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小学生女子に勇気をもらったマンガ【学園アリス】#24


学園アリスという漫画を知っているだろうか。

「不思議いっぱい☆schoolコメディ」(白泉社公式サイトより)
「不思議がいっぱい スクールラブコメ」(マンガParkより)


と謳われているけれど。
学園アリスの魅力を伝えるのに「不思議」「ラブコメ」では語りきれない奥深〜〜いところがたくさんあるんだよなあ。

と思ったので、私が今日存分に学園アリスがどれだけ壮大で心を揺るがす漫画か、紹介していきたい。



ちなみに、こんな人におすすめです!

*何か新しい刺激を求めている
*喜怒哀楽を味わいたい
*前向きになりたい
*冒険してみたい
*勇気をもらいたい
*本当に大切なものについて考えたい
*謎が深く、伏線回収するのが好き


それでは早速。


数ある少女漫画から学園アリスと出会ったきっかけ


約15年前。小学校4年生のとき。
3つ年上の従姉妹の家には少女漫画がたくさんあった。大抵、中高生ぐらいのお兄さん、お姉さんが恋をしていた。興味はあったけれど、恋なんてよくわからない年頃だったし(あれ、今もだな)、自分より大人っぽい話にはあまりピンとこなかった。


そんな少女漫画の中で、異色だったのが『学園アリス』。


主人公はなんと、小学4年生。当時の自分と同い年。なんだか親近感がグッと湧いた。早速読んでみると、現実とファンタジーが交差する世界が広がっていた。まだサンタを信じているぐらい、現実とファンタジーの狭間にいた私は一気に引き込まれていき、何度も繰り返し読みたい!と思い、購入にも至った。


恋愛もあるけれど、なんといっても、謎が深い世界観でのストーリー。その中で、本当に大切なものを守る登場人物たちの強い想いが繰り広げられる。そんなところが魅力なのだ。


とにかく、読んでほしい!!


あらすじ


舞台は日本。なんだけれど、全人類の中でも、ほんの一部の人たちには、生まれつき、アリスという不思議な力が宿っている。そして、アリスを持った子しか入れないアリス学園に到着。



主人公は、田舎町で育ったごく普通でちょっとドジな女の子、佐倉蜜柑

そんなある時、同じ学校の親友、今井蛍が東京にあるアリス学園に転校することに。常にクールな蛍は、あっさり別れを告げて離れてしまう。蜜柑は手紙を出すも、そっけない返事がくるだけ。寂しさのあまり蜜柑は蛍に会うため、じいちゃんのへそくりを持ち出し、東京へ行き、アリス学園に入ろうとする。


もうこの時点でワクワクが止まらないんですね。次に何が起こるのか。アリス学園って一体どんなところなのか。蛍は学園でどうしているのか。
まだ幼い、しかもちょっとドジで大丈夫か?と思うような何も知らないで入り込む蜜柑と、共に冒険しているかのような気分で読み進められます。


アリス学園って?


オススメポイントを話す上でもここは外せないので、説明します。


不思議な力を持った子が入るのがアリス学園。
アリスがあると発覚し、学園関係者に知られたら、もう逃げることはできず、半ば強制的に入学。早い子は3歳で入学することも。
実はここ、全寮制で一度入学したら、21歳まで学園内を出ることができないんです。つまり、親にも会えない。(せめてzoomとかあればよかったのにね…)



アリスを持った子は悪徳業者や海外からの人身売買などから狙われやすく、大人になるまで国の保護が必要という意味で、全寮制の学園にしているそう。大抵の親は拒むのですが、アリスが発覚したら、もうアウト。


早いうちから親と引き離されたため、荒れる子どもは多い。
しかし、自分自身が選ばれし人間であるという自覚とプライドを持っている。

うーん、こんな子どもが生徒だったら…厄介ですね。

それではようやく。
話のキーポイントとなる部分はネタバレをしない程度に、オススメポイントを紹介!


