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ゆとりのゲーム感想「ロードランナー レジェンドリターンズ」


【はじめに】


やっと終わった・・・

やはりこのゲームをクリアした後に来るのは達成感ではなく疲労感。途中で一度良作と判定される兆しがあったものの、覆ることは無かった。残念。

・・・いや、このゲームが悪い。ゲームというのはスタート時にいかに惹きつけるかだけでなく、最後まで飽きさせない工夫が必要だということが分かった。今更分かったとかじゃない。このゲームを通じて改めて…な。

義務感でゲームをやるというのは苦痛だ。普通の人はそんなことやらないと思うのだが、私はこのゲームが積んであることに無性に苛立っていたからな。積みゲーは数多いが、中でもコレはオーラのようなものを放っていた。それはもう禍々しい程に。

はぁ… デビルワールドの時に述べた通り、レトロゲームと言えど、さすがに限度というものがあり、あまりにも古すぎるものやゲーム性が極端に削がれているものは中毒の私でも合わないんだよな。ゲームのノウハウが培われていない時代に作られたゲームの歴史の始祖である80年代初期のゲームには感謝しているが、いや〜さすがに無理だわ。

とにかく、クリアしたことだしこのゲームの感想もとい愚痴を残そうと思う。もしかしたら書いてる途中でこのゲームの良さが再発見できるかもしれないからな。

【ゲーム概要】

PS1用ソフト
「ロードランナー レジェンドリターンズ」

「ロードランナー レジェンドリターンズ」は1996年にパトラから発売された作品である。1999年には兼価版としてSuperLiteシリーズとしても発売されていて私はそちらをプレイ。確認していないが、中身はそれほど変わらんだろう。

さて、ロードランナーというワードでビビッと来た人はおそらくファミコン世代、中でもファミコンを初期から体験した世代だと思う。ファミコンでは、初のサードパーティとしてハドソンが参加し、「ナッツ&ミルク」と共にファミコン版のロードランナーは発売された。ファミコンが軌道に乗る前から話題を呼び、売上は100万本にも上るらしい。私もファミコン版のロードランナーはプレイ済みである。

そんな名作であるロードランナーであるが、日本では80年代にアーケードやファミコンで人気を博したものの、90年代に入ると、そこまで名の通った存在では無かったと思う。スーファミど真ん中の世代の方に聴いても、知らない方が多かったので、まぁそういうことなのだろう。さらに時が経ち、1994年に「ロードランナー レジェンドリターンズ」なるものが海外に先行で発売され、日本でも発売されることとなったという。しかし、いくら名作とはいえ当時でも10年以上前のゲームシステムが受け入れられたとは思い難いな。ロードランナー自体は聞くが、本作の話を他所で聞いたことがない。
・・・と思っていたのだが、同じバイト先でこれを知っている方(しかも同年代)を発見。プログラミング教室でアルバイトしているのだが、本作のエディットモードが楽しかったとのこと。私はそちらをプレイしていないので、何とも言えないが本作について楽しく話すことができた。

毎度ながらダラダラとシリーズの根幹から話しているが、ようやく本作の説明に入る。本作は「ロードランナー」をリブートした作品である。ジャンルはアクションパズルで基本的なシステムはオリジナルと変わらない。寧ろファミコン特有のスクロールも無く、よりオリジナルに近くなった感じだ。1Pプレイと2Pプレイ、ステージを作成できるエディットモードがある。私は今回1Pプレイで遊んだ。全150ステージ。

ストーリーは一応あるが、省略。無いようなもんだからね。簡単に言うと、金塊を求めにモンスターがいっぱいいるダンジョンに入った、みたいな感じ。余計な要素が無くて感心するな。お宝がある!だから冒険する!こんなもんでいいのよ。いいのか?でも、下手に正義だの愛だのを語られると私は萎えてしまうからな。天才的に上手い人以外ストーリーを商品として売り出さないでくれ。書くのは自由だけどさ…


プレイ画面
右下にいるのがプレイヤー

ルールは固定画面のステージ内の全ての金塊を取る、それだけだ。全ての金塊を取るとゴールが出現するので、そこに駆け込めばステージクリア。猿でも2秒で分かるゲーム性だが、このゲームが奥深いと言われる理由はプレイヤーの能力と敵の存在である。

