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「決めつけられたくない」けれど「傷つけたくない」優しい思春期の子ども達

先週中高生・思春期の親対象の座談会のお仕事がありました。
保育園の地域子育て支援センターで開催されたこの講座。
一般的には子育て支援センターでは乳幼児の親を対象としたイベントが多い中、この支援センターで続けてくれている思春期子育て座談会。

幼児が小学生になり中学生になり。
そんな子どもとママ達の育ちを見守り続けてくれてきた地域子育て支援センターとスタッフの先生達。地域に根ざした『場』『居場所』となっている。

思春期の子ども達。
『こころ』と『身体』がチグハグで。
『言っていること』と『やっていること』もチグハグで。
そのチグハグさが何とも居心地が悪く、わたし達大人は何とか理由を付けたがる。
そこに「きっとこうだ!」「こうに違いない!」とついつい『決めつけ』をしてしまう。

思春期の子ども達。
大人からの『決めつけ』が大嫌いで。
大人からの「~しなければ○○なるぞ」のお説教には耳を塞ぎ。
一見筋の通っているかのような屁理屈を一人前に言ってのける彼ら。
そんな彼らの屁理屈に、わたし達大人は大人げなくも、ついつい言い負かしてしまいたくなって来る・・・。

思春期の子ども達。
まだまだ『言葉』は未熟だけれども。
すっかり『こころ』は育っている彼ら。
大人に反抗したい気持ちもありながら、本当は大好きなママやパパを自分が傷つけてしまうことに心を痛めている優しい子ども達。
そうして、そんな優しさになかなかすぐには気付けない、わたし達大人。。。

今年のお正月。
お正月から息子くんと言い合いに・・・。
おばあちゃんが準備してくれたお節やお雑煮が並ぶ食卓。
みんなが食べ終わってから寝癖の付いた寝ぼけ眼で遅れて登場した息子くん。
大人のわたしは決めつける。
「なんで早く起きないの!」
暫く言い合いになる。
普段は他県で暮らしている息子くんとの久しぶりの親子喧嘩。
お正月なのになぁと一瞬我に返る。

息子くんの顔が笑っている。
言葉は嫌味ともとれるような悲痛な言いぶり。。。

彼は本当に傷ついている時には、笑う子だった。
彼は本当に傷ついている時には、強がった言いぶりになってしまう子だった。
そして彼は、本当は傷ついているのは自分なのに、ママではなく自分のせいにして謝ってくれる優しく子で。。。

意地っ張りなママよりよっぽど大人な息子くん。
後から二人きりになってからこっそり「ごめんね」と伝える。「あぁ」と素っ気なく言ってくれた息子くん。
子どもの頃は私が後から謝ると、「ママわかっているよ」と言ってくれていた彼の笑顔を思い出す。
成長している息子くんと、成長しきれていないわたしの苦いお正月の思い出。。。

思春期子育て座談会。
子ども達の本音はどこにあるのか。みんなで話し合う。

「めんどくさい」「わからない」
そんな言葉を連呼する子ども達についつい親はイライラしてしまう。
けれども子ども達のこの「めんどくさい」「わからない」はどうして良いのか分からずに立ち尽くして動けない時の言葉なのかもしれない。

あるお母さんがお子さんとのやり取りの中でお子さんが言われた本音を教えてくれた。
「自分にはできることかなんて分からないし、出来る自信もないし。だから言われた通りやってきた」
「その場をやり過ごせる言葉を言っておけば何とかなると思っていた」
本音が語れるお子さんと。
本音が語り合える親子関係にみんなで感心。
何だか胸のつっかかりがスッとした気持ちになった。

子ども達はわたし達の為に。わたし達との衝突を避ける為に。その場を頑張ってやり過ごしてくれているのかもしれない。
でも、どうしてもやり過ごせない『彼らの想い』がそこにある時に、子ども達は目をつむり頑張って立ち尽くしてくれているのかもしれない。

座談会の最後。
「『めんどくさい』の時期を乗り越えて『~をしたい!』がやって来て欲しい」と表現してくれたママさん。
確かに!
立ち止まって充電。それが完了すれば、子ども達はわたし達の元を飛び立っていく日がやってくる。
そう考えると『めんどくさい』も愛おしく感じてくる。

何気なくふと横を見ると、思春期子育て座談会の担当の先生が泣いていた!!
「『めんどくさい』『わからん』と言われたらしんどい。けどそれでも、お母さん達は頑張っているんだなぁ。焦る気持ちもよく分かる。でもそれでもこうしてみんなで言葉にできるのは素敵だなぁ」と泣きながら感想を伝えてくれた優しくて温かい先生の泣き笑いにみんなで笑い合った。

思春期子育て。
子は親の鏡。
自分自身の嫌なところも映し出されてしまう彼らについつい目を背けたくなることもある。彼らとのやり取りでは沢山の『感じ』『感覚』が体験される。

それから。
鏡は適度が距離がなければ全身を映し出すことが出来ない。
思春期の子ども達との距離感。これは1人で良い塩梅を見つけることは難しい。

子ども達とのやり取りで感じたことや適度な距離感など。
自分一人では気付かないことの中に本当に大切なわたし達の『想い』や子育ての『本質』が隠れているように感じている。
子育て仲間と語り合う機会。
思春期ママだからこそ大切なのではないかと感じた座談会。

わたし自身も思春期子育て真っ只中☆
参加してくれたママさん、いつも支えてくれている支援センターの先生方に心からの『ありがとう』を!
沢山の学びを『ありがとう』
沢山の暖かさを『ありがとう』

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