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21-22プレミアリーグ展望① 開幕節プレビュー&順位予想をしてみる

 プレミアリーグが今週末から開幕するということで、ぼちぼち復活していきたいと思うのですが、まず今回は「展望」と題して開幕節のプレビューと順位予想の2つをしていきたいと思います(ユナイテッド関連は後日もう一度出します。多分。)。なお、チームによっては私の知識が浅いことも多いと思いますが、その辺は悪しからず。

⑴8/14 4:00 K.O.ブレントフォードVS.アーセナル

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(https://www.sportsgambler.com/lineups/football/england-premier-league/brentford-vs-arsenal-2021-08-13/より)

ブレントフォード(監督:トーマス・フランク)

 ツイートもしましたが、プレーオフ、プレシーズンの2試合を観た感想は4-3-3を基本フォーメーションとする非常に組織されたチームだということ。そうでなければ74年ぶりの歴史的快挙は成し遂げられなかったと思います。中心選手はもちろんイヴァン・トニー。チームとしてのタスクであるビルドアップ時の列を下りる動きを行いながら、チャンスにはゴール前に顔を出す生粋のストライカーだといえます。他にも7番のカノスなども違いをつくれる選手です。

アーセナル(監督:ミケル・アルテタ)

 界隈にはグーナーが多いのであまり突っ込んだ意見はしませんが、アルテタ政権3年目の今シーズンが正念場であることは全会一致だと思われます。ホワイト、ロコンガ、タヴァレスと未来ある実力者を補強したことも踏まえ、トップ4は最低限のノルマになりそう。個人的に思うガナーズの課題は「中央を経由したサイド攻撃」です。外・外循環のサイド一辺倒の攻撃ではなく、狭い中央を経由させることで相手をより収縮させてからのサイド深い位置からの攻めがもう少し必要なのかなと感じています。その意味では、受け手となるスミスロウなどはもちろん、出し手となるホワイトやロコンガの出来もカギとなるかもしれません。

試合の見どころ

 ブレントフォードのスタメンは3バック予想になっているのでどうなるかわかりませんが、基本的には「アーセナルのビルドアップVS.ブレントフォードのプレッシング」のフェーズが多くなりそう。アーセナルはブレントフォードのプレッシングを剥がして、疑似トランジションやその後の定位置攻撃につなげれるか、はたまたプレッシングに捕まって修正を迫られるのか、アルテタ政権で散々鍛えられたビルトアップを見せれるかが注目です。

⑵8/14 23:00 K.O.レスターVS.ウルヴス

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(https://www.sportsgambler.com/lineups/football/england-premier-league/leicester-vs-wolverhampton-2021-08-14/より)

レスター(監督:ブレンダン・ロジャーズ)

 今シーズンも「出来るフロント」は動きが早く、バートランド、スマレ、ダカを比較的安値で獲得。ただ、懸案事項はモーガン、フクスの退団に加えてフォファナが長期離脱となったCBのポジション。当分はソユンク、エヴァンスを4バックのかたちで回すことになりそうですが、3バックを使う場面やバックアッパーの役割を補強で賄うのか、仮に既存戦力(ベンコヴィッチやエンディディ)を当てはめるということになればロジャーズの腕の見せ所かもしれないです。いずれにせよ、「監督ロジャーズの残留」という最大の補強をしたレスターはコミュニティ・シールドで実力を示したように、今季もトップ4争いに絡むでしょう。

ウォルヴァーハンプトン(監督:ブルーノ・ラージ)

 ヌーノの退任で岐路を迎えたウルヴスでしたが、ベンフィカで結果を残し、若手育成にも定評のあるブルーノ・ラージを招聘することでポルトガル路線の継続を選びましたね。正直どういうサッカーをするかわからないのですが、重鎮であるルイ・パトリシオの移籍など、過渡期を迎えていることは事実でしょう。ラファ・ミルなどのレンタル組の復帰に加え、パトリシオの後釜ジョゼ・サやバルセロナの若手トリンコンなどの加入、そしてラウール・ヒメネスの回復、これらの要素が弱冠45歳の監督の創り出すサッカーにどう影響するかは楽しみであり、今季もダークホース筆頭といえます。

試合の見どころ

 昨季は4バックを用いたりもしていましたが、今季は今のところ3バックらしいウルヴス。そうなると、ヌーノからの継続路線ということも考えられるため、レスターのボール保持、ウルヴスの撤退守備が基本的な攻防になるのかもしれません。ただ、ウルヴスはディテールなども含め未知数なので、ウルヴスがどのようなプレーモデル、ゲームプランを持っているのかという点、それに対しロジャーズがどのように対応策を打つのかという点に注目すると良いと思います。

⑶8/14 23:00 K.O.チェルシーVS.クリスタル・パレス

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(https://www.sportsgambler.com/lineups/football/england-premier-league/より[以下略])

チェルシー(監督:トーマス・トゥヘル)

 現在主な補強はないものの、ルカクやクンデ獲得濃厚報道、レンタル組の復帰や若手の台頭、主力の残留と昨季のチームが単純にパワーアップしたチームとなりました。今季も3バックによる相手をはめ込む数的同数プレスと5バックでの固い撤退守備、安定したビルドアップと位置的優位を生かした定位置攻撃、攻守の素早い切り替えは健在で、まさに完全無欠のチームになりつつあります。だって今朝みたいな(一番難しい)押し込む展開だとしてもルカクのゴリ押しで点取れそうじゃないですか。たった一つの懸念は昨季ヴィラ戦に見られたような選手の過度な疲労によるパフォーマンスの悪化で、怪我人含めてトゥヘルのマネジメントが重要になりますが、トゥヘルの実力を踏まえればほとんど問題はないと考えられ、今季の優勝候補筆頭です。

