放送されました。

原作者の山田太一さんと言えば、当時売れっ子の脚本家で、テレビドラマが主でしたが、映画の脚本も何本か書かれています。
今でいうと坂本裕二さんのような感じでしょうか。

ですが、時代が今とは違っていて、今でこそ脚本家の名前が表に出るドラマや映画は普通にありますが、当時は「山田太一脚本」が宣伝文句になるという意味では、他に例がなかったと思います。

その時々の社会問題を取り入れて、その時代の世相をリアルに表現しつつ、ドラマとしてもとにかく面白い、僕が心から尊敬する作家の1人です。
なんせ、山田太一さんのドラマをTBSに入社して作りたくて、会社案内を資料請求したくらいですから。
もちろん、関西の私大だったせいで資料請求の段階で足切りされたのか、待てど暮らせど何も送られてきませんでしたが(笑)。

山田太一さんオリジナル脚本の映画『異人たちとの夏』(1988年)はいわゆる怪談話なのですが、もう涙なしでは観れない号泣映画です。
是非観て頂きたい一本です。
この映画については、またいつか書きたいなぁ。

そんな山田太一さんが架空の4流大学生3人組が、悩み、傷つき、恋して、葛藤するそんな社会派ドラマで、当時リアルタイムでほぼ同世代の僕は(こちらは大学浪人2年目でしたが)完全に登場人物の皆に感情移入しながら観ていました。

最近、相方と一緒にパート2を少し見直していたのですが、
パート2では、それぞれが社会人になり、学生時代とはまた違った悩みにぶち当たることになります。

その後のバブル時代真っ只中のいわゆる「トレンディドラマ」と比べても、チャラチャラと浮ついたところが全くありません。
もちろん、1980年代初期の東京の町並みや暮らしぶり、ファッションなどは懐かしさ満載ですが、
今の目でも見ても、彼らの悩みや葛藤は今の時代にも十分通ずる普遍性があるなぁ、と感心して観ています。

あと役者さんがみんな若い!(そりゃそうだ)
主役の3人組は時任三郎さん、中井貴一さん、柳沢慎吾さん。
相手役の女性陣が手塚理美さん、石原真理子さん、中島唱子さんの3人。
それから国広富之さん、高橋ひとみさん、
中井貴一さんの兄弟に小林薫さんなど、
本当に皆さん若い!
石原真理子さんかぁ、太眉に軽くソバージュのかかったワンレン。
めちゃくちゃ可愛いくてファンだったなぁ。

とにかく、脚本がリアルで、考えさせられるところも沢山あって、
笑えるところもあり面白くて、役者さんもキラキラしていて、
そしてこのドラマのキモはそれだけではないんです。

このドラマの主題歌は全シリーズ通して
サザンオールスターズの「いとしのエリー」なのです。
オープニングはパロディの元ネタにもされるほどとても有名なので、見たことがある人も多いんじゃないでしょうか。


そして、今回見直しみて改めて思ったのが、
とにかくドラマ全編通してBGMがサザンオールスターズだということ。
主題歌の「いとしのエリー」だけでなく、
「シャ・ラ・ラ」、「栞のテーマ」、「My Foreplay Music」、
「Bye Bye My Love (U are the one)」、「Ya Ya (あの時代を忘れない)」、
「いなせなロコモーション」
ここまでサザン一色だったのか!と驚いています。

このドラマはどういう事情なのかわかりませんが、
2002年にDVDで発売されたっきり(それもパート1、2のみ)、
配信でも再放送でもほとんど見ることが出来なくなっています。

ここまでサザンオールスターズの曲がフィーチャーされているので、
是非、この45周年イヤーの今年に配信なりで再放送して欲しいと切に願う次第です。



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