第9話:初デートのためにドイツから彼が飛んできました
YouTubeので「運命の人、探してます!」という動画婚活をしたところ、
外国人、500名以上からオファーをもらう空前のモテ期到来!!!
来る日も来る日もデートに明け暮れ
婚活疲れもピークを迎えていた頃
自己紹介とともにメールに添付されていた
一枚の写真に惹きつけられた。
そこに写っていたのは、
笑顔がキュートな欧米系の男性。
メールにはこう書かれていた。
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たまたま流れてきた動画で、君のことを知ったんだ。
僕は以前シンガポールに住んでいたんだけど
今は、母国のドイツで暮らしているよ。
おもしろいチャレンジだね!
君の勇気にエールを送りたくて、思わずメールしたんだ。
運命の人が見つかるよう祈ってるよ。
===========
婚活ビデオを公開してから
恋人候補者からのオファー以外にも
本当にいろんな反応があってね、
とんでもないこの企画を面白いと
応援してくれる人がいる一方
ブス!!!
日本人の恥だ!!!
これは詐欺だ、騙されるな!!!
etc...
人生で
こんなにモテたこともなければ
こんなに非難されたこともない
というくらい
辛辣なネガティブコメントが
目に、耳に、飛び込んでくるようになったんだ。
そんな中
遠くドイツから、わざわざ応援メッセージをくれるだなんて
なんて紳士的なんだろう。
この人に会ってみたいなぁ。
でも今ドイツにいるのなら、さすがに難しいよね。
そんなことを思いながら、
お礼のメールを返信すると
そこからメッセージのやり取りが続くように。
「今度シンガポールで野外フェスがあるみたいだよ!
もしシンガポールに住んでたら、僕も行きたかったなぁ。」
「あ、このイベント、ちょうど友達に誘われてたから行ってみようかな!
どんな感じだったかレポするね。」
なんて、ちょっとした遠距離恋愛気分。
そんな他愛もないメールのやり取りが
2ヶ月ほど続いたある日のこと。
「今度の休暇にシンガポールに行こうと思うんだけど
よかったら、会ってくれる?」
という彼からの連絡。
まさか本当にはるばるドイツから
シンガポールまで、会いに来てくれるなんて。
もしかしたら…
彼が「運命の人」なのかもしれない。
その数週間後、
彼は約束通りシンガポールにやってきて
初デートすることになった。
野外コンサートに行ったり
おしゃれなカフェでお茶したり
マリーナベイを散歩したり
滞在期間中、毎日のようにデートを重ね
ついに彼がドイツに帰国する前日の夜。
「この数日間、君と過ごした時間は、とっても楽しかったよ。
遠距離恋愛は簡単じゃないのはわかってるけど
僕は、真剣に付き合いたいと思ってる。
この先、君はどうしたい?」
しばらく沈黙したあと
「ごめんなさい。
たくさん考えたんだけど、今すぐに結論を出せないの…」
そんな煮え切らない返答しかできなかった。
とっても楽しかったはずなのに
はるばるドイツから会いに来てくれて
こんないい人には、もう出会えないかもしれないのに…
私はジメジメと、過去の恋愛を忘れられずにいたんだ。
「好きだけど、結婚はできない」
と言われ続けてきた彼のことを。
もしここで
「YES」
と答えて次の恋に進んだら
あの彼のことを
裏切ってしまうような気がして……
つづく>>>
第10話:運命の人は、ストーカー?!
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