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真似たいと思う存在

※書籍『子育てを最高の宝物に』
第3章 <今はまだ10代の君へ> より抜粋(十数回に分けて公開中)


僕が高校生になっていじめから解放された時にアルバイトをはじめました。
ホッカイロを製造する工場の製造ラインで検品やら箱詰め作業をしていました。
ここでの友人との出会いが僕に大きな変化を与えてくれました。

中学までいじめを受けていた僕は人とのコミュニケーションの取り方が分からなくて会話がすごく苦手でした。
どう話しかければいいのか分からなくて、当時は同年代と話すだけなのに緊張してました。

「良く思われたい」とか「変なことを言わないように」みたいな意識が強く働いたからだと思います。
この緊張してしまう癖は今では大分リラックスして話せるようになりましたが、まだ場面によっては緊張癖が残っています。

アルバイト先にいた人たちは、学校はみんなバラバラでしたが同い年の人が3人くらいいて大学生も3人くらい、1つ下が1人でパートさんが確か1人か2人くらいでした。


この時のアルバイト仲間に感じたことは2つあります。


1つ目は、今から約20数年前にアルバイトしていた時のことなので、まだまだ縦割り社会で体育会系?的な考えを持った人が多かった時代だと思います。
しかし、アルバイト仲間同士ではそんな時代背景とは関係なく、先輩や年齢関係なく良いものは良いと認めてくれたり気さくに話しかけてきてくれた人達でした。

それまでは人と対峙する時に、自分の中での「見えない壁」を感じていたような気がしていて、学校生活でも上の学年の先輩から話しかけられたことも学校の先生とゆっくり話した経験もありませんでした。

だからアルバイトとは言え、【年齢関係なく話せる】ということがすごく新鮮で経験したことのない感覚でした。


こんなこと言われたらどうしよう
こんなことを言ったらどう反応するかな?


とか、それまでは心の中で複雑なことを考えすぎて言えないことがほとんどでしたが、ここではある程度素直に言えた記憶があります。

完全に素直にはなれていないでしょうけど、それでも小学・中学の時より発言に対して楽な気持ちを持てていたと思います。

否定せず受け止めてくれる人がいて多様な価値観があって、好みはそれぞれ違っていても良しとし、土足で踏み込むようなことは一切しない。

今思うと、あのアルバイト仲間が「みんな違ってみんな良い」との最初の出会いだったのかもしれません。

そんなことを感じた理由は多分、それまでの自分は感情にきつく蓋をした状態だったのが、ここでの経験によって蓋をきつく締める必要がないと感じたんだと思います。
そんなフランクに接してくれるアルバイト仲間の中でも、同年代の友人ができたことがものすごく嬉しかった。

小学校・中学校ではもちろん同年代の友達は作れませんでした。
高校になっても話せる同級生はできましたが友人と言うほどではなかった。

アルバイトで出会った同い年の人や大学生の先輩とは時々バイト帰りにマクドナルドに行きました。
カラオケにもちょくちょく行ったり夏休みは琵琶湖に行ったり、まさかこんな経験ができるなんて考えもしませんでした。


当時のことを振り返って、1つ学んだことに気付きました。
それは、


【楽しみ方や力の抜き方を教えてもらった】


ということです。

言葉で説明してもらったことはないですが、みんなの行動や会話を見て聞いて、それを【真似た】に近いかもしれません。
少しづつ時間をかけながらみんなの行動を真似をすることで「これはいい」「これはダメ」と言うことを学んで行ったんだと思います。

本当なら小学生とかの時期に真似る経験ができれば良かったんですが、その時に真似たい相手を見つけられなかったので、高校生になってやっと真似たい相手が見つかったんでしょう笑。

楽しみ方や力の抜き方なんて知らなかった自分が、誘われるがまま遊んでいたと思います。
でも個人的にはそれが良かったと思います。

派手な遊びではなくカラオケに行ったりマクドで喋ったり。
そしてごくたまに合コンに誘われて行くくらいでした笑。

もし無理やり派手な遊びに連れて行かれていたら間違いなく逃げていたでしょう、こんなことは真似したくないと。
そして友人関係もすぐ切っていたかもしれません。

遊び方や交流の仕方が肌に合っていたことは、すごく視野が広がったし気持ちを解放させてくれたことにはすごく感謝しています。

もしあなたの身近にそういった存在がいたらすごくラッキーかもしれません。


ぜひ真似をしてみることをお勧めします。

真似は感情を解放させる1つの方法になる


と個人的には考えています。
ただし、自分の気持ちを押し殺した真似は逆効果ですからちゃんと自分の気持ちと向き合ってください。
自分の気持ちを優先した上での真似が大切です。

僕はたまたま、ほんとに偶然そんな友人と出会うことができましたが、学生時代にそんな友人に出会えるかどうかは正直分かりませんし、出会えない可能性もあります。



真似をしたくなる友人は人生を豊かにさせます。
僕自身がそれを経験しているので自信を持って保証します。

だから、そういった存在がもし近くにいたら大切にしてください。
その経験は今後の人生に影響を与えるかもしれませんから。



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