クリスタル・パレス(監督:パトリック・ヴィエラ)

 このチームも新監督ということで全くどういうサッカーをするかわかりません。さらに、30代の6選手、バチュアイのレンタルバックによりチームのメンバーも大幅刷新。昨季フラムで活躍したCBのアンデルセン、WBAで才能の一端を見せたギャラガーを獲得し、レジェンド若手監督による大きな舵取りになりそうです。ポゼッション&プレッシングを中堅クラブのニースでも披露したらしいヴィエラはパレスのサッカーに改革をもたらせるのか、夢半ばで散るのかということを今シーズンは見届けることになります。個人的には昨季ブレイクしたエゼとギャラガーは、今年のキーマンになるのではないかなと思います。

試合の見どころ

 パレスは昨季のCLチャンピオンに挑むアンダードッグの立場なわけですが、ヴィエラが自分の信念をある程度貫いてハイプレスを見せるのか、まずは勝ち点1を拾いに行くのか、観客も動員される久々の「アウェイ」の状況でどのような戦い方をするのかが注目ポイントです。そして万が一パレスが積極的な戦いを見せて先制するようなことがあれば、いきなり番狂わせもあるかもしれませんし、トゥヘルが仕事をして難なく逆転もあるので、チェルシーファンの方にとっては苦痛ですが、そういう展開になると試合としては面白くなると思います。

⑷8/14 23:00 K.O.ワトフォードVS.アストン・ヴィラ

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ワトフォード(監督:シスコ・ムニョス)

 ワトフォード=監督交代というイメージが定着しているこのチームですが、昨季も12月に途中就任したムニョスが1年での昇格を決めるなど、そのスタイルは変わらないようです。ただ、(VS.ユナイテッド,VS.ブレントフォードを見たところ、)2年前のような「堅守速攻」のかたちから、ハイプレッシングチームへと脱皮を遂げ、どのチームにも標準搭載が求められるポゼッションのかたちもある程度は確立できている印象でした。恐らく、降格オッズ最筆頭だと思われますが、それをはねのけられるか。ポイントはダニーローズ、エテボ、クツカ、キング、アシュリーフレッチャー、クチョと大型補強を敢行したチームが昨季のようなオーガナイズされたプレーができるかということになりそう。

アストン・ヴィラ(監督:ディーン・スミス)

 昨季の躍進に大きく貢献したグリーリッシュの移籍は痛いですが、ヤング、トゥアンゼベ、ベイリー、ブエンディア、イングスと実力者を次々補強したことで選手層は昨季より増したといえます。さらに、グリーリッシュは昨季の14試合に欠場しており、エース放出後のチームとしてのかたちも確立してきていると考えられます。このチームのトレードマークになりつつあるプレッシング。昨季はそこにキャッシュやターゲットのクロス、ワトキンスの得点力が噛み合っていたといえ、グリーリッシュが担っていた役割をブエンディアやエル・ガジ、マッギンなどが分担して行えるか、昨季以上の躍進のカギはやはり新加入のブエンディアになりそうです。

試合のみどころ

 どちらも新加入選手が多く、この試合は「選手を楽しむ」という視点で見ても面白いと思います。両チームハイプレッシングを基調とするチームなので、どちらかが折れて撤退守備をし始めるのか、両方ともプレッシングを繰り返し、トランジション合戦になるのか、その辺は注目ですし、後者になるとするならより選手個々の働きが重要になりそうです。

⑸8/14 23:00 K.O. エヴァートンVS.サウサンプトン

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エヴァートン(監督:ラファエル・ベニテス)

 ユナイテッドとのプレシーズンマッチを見ると、まだまだプレッシングの練度やチームとしてのコンパクトな守備ができておらず、発達途上のチームだった印象です。しかし、百戦錬磨のベニテスはトップ4争いは厳しいかもしれませんが、シーズン中に最適解を見つけて、残留はもちろん、ニューカッスル時代のような上位チームにとっての曲者のようなチームになる予感がします。主な補強はモイーズ・キーンのレンタルバック、デマライ・グレイの加入ですが、ハメスを含む主力組の残留は大きいです。マドリーでは折り合いがつかず、両者ともに苦い思い出をしたハメス×ベニテスの新章が見れるのか、注目です。

サウサンプトン(監督:ラルフ・ハーゼンヒュットル)

 誰も教えなくても、プレミアファン全員がどのよな振る舞いをするか知っているというチームを創り上げたハーゼンヒュットルと選手たちにとって、トップ10入りは現実的な目標といえます。しかし、長年の主力であったバートランド、イングスの移籍に加え、その穴を完全に埋めるような補強が出来ていないということによって残留争いに巻き込まれるという可能性もあります。今季はサリス、スモールボーン、テラやチェルシーからレンタルされたブロヤといった若手の出来が結果を左右するかもしれません。2部で28得点を挙げたアダム・アームストロングにも注目です。

試合の見どころ

 この試合に関しては、どちらもボール保持&プレッシングを行うことができるため、どのような様相を呈するか全く予想がつきません。それを踏まえると、まずどちらがボールを持つのか、そこにおける争いがあるのかということから見るのもいいかもしれません。サウサンプトンは基本的に戦い方は変えませんから、ベニテスが話題のストーミングに対してどのようなゲームプランを用意するのかということもポイントです。

後編に続く…


タイトル画像 クレジット:Premier league"2021/22 FPL player price reveal",21 Jun 2021

https://www.premierleague.com/news/2175226

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