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0-4 Active Project Managementの注意書き|Active Project Management 超実践トレーニング ガイド

management studioの吉見です。
中上級の実務者が現場で活用できるプロジェクトマネジメントスキルのトレーニングを、e-ラーニング・セミナー・アドバイザリーでご提供しています。トレーニングで使用している「Active Project Management 超実践トレーニング」のガイドから、コンテンツの解説部分をセクションごとにご紹介するシリーズ。
今回は「CHAPTER 0 Principle 原論」から「セクション4 Active Project Managementの注意書き」についてです。


012 知識&考え方&技術

Active Project Managementは知識と考え方と技術の3つから成り立っています。PMBOKをベースにしたプロジェクトマネジメントの基礎知識と実践経験による気付き、プロジェクトをうまく進めるために必要な考え方、実際にアクションするための手法や手段、これらの組合せによって積極的にプロジェクトを計画、推進して最適解の積み重ねによる価値と成果の実現を目指します。この3つを組み合わせることがプロジェクトを成功に導くポイントです。プロジェクトマネジメントに留まらず一般的なビジネススキルなどの幅広い知識をどのように活かすか、プロジェクトで起きることをどう捉えるかを知り、具体的なアクションにつなげることでプロジェクトをゴールに向けて進めます。

013 プロジェクトマネジメントスキルの定義

マネジメントと混同されやすい役割があります。そのひとつがリーダーシップです。価値や成果の実現を目指すのは同じですが、リーダーシップは組織の目標達成のために組織を牽引する役割であり、マネジメントは価値や成果の実現につながる手法を考え実行必要に応じて軌道修正を行う役割です。実際には両方備えている必要がありますが求められる職能やスキルの上げ方は異なることを理解しておく必要があります。もうひとつが事務局です。事務局とは組織の中でサポートを行いプロジェクトのスムーズな進行を支援する役割があります。これもプロジェクトにとって必要な役割ですが、マネジメントがサポートに起き変わりマネジャー不在にならないように気をつける必要があります。

014 ルーティンワークは一旦忘れよう

プロジェクトに問題が起きる根本的な原因は、そもそもプロジェクトという形式に合った考え方、やり方をしていないことです。ルーティンワークのやり方をベースにしているとプロジェクトは成功しません。例えば、過去のやり方を真似しようとしたり、判断が必要な場面で前例に倣ったりするのはプロジェクトの性質には合いません。もちろん、参照したり考える材料にすることには意味がありますが「そのプロジェクトについて考える上で」という前提があってのことです。条件も状況も異なる中で独自の成果を出そうとしているのに過去事例をそのまま使うのは無理です。まずはプロジェクトとルーティンワークは全く違うものであると認識し、プロジェクトに向き合う必要があります。

015 リソースの最適化・活性化がActiveのカギ

Activeにプロジェクトをマネジメントする考え方のカギは、プロジェクトのリソースをマネジメントスキルによって最適化することです。不確実性によるリスクを積極的に消しながら可能性につながることにリソースを積極的に投下することでプロジェクトを前に進めます。スキル、リソース、リスクの3点を積極的に活用することが最終的な価値実現につながります。ただ漠然と「プロジェクトをマネジメントする」と考えるのではなく「マネジメントスキルでリソースを活かしリスクを可能性に変える」という解像度を上げた定義を頭に入れておいてください。様々なシーンでアクションに困ったとき、この定義が次のアクションのヒントを与えてくれます。

016 プロジェクトのリソースは5つ

プロジェクトのリソース(資源)は活用されることで成果に置き換わります。ヒトは作業といった具体的なアクションから、調整、交渉といったコミュニケーションに関わり、また成果の実現に必要なスキルとパフォーマンスが成果に直結するのでプロジェクトの主役になるリソースだといえます。時間は戻すことが出来ず、カネは事業の成否に関わるためプロジェクトマネジメントの対象の中心となるリソースになります。判断は情報が十分あり、リソースとして整理されていないと正しく行えません。最適な判断の積み重ねが重要なプロジェクトにとって情報は影の支配的リソースとも言えます。モノは成果品の質に関わりますが、機材や設備という視点でもプロジェクトに重要です。

017 成果と価値の実現には3つのスキルが必要

management studioでは、プロジェクトを成功させるために3つのスキルが必要だと考えています。「プロフェッショナルスキル」「ディレクションスキル」「マネジメントスキル」の3つです。これらはそれぞれ、「実現化するスキル」「判断するスキル」「リソースを活用するスキル」という役割があります。いずれもプロジェクトで価値の高い成果を実現するために重要なスキルですので、欠けていないことも重要ですが、この3つのスキルがどれかに偏らずバランスを維持している状態も重要です。炎上案件には、このバランスが崩れていることが原因のものもあります。特にマネジメントスキルは意識されにくいスキルですので、意図的に強化する必要があります。

あとがき

今回はActive Project Managementを行う上で基本となる知識についての解説でした。どんなプロジェクトでも実際にマネジメントする上で重要な知識ですので、覚えておくと役に立つと思います。

次回は「セクション5 Active Project Managementの原則とステップ」についてご紹介します。結局のところ、積極的なプロジェクトマネジメントとは何をすることなのか?について詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。また、トレーニングにご関心をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

吉見周平
management studio contact@mgt-st.com
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