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【映画 レビュー ジブリ史上最高】君たちはどう生きるか

こんにちは、mamekaです。
本日、公開初日に「君たちはどう生きるか」を鑑賞してきました。

本レビューは完全なネタバレを含みますので、まだ観ていない方はお控えください。

ここからは、全て主観となります。

■捉えたキーメッセージ


「自分で考えて、善良な心をもって生きなさい」

個人的には、シンプルかつ現代人に重要なメッセージと感じました。ミレニアル世代、Z世代の多くが実践していることかと思います。

更に、すごいと思ったのは、クライマックスのそこに至るまでが、ジブリのこれまでの作品としての集大成を思わせるものでした。

■シーン概要


シーンは、主人公が母親を火事で失うところから、父親の再婚、転校先で上手く馴染めなく嘘をついてしまう。
そして、新たな母親が主人公に受け入れられず、失踪してしまうこと、実の母親との再会、再婚した母親への気持ちの再確認、自身の嘘を認めること。
最後は、先祖の大叔父から、善良な世界を切り拓いて欲しいという内容。
そこから、主人公と家族は何気ない日常を歩もうとしています。

その至るところに、青鷺、ペリカン、インコといった”鳥”がジブリの世界観を面白くしています。

是非、なぜ、これらの"鳥"だったのかは個人的にも興味があります。

■個人的な感想


ここで私が宮崎駿監督のすごいと思ったことは、子どもの心情で、「親との死別」「再婚した母親との和解」をジブリの世界観をもとにリズミカルにテンポよく描き出しているところです。

一見、シリアスなテーマにおいても、実写映画のようなシニカルさを感じさせないような内容でした。

なぜ、宮崎駿監督はこういったテーマを題材にしたのでしょうか?
私は、これまで社会的に重要なテーマを扱っているジブリにおいて、”幼少時代の感性”の重要性を扱っているのだと感じました。

更に、それは、クライマックスに至るまでにいくつもの共感を得られるような導線を引いていたと考えます。

宮崎駿監督の世界観に引き込むまでに、ジブリの世界観だけでなく、いくつかのメッセージを感じました。

■作中の導線(観客を引き込むポイント)

皆様はいくつ感じられたでしょうか。私は、下記のような作中の導線を感じました。

1.主人公が、幼くして母親が亡くなってしまったこと
2.主人公と父親が、見知らぬ土地で生活を送ること
3.再婚の母親が子どもの理解を得ようとすること
4.(お手伝いの)お婆さんたちがその家族にとって重要な存在であること
5.主人公が転校先の学校に馴染めず、子どもたちと喧嘩をして、自傷をしてしまうこと
6.子どもたちに息子を傷つけられた(と感じる)両親の感情
7.再婚した母親がつわりを耐えている中、主人公の心情を映し出していること
8.父親が仕事を家に持ち込んでいる姿
9.現実世界と別な世界で、自分たち以外のほとんどの登場人物が考えることを放棄してしまっていること
10.ペリカンから世界が弱肉強食の世界だと告げられること
11.別世界の生命が現実世界に生まれ変わるということ
12.正直な主人公と嘘つきの青鷺が協力していく姿
13.実の母親の幼い姿と再会すること
14.主人公が再婚した母親を取り戻したいという思いを新たにするところ
15.再婚した母親が現実世界に戻りたくなさそうにするところ
16.インコの集団の上意下達の世界
17.大叔父の親族を優遇することでこれまで保たれていたルールが崩れ去る瞬間
18.主人公と大叔父とのやりとりで、「墓石を積み上げるのではなく、自分の石を積み上げるべき」という回答
19.最後の青鷺とのやりとりで、「別世界の石を持ち帰るなんてありえない」現代の子どもは考え方が異なるという反応
20.お婆さんの石を肌身離さずもっており、年配を見捨てず、ストーリーの最後まで光を当てていくところ

作品を通じて、あらゆる世代、価値観をおもちの方にとって引き込まれる瞬間があったのではないでしょうか?
私が感じた導線はあくまで一部で他に様々感じた方はいらっしゃるかと思います。

「君たちはどう生きるか」のメッセージまでのクライマックスまでに、あらゆる世代に向けて、どれだけ、共感ポイントをもてるか、そんなところまで設計されている宮崎駿監督はやはりすごいなと思いました。

■最後に
今回の宮崎駿監督の作品は、観客にとって考えてもらうような作品だったかと理解しております。
個人的には、世界観含めて、ジブリ史上1,2位を争う作品だったかと思っております。理由は、主観的になりますが、扱う社会的テーマの重要度思慮深い描写による鑑賞後の余韻です。

今回、ご覧になられた方の感想も是非聞きたいのでコメント欄へお願いできればと思います。


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