あることがきっかけで
大好きな映画のことを思い出しました。

「真実」という是枝監督の作品です。
日本語公式サイトはこちら

この映画の感想を一言で言えば、

ヒプノセラピーの後のようなカタルシス！

是枝監督の作品ですが、
本編のほとんどはフランス語で、

主なキャストは
カトリーヌ・ドヌーヴ
ジュリエット・ビノシュ
イーサン・ホーク

劇場で見逃したので、
WOWOWで観ました。

映画が始まる前に、
放送作家の小山薫堂という方が

この作品について書いた文章が紹介されていて、
とても印象的でした。

脚色された事実を

人は記憶と呼ぶ。

意図した脚色もあれば、

心が色を塗り間違えることもある。

・・・

カトリーヌ・ドヌーヴ演じる主人公の女優が
「真実」という自伝を発表します。

テーマは

自伝に綴られた「嘘」と、
綴られなかった「真実」

その中で

「記憶はあてにならない」

というセリフが何度か出てきました。

お互い、長年、
各々の信じ込みのなかで
生きてきた母と娘。

その信じ込みは、
各々の「記憶」によって構築されており、

信じ込みのメガネで観ている現実は、
「真実」とは異なっていたことに驚く。

心が色を塗り間違えたのだとしたら、
その色があなたにフィットしないのなら、
事実は何色だったかよりも大切なのは、
あなたはほんとうは何色が良かったのか、

です。

それを
あなた自身が
あなたの内側が
納得することができた時
はじめて感情が動く。

そして感情が動いたなら、
今度は好きな色に塗り替えることができる。

この映画の中の
言葉のひとつひとつやしぐさが（演技が素晴らしい！）
とても臨場感を高めていました。

感情移入して
映画に入り込んでいるとき、

人はすでに
トランス状態になっているのですから、

カタルシスが起きるのも
当然なのかもしれませんね。

記憶に残る
素晴らしい作品でした。

Je vous le conseille !

Merci a vous