もう誰も待っていなくても 私は待っていてもいい? 21年経っても 新神戸駅の 改札口で待ってるよ あなたが出てくる姿を への字口じゃなくて ニコッとして出て来てくれたら 私は言うよ 夢は叶わなかったよ 恐れを知って臆病になってしまったよ 今じゃ傷ついてボロボロの ビンテージだよ 多分泣きながら話すよ でもあなたはきっと 俺だって叶わなかったよって 歯を見せて笑うよね もう一回 青春しますかー 中年の青春だぜ そのために呼んだんだろ?って 頭の上で指を組んで背伸び
ⅲ.バラードコレクション 年末に、埼玉に行った。 どうしても辛抱たまらなくなって、 彼の大学や、住んでいたところを見てみたくなったのだ。 大宮駅に着いた時からもう泣く。 大学までの電車や、バス乗り場にも胸がドキドキした。 背の高い彼が、すぅーっと立って バスを待つ姿の幻影が、ほんとに見えた 緑の多い街を、大学までのこの道を、彼は何百回往復したのかな。 美しい楽曲は、彼の日常の延長上にあるわけで。 その青春を思う時、胸がギュッとなってしまう。 その街で私はずっと
ⅱ.私のことば SNSで彼のことを呟いてる人、書いてる人は山ほどいると思う。 その中で私の、大体の人に嫌われるポエミー感満載な愛を見つけて、 あえて私を掴まえて下さった。 「20年も経つのに、嬉しいです。」 誰から来るのかわからない、 それでも待ち続けた手紙が、突然郵便受けに入る瞬間。 もう楽しいことなどないよ、と乾いてひび割れた心に 突然降った慈雨。 嫌われがちな私のことばを そのまんま喜んでくださったことへの 驚きと感謝。 私はやってきたその宝物の手紙のおか
Ⅰ.手紙を頂戴 ずーっと待ってた。私に手紙が届く日を。 郵便屋さんのバイクがうちに来て、郵便受けがカタンと鳴る。 バイクが行ってしまったら直ぐに外に出て、郵便物を確かめてたよ。 私宛の手紙。一通入っていないかなぁ。 誰かが私を驚かそうと、楽しませようと、書いてくれた手紙が。 来ていないかなぁ。 来るわきゃ無い手紙を、 40年間待ってた。 特別良いことがなかった人生に、 割りと難しいことばっかりの人生に、 それでも 1%の希望はいつまでも 捨てられない。 明日こそ
織姫星のベガが瞬く日。 私はレコードプレーヤーを持って いなかった だって私、人生に音楽はいっときも 欠かせない。というような、 カッコいい人間ではないもの。 小さなスピーカーが内蔵された プレーヤーを手に入れたのは CDとは別テイクだという彼の歌を 聴きたいから。 やっぱり私は 彼の声の前では 即降参なんだよなぁ 宇宙物理学とは全然合ってないけど 過去現在未来、あの世もこの世も 方眼用紙のマス目上にある点だと 思ってる 点と点の間にピーッと線さえ引いて