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ゆとりのゲーム感想「グラディウス(FC)」


【はじめに】


歴史が始まってもう50年以上が経過するテレビゲームだが、未だに進化は止まっていない。もうこれ以上面白いゲームは無いだろう、というゲームが次々と生まれてはそれを超えるフォロワー作品や新たなゲームシステムが開発されたりしてプレイヤーとしては嬉しい限りだ。

しかし、進化が進んでいく中で、これ以上伸ばしようがないゲームシステムも存在する。かつては斬新でゲームの代名詞を背負っていたものでも、いつかは飽きられ他のゲームに主役を譲ることになるゲームが殆どである。でも、これは仕方ないことだ。かといってずっと似たようなゲームが横行していても「はぁ?」ってなるし。

そんなジャンルの1つが「横シューティング」である。このジャンルもかつては名声を轟かせていたが、今ではサッパリだ。それもそのはずで、シューティングはあらゆるゲームの中でも進化をし続けているジャンルだからである。源流として「スペースインベーダー」を代表とする固定画面シューティングが生まれた後、スクロールが追加されたり、3Dになったり、銃を模したガンコンを使ったりと数多の変化を遂げたのだ。今ではFPS、TPSという形がシューティングと言われるようになっている。

さて、そんな"古臭い"横シューだが、今遊んでも面白いのだろうか。今回は横シューの代表作とも言える「グラディウス」をクリアしたので紹介する。

【ゲーム概要】

ファミリーコンピュータ用ゲームソフト
「グラディウス」

「グラディウス」は、1986年にコナミから発売されたファミコン用ソフトである。元々は1985年に稼働されたアーケードゲームでそれを移植したもの。アーケード版は東京に行った時にたまにやるな。あー秋葉原or高田馬場or巣鴨or池袋行きてぇ・・・

元々は1981年に稼働していた同社の「スクランブル」をベースに作られたものだそうだ。といっても知らんな。調べてみると横スクロールシューティング、舞台が宇宙、ショットやボムを使うといった共通点があって、確かにグラ感がある。1981年というとドンキーコングが稼働した時期じゃないか。この時期からスクロールの技術があったんだな。KONAMIスゲエエ!・・・いや、当時のKONAMIは凄かったらしいっすよ?今は割と悲惨だけど。

ここで、ストーリーを説明しよう。

母なる美しき惑星グラディウスは、亜時空星団バクテリアンの激しい宇宙侵略攻撃により絶滅の危機にひんしていた。我々の惑星グラディウスを守るために、超時空戦闘機・ビックバイパーが今、暗黒の宇宙に飛び立った。壮大なる異次元空間とバクテリアンの総攻撃がビックバイパーを待ち受ける。めざすは敵要塞ゼロス。エネルギーカプセルを集め、パワーアップだ!グラディウスを救えるのは君しかいない。勇気と集中力で、さあ、発進せよ!

「グラディウス」説明書より

とまぁ、それっぽい設定とストーリーがある。「R-TYPE」や「ファンタジーゾーン」なんかを知ってると味気なく感じるな。アイツらが異常なんだけどな。ゲーム内で説明されることはないが、本作はシリーズ化されてるので、続きをプレイするならばストーリーを頭に入れておくのもいいかもしれない。「あ、俺惑星グラディウス救っちゃってるよ!」なんか思ってこのゲームにマジになってもいいだろう。

プレイ画面

本作はビックバイパーという戦闘機を操作して戦う横スクロールシューティングだ。操作方法は十字移動とショットボタン、エネルギーカプセルを持っている時に使用出来るパワーボタンのみである。全7ステージ。スコア方式を採用していて、100000点ごとに1UPし、残機が増えるようになっている。

余談ではあるが、本作は「ダライアス」「R-TYPE」と共に名作横シュー御三家の一角として知られている。それほどまでに名作と語られている理由として、画期的なパワーアップシステムがある。特定の敵を倒すと「エネルギーカプセル」を落とすのだが、これを拾うと画面下にあるパワーアップゲージが上昇し、任意のタイミングでボタンを押すと、自機をパワーアップすることができるのだ。私はアーケードゲームに関しては疎いのでよく分からないが、ファミコンだと本作以前のシューティングでこのシステムを導入しているのは見たことが無い。自機を強くする爽快感やゲームバランスを良好にした良システムなのは私も同意だ。

