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0-1 正解がない仕事|Active Project Management 超実践トレーニング ガイド

management studioの吉見です。
中上級の実務者が現場で活用できるプロジェクトマネジメントスキルのトレーニングを、e-ラーニング・セミナー・アドバイザリーでご提供しています。トレーニングで使用している「Active Project Management 超実践トレーニング」のガイドから、コンテンツの解説部分をセクションごとにご紹介するシリーズ。
今回は「CHAPTER 0 Principle 原論」から「セクション1 正解がない仕事」についてです。


001 正解がある仕事、正解がない仕事

「進め方や何すればいいかイメージできない」世の中には正解のない仕事があります。無限にある道筋の中から、価値や成果を実現するための計画を立て実行する、というような仕事です。正解は、ある基準によって○か×かハッキリしますが正解がないということは基準も無いので、総合的かつ多角的に見た時に最も適している答え=最適解を導く必要があります。ゴールを設定する、基準をつくる、プロセスをつくる、その中で起きる想定外のことに対応して軌道修正しながら最適解となる判断を積み重ねて、結果的に最適なプロセスから独自の価値を実現する、こうした正解のない仕事のひとつが、プロジェクトと呼ばれる仕事です。

002 知ってるようで知らない「プロジェクト」

正解のない仕事である「プロジェクト」とは一体なんでしょうか? PMI( アメリカにあるプロジェクトマネジメント協会)が発行しているPMBOK(Project Management Body of Knowledge・国際標準となっている知識体系)では、プロジェクトは「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期的な業務」と定義されています。「独自」と「期限がある」が重要なポイントです。「やり方」が決まっているルーティンワークにはマニュアルがあり、このマニュアルを再現しミスをしないことが重要です。一方でプロジェクトにはマニュアルはありません。そのため、実現する目的に応じたプロセスを自ら組み立てる必要があります。

003 プロジェクトはなぜあるのか?重要なのか?

プロジェクトは単体ではなく前段にある計画と後段にある運営とのつながりが重要です。利益や価値を生む計画をたて、そのための成果を生み、それを活用しながら実現する、という一連の流れの中でプロジェクトは意味を持ちます。社会が複雑化して不確実性が高くなり、何が利益や価値を生むのか、その実現方法は何か、ということに明確な基準やビジョンを立てることが難しく、ゴールをより良くする、その変更に進め方を対応させるプロセスをつくるためプロジェクトの重要性が高くなっています。また労働人口の減少によって効率化が必要、イノベーションの実現のためにアイデアを形にすることが必要、といった理由から生産性を上げるためにもプロジェクトは重要になっています。

004 プロジェクトのテーマ

ピラミッドや万里の長城もプロジェクトによりつくられました。18世紀後半の産業革命以降、大量生産のために、標準化して如何に効率よく生産するかというルーティンワークの手法や理論が追求されてきましたが、プロジェクトも昔からありました。分化、詳細化しているので表面的に難しく感じるかもしれませんが、突き詰めるとプロジェクトマネジメントは「何のために、どんなものを、どのくらいお金と時間をかけて、どうやってつくれば価値があるものを実現できるか?」というシンプルなものです。プロジェクトマネジメントの知識やテクニックを沢山知っているよりも、思考力、プロジェクトに対するインテリジェンス(知性)によってテーマの答えを出すことに意味があります。

あとがき

今回はプロジェクトマネジメントの対象になる「プロジェクト」そのものについての解説でした。基礎をマスターされている方や、実務をバリバリこなされている方はすでにご存じの内容かもしれませんが「応用も基礎が大事」ということで改めてご確認いただけるとよいのではないでしょうか。

次回は「セクション2 プロジェクトマネジメントとは」についてご紹介しますので、ぜひご覧ください。また、トレーニングにご関心をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

吉見周平
management studio contact@mgt-st.com
HP https://www.mgmt-studio.com
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