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本当の目的地

少し前のことです。

真夏の午後の蒸し暑い日差しの中、ある目的地に向かって家を出ました。

電車を降りて駅から出た途端、全身に突き刺さるヒリヒリするような強烈な真夏の太陽。
暑さで身体は重く、その時は気分的にも身体と同じくらいどんよりとしていたので、途中で足が止まってしまいました。

目的の建物はまだまだずっと先。

もう行くのやめようかな・・・
電車に乗ってここまで来たけど・・・
他の日でも大丈夫だし・・・
書類持っていくだけだし・・・

なんで今日出てきたんだろう・・・
そんなことを考えながら、たらたらと数歩歩いたところで、また足が止まってしまったのです。
でも今度は、ふと視界に入ったものが私の足を止めていました。

商店街の途中、飲食店や雑貨屋さんの中に突然現れた小さな教会。
扉は開かれていて、ご自由にお入りくださいの文字。

その言葉に導かれるように、私はその教会の中に足を踏み入れていました。

私は普段教会に行く機会はないのですが、その時は好奇心とかではなく、ただ呼び寄せられるみたいに中に入ったという感じでした。

外のにぎやかさから切り離された、小さいけど、すごくやわらかな優しい空間に入った途端、一気に涙がこぼれ落ちてきてびっくり。

なんで泣いてるの?
どうしてこんなに涙が止まらないの?

自分でもわからないまま、涙がどんどんあふれてきてしまい、そのうちに大泣き状態に💦

私、疲れてるんだ・・・
心も身体も・・・
疲れて泣きたくて、でもずっとそれができないでいたのかも・・・

泣きました。
誰もいなかったから、泣きたいだけ泣いていました。
何も気にしないで、ただただ泣いてしまいました。

思いっきり泣いたら、心も身体も少し軽くなりました。

もしかして、ここで思いっきり泣くために今日ここまで来たとか・・・?
そんな風に思えてしまいました。

きっと短い時間だったと思うのですが、その時の私にとって、その場所での時間はすごく大切な浄化のような時間でした。

ようやく落ち着いた時、慌てて涙を拭いて、なるべくマスクを広げて顔を隠しながら教会を出てきました。

今日の私の本当の目的地はここだったのかも。
不思議ですが、本気でそう思えてしまいました。

なぜその時教会だったのかはわかりませんが、疲れていた私に神様が、今日はここで心を休ませなさいって、声を掛けてくれたのかもしれません。

神様、貴重な時間をありがとうございます!
気づきをありがとうございます!

もしかしたら日々の暮らしの中や、人生の中での様々な目的地も、自分が思っているところとは違う、本当の目的地があるのかもしれない、そんなことも感じてしまいました。






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