パワーアップの内容は以下の通り。

・SPEED UP
自機の移動速度が上がる。最大で5段階まで上げることが可能。

・MISSILE
自機の下の方から対地ミサイルを一発発射する。落下後は地を這うように前進する。一度打つと、打ったミサイルが消えるまで再発射は出来ない。

・DOUBLE
自機の前方斜め上からショットを発射する。LASERとの併用はできない。

・LASER
ノーマルショットの代わりに攻撃判定の大きい貫通レーザーを前方から発車する。DOUBLEとの併用はできない。

・OPTION
自機と同じ装備を持つオプションを出現させることが出来る。オプションには当たり判定が無く、自機の後を追うように移動する。最大で2個装備することが可能。

・?(SHIELD)
全方向から攻撃を守るシールドを装備することができる。一定以上のダメージを受けると消滅してしまう。

以上だ。1度パワーアップするとゲージが0に戻る。SPEEDUPから下に行けば行くほど、必要なカプセルの数も増える。

ステージの内容についてだが、比較的楽な「前哨戦」、各ステージで異なる「本番」、そのステージにおける「中ボス」、共通のボスである「ビッグコア」の順にステージを進んでいく。

シリーズおなじみのモアイステージも
本作から登場している。

ゲームの概要については以上だ。

【感想】


これも初見じゃないな。中1ぐらいの時に3DSのVCでよくやっていた。初めて遊んだ感想としては、先にプレイしていたR-TYPEと比較して「遊びやすいけど、R-TYPE程の感動はねぇな」という評価を下していた。

では、なぜ今更になってファミコン版のグラディウスを引っ張り出したのかというと、シューティングが上手くなりたい、という私の切実な野望があったからだ。

私はシューティングが下手だ。というのも、今まで遊んだゲームの中でシューティングが占めている割合は、1割も満たしていないと思う。クリアしたのを挙げると横は、グラディウス1〜3、R-TYPE、ファンタジーゾーンのみ。縦に至っては、ゼビウス、スペースインベーダー、ギャラガ、あとはインディーズにあるのを少しやったぐらいかな?私がクリアしたゲームは300本くらいあるので圧倒的に少ない。それもそのはずで私の世代になるとシューティングをやってるやつなんか皆無だ。東方が好きで原作をやっている奴もたまにいるが、極小数なもんで、FPS、TPSが主流の現在の環境では、純粋なシューティングを好きな奴は周りから総スカンをくらうだろう。そんな時代で生きてきたもんだから、シューティングはそこまで触れる機会は無く、興味も無かった。

しかし、大学生になり秋葉原や池袋のゲーセンに行くようになった。モーリーファンタジーとかタイトーステーションとかじゃなくて、むか〜しの寂れたゲーセンね。そこで稼働しているアーケードはやっぱり格ゲーとシューティングなわけで、この2つを楽しめるようにならないと遊ぶ選択肢がガクッと少なくなってしまうのだよ。私は、現在大学4年なのだが、来年から高田馬場で働くことになっている。今のうちに練習しておいたら仕事終わりにゲーセンで仕事で溜まったストレスを解消する、みたいなことも出来るわけだ。だから、そこまで慣れ親しんでない格ゲーやシューティングを今のうちに練習したかった。

そこで、選んだのがこのファミコン版のグラディウス。アーケード版をSwitchとかで買っても良かったんだけど、私の中でグラディウスと言えば、かつてよく遊んでいたこのファミコン版の方なので、今回は懐かしみつつ本作をプレイした。あと、お金を払いたくなかった。ワンコイン1周クリアを目標に練習した所、無事達成することができた。やったね。

久しぶりにやってみた感想としては、遊べなくは無いが今遊んでも超絶面白い!という訳では無いな。初見プレイ当時も似たような感想を抱いていたから大人になって目が肥えて〜とかじゃないよ。