まず、プレイヤーである。プレイヤーのできる行動としては横移動とレーザーガンの使用、アイテムの使用、爆弾の使用のみである。ジャンプなんかはできない。

一番の特徴であるレーザーガンなのだが、レーザーガンって聞いたらさ、どんな武器だと思う?敵を倒す?物を動かす?ロードランナーはそんなのに使わないぜ。

正解は穴を掘るだ。

もう一度言う。穴を掘るだ。

もうこの時点で「あ、このゲームちょっとアレだな?」ってなるだろう。そのぐらい今のゲームとはかけ離れたゲーム性を帯びており、深い戦略性を持っている。ちなみに掘った穴は時間経過で元の床に戻る。原理?知らん。

次に敵について。敵のデザインは全て統一されていてチャー研のジュラル星人(知らない人はググれ)みたいなやつが追いかけてくる。武器とかは持っていない。しかし、プレイヤーに触れた瞬間に相手を噛み殺す恐ろしいやつだ。

要はこのひたすら追いかけることしかできないコイツに落とし穴を仕掛けて、落としていくわけなんだが、コイツの恐ろしい所は、落とし穴に落ちても一定時間で穴から這い上がってくるのだ。ぐぬぬ、馬鹿な見た目で意外と賢い。じゃあ、敵が落ちた時に床が元の床に戻ったらどうなるか。大丈夫だ。敵はギャァァと断末魔を上げて死ぬ。それなら敵を殲滅した後で、金塊を回収するだけのゲームなのかと。ハッハッハッ、甘いな。

穴掘るじゃん?敵落とすじゃん?埋めるじゃん?敵倒すじゃん?

そしたら、何事も無かったかのように上から敵が復活してくんだよ。

これがロードランナーの世界だ。ビビったかゲーマー共よ。この常に敵に追いかけられるスリルに怯えながら金塊を回収していくのがロードランナーなのだ。

と、さも革新的なゲーム性だが、ここまでは初代から引き継がれるシステム。他にもハシゴや掘ることが出来ない床、トラップ床は当たり前のように登場する。本作はさらにそこからアレンジが加えられていて、具体的には爆弾とアイテムとギミックの追加だ。爆弾とアイテムは別々に分けられており、爆弾は4個まで、アイテムは一つしか持てない。アイテムやギミックは複数あるが、1ステージ目から出てくるのではなく、15ステージ区切りで順々と追加されていく。15ステージが1つのワールドのような区切りになっていて、ワールドをクリアするとアイテムの使用方法が何となく分かるデモのようなものが流れる。

ワールドをクリアすると流れるデモムービー
新たなアイテムの使用方法が分かる

それ以外は基本今までと同じシステムだ。知っている人からしたら慣れ親しんだものだな。覚えるものも少ないし、PCやファミコンで遊んでいた人も直ぐに理解できるだろう。今となっては名作をリメイク、というのは安直な選択なのかもしれないが、時代はPS1。まだまだ皆がゲームというものに「未来」を感じていたと思う。そんな中で古いゲームをリメイクするのは、中々危ない橋渡りだと思うが、本作はそんな不安を拭って海外ではそこそこ売れたらしい。日本ではどうだったかは知らんが。

【感想】


最初に述べた通り、本作をプレイするのは中々苦痛だった。本作に限った話ではない。そもそもロードランナー自体が私に合わないのだ。だって、銃持ってて敵を倒せないって何だよ、って当時中学生の時も思ってたもん。

ムカつくのがこのロードランナーは、今でもリメイク作品が出るぐらい人気のある作品ってことだ。これを面白いという人がメジャーで、これをつまらないと思う人はマイノリティー。私の感覚の方がおかしい。この事実に変わりないのだ。ファミコン版をプレイするきっかけもネットで面白いファミコンを探してたら、これを異常な程勧めてきた人がいたからだ。中学生だった私は疑いもなしに買ってしまって後悔してしまったのを覚えている。畜生。自分の濁った感覚を今の時代とリンクさせてんじゃねぇ。・・・いや、どうやってもマジョリティーには勝てないんだよな。私のセンスが無ぇです。

敵を倒せないことにイラついているのもそうだが、一番納得できないのは、本作がパズルゲームとして位置づけられていることだ。どう見てもアクションゲームなのに。パズルが仕掛けられている面もあるにはあるが、敵の移動する習性を利用する、時間差や仕様といったテクニックを使わないとクリア出来ない面の方が多い。このゲームは論理的思考力なんかは求めていない。どのようにして全ての金塊を取るのかというパターンの構築と知識やテクニックを実践できるかどうかといったアクションの要素が要求されている。

