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ひろ生さんの「扉」を読んで

絵描きのひろ生さんの長編小説「扉」がすごいです。「揺れ動く心理描写がリアル!」「こんなにたくさんの登場人物を書き分けておられてすごい!」と、文章に感動しながら拝読していたのですが、そのうち小説を読んでいるということも忘れて、「扉」の世界に吸い込まれてしまいました。登場人物が生き生きと……いや、本当に生きているのです。

ひろ生さんはこの小説をドロドロとおっしゃっていたような気がしますが、私は家族愛を感じました。主人公たちは大変な状況にあり、なかなか落ち着いていられないのですが、それでも根底にあるお互いへの愛情が深いです。お互いへの苛立ち、不信感、そういったものを描いていながら、本来温かい家族なのだろうなということを文章の端々から感じさせてくださるのは、ひろ生さんの人間愛の成せるわざでしょうか。

私は拝読しながらいつしか、登場人物たちが好きになっていました。
人間なのでみんな、間違いもあります。けれど良いとか悪いとか超えて、みんな好きで、愛おしくなってくるのです。

私の解釈なので、ひろ生さんの伝えたいことや、他の読者様が感じる雰囲気と違ったらすみません。温かい物語とは少し違うかもしれません。それでも私は温かさを感じました。


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