まず、アーケード版との比較だが、ハードの制約を巧みなアレンジで解決した家庭用移植の手本と言えるような出来栄えである。グラフィックの劣化や装備の仕様変更、ギミックの削除といったアーケードと比べてかなり削られた部分もあるが、裏技やワープといったものを新しく追加したり、シールドの判定を広くしたり等、アーケード版がクリア出来ない初心者でも攻略可能な難易度に仕上げている。というか、私はファミコン版から入ったからアーケード版の難しさにビックリしたな。ファミコン版のシールドは偉大やでェ…

しかし、音楽に関してはアーケード版と比べてかなり残念な出来だ。これはしょうがないとはいえ、ガッカリした。本作のアーケード版の音楽は他のゲームを圧倒していて、本当に耳心地の良いサウンドである。私もファミコン版の音楽は全然感動しなかったが、初めてアーケード版のを聴いた時、「こんなに綺麗だったのか!」と感激したものである。ただ、この時はまだ拡張音源使ってないんだよな。拡張音源を使用したファミコン版のグラディウス2はアーケードと肩を並べる程の出来だったので、まだ本気じゃないんだ、という母親のような広い心で見逃してやろう。

ゲームシステムはどうだろうか。本作の目玉であるパワーアップシステムなのだが、この「シューティングにおけるパワーアップ」というのは、もう何度も擦られているものであり、特に新鮮味は無い。それをゲーム史上初めて上手に取り入れた本作に敬意を表するが、なんというか当たり前だよね〜という感じ。しかも、本作のパワーアップゲージの仕様は好きじゃない。例えばSPEEDUPをやろうとしてカプセルを一つ取る。その後にもう一度カプセルを取るともうSPEEDUPには戻れない。SPEEDUPに再度カーソルを合わせるには、追加で5個カプセルを拾わないといけない。面倒すぎるだろ!!!あと、腹が立ったのはシールドの仕様についてだ。シールドを貼ってダメージを受けると消えてしまうので、シールドを取った後もまたカプセルを集める必要がある。シールドが壊れてない状態で、再度シールドを貼ろうとするとどうなると思う?
貼れないんだよ!だから、新しいシールドを貼るには、わざとダメージを受けてシールドを壊す必要がある。そのまま上書きさせてくれや!!!わざとダメージを受けるのはテクニックとして紹介されていたが、私は認めていない。普通にイライラした。

あと、連打が必要なのがウザイかな。スターソルジャー程ではないが、本作もある程度、連打技術が必要である。連射機能が当たり前になっている今となっては、この手の痛みは気持ちのいいものでは無い。特に1・5面の火山と3面の中ボスと4面の触手の敵と6面のボスは超絶連打が必要である。ってほぼ全部じゃねぇか。クゥー!手が痛いぜ!(^ω^💢)

難易度は先程述べた通り、丁度いい。ガチシューターの人からするとかなりヌルいと思われるかもしれんが、私のような下手っぴには中々の歯ごたえである。最初は難しいと思うが練習すれば誰でもワンコインクリアできるようになる…と思う。どうしても無理な人はコナミコマンドやワープを使うといいだろう。昔はダブルを使用していたのだが、レーザーが強いということに今更になって気がついた。6面がしんどい人はレーザーの方がいいよ。

今遊んでもそこまでの感動は得られないと書いたが、本作はレトロゲームを始めたい人に勧めたいな。ファミコンの中では簡単な方だし、遊べなくは無いからね。↑↑↓↓←→←→BAってこのゲームから始まったんだよ、ってドヤ顔で語りたいしな。というか、今の人はコナミコマンドとか知らんか。

【まとめ】


シューターを目指す第一歩として本作を久しぶりにプレイしたが、中々のやりごたえだったな。簡単簡単と言われていたのは知っていたが、初見当時も結構苦戦していて今やっても苦戦したから私は本当にシューティングが下手だな、というのが再認識できた。でも、こっから始まるぜ?私の最強シューター伝説がよォォ… ・・・いや、何でもない。とにかくゲーセンで優雅に遊ぶ自分を妄想しながらシューティングを勤しむとしよう。今度は縦シューに挑戦だ!!!!!
・・・はぁ。






(本作はNintendo Switch Onlineに加入すると無料でプレイすることが出来る。気になった方は、プレイしてみてはどうだろうか。)


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