じゃあ、アクションゲームとして見るとどうかというと、てんで爽快感が無い。敵は倒せないし、詰みの要素が多すぎる。このゲームの主人公はすごいよ?自分が掘った穴に埋まって何も出来ずに死んじゃうんだから。敵だって自力で抜け出してんじゃねぇか!穴に落ちてもどうにかできるようにしとけ!つまり、左に穴を掘って、うっかり右の穴も掘ったらその時点で1機消滅だ。まともにアクションボタンも打てないアクションゲームなんかあるかよ。敵に挟み撃ちになっても終わりだ。ジャンプもできないから床が掘れなかったら終わり。クソが。

敵の動きも変だ。敵は基本的にプレイヤーを追いかけて来るのだが、どうやら動き方に意図的な癖が仕込まれているみたいだ。絶対に近づいてきた方が有利なのに、なぜか全く関係ないハシゴを登り、プレイヤーと同じ高さの別の位置で立ち往生している。プレイヤーのx座標の位置よりもy座標の位置に近づくことを優先するように動きをプログラミングされてるらしい。おそらくこの動きを利用することがパズル要素だと言いたいのだろう。だが、はっきり言ってこの仕様を使ってパズルを解いた快感を得たステージはほぼない。結局はこの仕様を使ってアクションをこなしていくだけのステージが多数を占めていたと思う。そもそも敵がマヌケに見える。ずっと意味の無い場所でウロウロされてもこちらとしては面白みが無い。ファミコン版のロボットの方が賢かったぞ。

初代から存在する隠れた金塊にも不満があった。RPGにおける負けイベントのようなものだ。話は変わるが、私は負けイベントというものが心底嫌いである。要は、ストーリーを盛り上げる為の演出だと思うのだが、そんなもんはムービーやデモで相手がどれほどの強敵なのかを説明するだけでいいと思う。正直ストーリーもそれがあるから盛り上がっているとは思えん。この負けイベントがあるおかげでどんな弊害が起きるかというと、強敵が現れた時にそれが負けイベントかどうかを判断しなければならんのだ。戦ってHPが少なくなった時にアイテムを使いたいが、負けイベントだと無駄に消費してしまうことになる。しかし、負けイベントでは無かった時にアイテムを使わなければゲームオーバーになってしまう。このような苦悶に苦しめられながらRPGなんかやってられるか。そういう理由だ。負けイベントを採用しているRPGは軒並み嫌いなんよ。

話は戻って隠れ金塊。これは壊せる床の中に金塊が入っているもの。ルールとして全ての金塊を取らなければゴールできないので、これらも取る必要がある。なのだが、この隠れ金塊があるのか無いのかは非常に分かりずらい。爆弾をたくさん使うステージにあって、絶対に見つかるような場所にあるならまだしも、普通のステージで隠れ金塊があったりするから嫌になってくる。全ての床を壊して隠れ金塊が無い!実は敵が最後の金塊持ってました〜みたいな展開も何回かあった。

あとは、トラップ床。これは一見普通の床なのだが、すり抜けられるというもの。これも私をイライラさせた要素の一つだ。これがあるせいで、組み立てたルートが一発で無に帰すのだ。逃げた先がトラップ床で下で待機していた敵に喰われてあぼん。もう嫌になってくるぜ。

本作は残機制を採用している。これもアーケード版やファミコン版の名残なのか知らんが、めちゃくちゃストレスが溜まる。本作は死にゲーといってもいいぐらいよく死ぬ。それなのに残機が0になるとゲームオーバーでステージ1からである。製作者はこのゲームを作った時にテストしなかったんか?どう考えても150あるステージでゲームオーバーつけたら難易度が跳ね上がるだろ。馬鹿。ステージに入るとセーブが出来るので、セーブとロードを繰り返してやっていたが、毎回毎回ロードを挟むので時間が取られてしょうがなかった。

はぁ…合わなかったなぁ。このゲームが名作と言われている理由がさっぱり分からん。パズルゲームとしてはアクション要素が邪魔だし、アクションとしては達成感、爽快感に欠ける。やっていてずっとこのゲームがいかに面白くないのかを頭の中で言語化していたが、私は「エイブ・ア・ゴーゴー」というゲームを思い出した。私が今まで遊んだゲームの中で超がつくほど名作だと思っているのだが、本作と少し似通った点がある。自分で敵を倒せない、意地の悪いトラップだらけ、敵を避けるだけでなくアイテムを回収するということも考えなければならない、といったものだ。エイブはハマったのに、何でロードランナーはハマらないのだろう。こんなことをずっと考えながらやっていた。