主人公蜜柑の真っ直ぐで、前向きな姿


ただ楽しいで終わるマンガじゃなかったのは、なんといっても蜜柑の圧倒的行動力に驚かされたからだ。


でも、その行動のきっかけは「親友の蛍に会いに行きたい」など至ってシンプル。アリスが何かもわかっていないまま、国に守られた学校ということも知らなかったからこそ、自分からアリス学園に乗り込めた。


いや、でも、知っていたとしても行動するのが蜜柑。ということも読むうちにわかってくる。
荒れたクラスのリーダー的存在でも、先生でも、敵にまわしたら死にも至るかもしれない人とでも、どんな状況であれ真っ向から向き合っていく。


どこまでも真っ直ぐな心で、正義感に溢れた子。
そんな蜜柑の人柄に、荒れていたクラスも、中学高校の先輩たちも、徐々に影響され、時に大切な人を守るために、共に行動する仲間になったりする。


でも、そんな蜜柑の正義感は、裏目に出てしまう。
実は蜜柑は、学園にとって重要なキーパーソンである。蜜柑自身が気付くのはだいぶ先になるが。蜜柑はいつも突飛な行動力で学園の闇とも向き合ってしまうため、どんどん蜜柑の出生の秘密が学園の闇と言われる人にも広まってしまう。ネタバレになってしまうので言えないが、だんだんと蜜柑やその周りの友達が、イバラの道に進んでしまう…。


でも、逆境にもそう簡単に折れないのが蜜柑。時に苦しむこともあるけれど、基本は笑顔で前向きに捉える。そんな強さに心打たれます。


大人すぎる勇敢な子どもたちに推しキャラが大渋滞


蜜柑の他にもキャラの個性がたっていて、学園の謎にも関わる重要なキーパーソンも多くいる。

また、小学生の子どもといっても、特殊な環境に置かれているので、理不尽なことも多々経験している。(そもそも半ば強制的に入れられているので)


蜜柑、蛍の他にも、荒れきったクラスのリーダー的存在の棗とその親友ルカなども、過去に何らかの闇を抱えている。そんな小学4年生たちによって、とにかく達観した言動、行動が飛び交っている。


自分の置かれた立場をわきまえているからこそ、親元から離されたからこそ、自分にとって大切なものが何かわかっている。それは家族であったり、時に仲間であったり、恋愛であったり、これは譲れないという価値観であったり。


自分にとって大切なものを守る。


これは全てのキャラクターにとって、共通していることで、どのキャラクターも強い芯を持っている。たとえ悪役でも、実は過去に闇があって、大切なものを守るために、時に蜜柑や学園の生徒たちに影響が出たり。

だからこそ、悪役も嫌いにはなれないというか、いろんな人の事情が入り交じっていて、複雑なストーリーだから登場するキャラも多くいて、とにかく推しが大渋滞する。


光と影のコントラストが絶妙で、伏線も回収していく。


ここまで聞くと、闇の多いストーリーばかりかと思いきや、アリス学園での日常は基本穏やかでコミカルな部分も。
普通の学校のように、国語や算数などの授業やテストがあったり、文化祭やクリスマスパーティー、卒業式があったり。


ドジな蜜柑、クールな秀才なのに食べ物とお金になると欲張りな蛍、蜜柑とくだらないことで喧嘩する日々と同時に蜜柑に恋もしてしまう棗、縦割りの授業での先輩たちとの楽しい活動。


平穏の中に、突然やってくる学園に関係する闇事件。

その度に、蜜柑を始めとした皆が行動を起こし、とんでもないことに巻き込まれたり。でも事件が終わるとまた平穏な日々がやってくる。
そんな予測不能なストーリーに、いつの間にかのめり込んでしまう。

この漫画、光と影のコントラストがすごい!!


さらに、学園アリスは、しばらく読み進めても謎が深くて、謎がわかったと思ったら、まだ見えていない謎があって。
所々意味深なセリフとか情景が出てくるけれど、何巻か後に「あの時のあれって、こういうことか!」と伏線も回収していく。


話の作りが・・・徹底的に作り込まれている。(語彙力)
31巻にわたるマンガだったけれど、最初から完成の姿が見えていたのかな。すごい。


心揺さぶる漫画、とにかく読んでほしい!!


主人公はたかが小学生だけれども、本当に大切なものを知っているからこその行動。


「本当に大切なものを今自分は大事にできているかな」
「どんな逆境にも捉え直して考えて、いつも明るくいたい」


時に命をかけてまで真っ向から向き合う強い想いのある小学生たちが、今も私の中にも生き続けている。


私が比較的行動力があるとか、想いが強いね、と言われるのは、学園アリスのおかげ。へっぽこで等身大だけれど想いが強くて行動力がある蜜柑のおかげかもしれない。



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