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「正義を主張してはボコられる登場人物たち」を通して「哲学を学べる小説」を読んだ

『正義の教室』を読みました.

高校を舞台に,「平等」「自由」「宗教」という価値観をもつ登場人物たちが,正義を主張してはボコられるという展開でした.そんな物語を通して,「功利主義」,「自由主義」,「直感主義」,「ポスト構造主義」といった哲学思想の特徴と問題点を学べるという仕様です.

とにかく,よく練られていると感じました.登場人物たちが,よくある疑問を代弁してくれるため,哲学の知識ゼロでもすんなり理解できました.また,ストーリーや会話の流れがスムーズで,よけいな描写がない点も個人的には好きでした.

おわりに

登場人物たちは自分の主張に問題点があれば,それを認められるタイプ.そもそも何が悪いのかを理解する感性がある.もし,宮台慎二のいう「感情の劣化した損得マシーン」を登場人物にしたら,本書のストーリーはどう展開していくのか.「パターナリズム」かつ「バカは死ね」という地獄にいきつく気がする.

以上です.最後まで読んでくれてありがとう.
参考になれば幸いです.

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