一つ思ったのは、本作は終始地味であることだ。敵も1種類しか出ないし、背景も色が変わるだけで、基本は洞窟の中のような所を冒険する。エイブの方はパズルとアクションの塩梅が非常に上手く、敵の種類も複数いた。あっちもゲームの中では地味な方だが、こちらは群を抜いて地味である。地味すぎる。まぁ、色々書いてみたが結局は相性が合わなかっただけなんだろうが。悔しいなぁ。

しかし、最初にちょこっと言った通り、本作を面白いと思う瞬間も少ないがあった。それはアイテムの要素だ。本作のオリジナル要素としてアイテムとギミックがあるのだが、このアイテムに関しては面白いと思わせるのが何個かあった。床にばら撒くことで、敵の移動速度を遅らせるタールや敵を一定時間硬直させるスプレー、敵をぶら下げる罠を張り実質敵を倒せることができるモンスタートラップは戦略性が高まり、やってて気持ちよかった。

しかし、中には糞アイテムもチラホラ。まず、専用の床を開けるドリル。これだけなら良い。問題はドリルが開けられる床と普通の床の見分けがつかない事だ。微妙に似ていて一回一回掘って確認しないとそれがドリル床なのか分からない。なぜ分ける必要があったのか。分けるにしてももっと見やすくして欲しかったな。あとは、上にある床を削って岩を落とすピッケル。これはレーザーとどう違うんですか?かさ増しとしか思えない無駄アイテムだった。これを使ったのは、これを使わなければいけない専用のステージのみだ。攻略で役に立ったことは1回もなかった。4ワールド辺りでモンスタートラップが出てきた時はテンション上がったが、その後はズルズルとゴミが増えていってまた序盤のようなつまらないゲームとなってしまった。

ゲーム自体の不満はこれぐらいかな。相性が合わなかったゲームだった。現在でも面白いと言われてる理由が正直分からん。

音楽について。音楽なのだがすごく出来は良い。洋ゲー臭がすごいが、荘厳で正にダンジョンの中を走り回るのにうってつけだった。ただ、不満としては曲が始まって1分間ぐらいは無音状態、正しく言えば環境音のみが流れているだけの状態が続くことである。自然音だけならまだいいが、1分後ぐらいに急に音楽が鳴り始めるとかなり不自然である。製作者は何を狙っていたのだろうか・・・

途中に挟まれるデモは正直微妙だった。使い方を教えてくれるもののはずなのに、デモで見た使い方と全然違う、みたいなのもあった。デモの使い方の方が面白そうなのに使えないというストレスは半端なかったので、変なセンス見せてくるのはやめてほしい。もしくはデモに合わせてアイテムの使い方を決めても良かったかもしれん。

難易度は高い。しかも、最初から段々と難しくなってくるものじゃなくて、前半なのに激ムズだったり、後半で激ヌルだったりした。特に難しかったのは、2と10のワールド。9のワールドは視界が悪いだけで1のワールドと同じぐらいの簡単さだった。正直、ネットに頼ってしまったステージもあった。隠れた金塊なんか分かるかっての。

これぐらいか。結局はゲーム性ありきの作品だからゲーム自体に合わないと他でカバーしようがない。救いやモチベになる要素が無い。私には苦しいゲームだった。

【まとめ】


言いたいことは全部言ったな。はぁ… 一つ気がかりなのが、実はこのゲームには続編があって、それはシリーズ恒例のエクストラがあることだ。

続編のロードランナー2
エクストラと呼ばれるもので、本作よりも
難易度が断然高い

そちらもステージ数150。しかも本作よりも全然難しいとのこと。あ〜嫌になってくる。そちらはPS1のソフトなので、なるべく攻略したいと考えているのだが、正直見たくもない。やりたくなさすぎる。このゲームと早々に縁を切りたい所だが、そうは言ってられないようだ。はぁ…




(本作をプレイするには実機で遊ぶしかないようだ。本作をまだプレイしていないレトロゲーマーはプレイしてみてはどうだろうか。)


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