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目印をつけろ

小さい頃、友達の家に遊びに行った帰り道、迷子になったことがある。もうほとんど家の近くなのに、少しいつもと見えかたが違うだけで、混乱に陥ってしまう。公園で親と会えた時は、泣きながら感動の再会だった。と言っても、泣いてたのは私だけで、親は笑っていたけれど。手を繋いで帰ったことを今でも覚えている。ちょっとふてくされながら。

それが教訓となっているのか、一度通った道をきちんと覚える癖がついた。マンションの色を覚えたり、カーブミラーを覚えたり、お店の看板を覚えたり。だから初めて来た場所でも、迷わずに帰れる。そうなると、かなり心強い。もし迷ったらここに出ればいいや、となるから、ちょっと冒険できるのだ。知らない街を歩くのが好きになったのも、その癖のお陰かもしれない。目印をつけたから、どこに行っても帰ってこれるし、新しい道にも進んでいける。

今日も目印をつけながら、歩いている私がいる。

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