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「どんな存在として」目の前の人と関わりたいのか

なにを専門にしているのか。どんな授業を担当しているのか。どんなファシリテーションをするのか。

正直なんでもいいと思ってる。ただ「なんかこの人のとこいたらおもろそう」「楽しいことが起こりそう」と醸し出せる、在り方さえあれば。

いよいよ、2023の大学授業の旅路が幕を開けた。


問いへの「3つのアンサー」

「学生にとって、大学というのはどういう場所になるといいのか?自分の授業をとってくれる学生たちと、どんな瞬間を共にできるといいのか?」

まさに俺も一学び手として大学の授業運営を学生と共にするなかで、こんな問いとずっと向き合ってきた。

場のダイナミズムに呑まれて、頭が真っ白になったこともあった。プログラムを回すことに気を取られ、繊細な場の声に気づけなくなることもあった。自分のファシリテーションに自信を持てず、キャンパスに向かうのが憂鬱な時期もあった。

試行錯誤の1年を経て、3つ自分なりに問いへのアンサーを出した。


①「学ぶことって楽しい」のきっかけを育む

自分が担当している授業のひとつは、ポジティブ心理学の考え方を土台にしてるんやけど、セリグマンが提唱しているPERMA理論のなかにMeaning(意味・意義)がある。

所属している大学の学生のカラーなのか、もしくは「多くの大学生は」と一般化していいのかはわからんけど、少なくとも俺の肌感では高校生までの教育で「学ぶことって楽しい」と経験してきた人はあまり多くない。

いくつかありそうな要因のひとつに、「この学びがどんな役に立つのか/意味があるのかわからない」があるんじゃないかと思っている。かく言う俺も、学生時代は勉強が苦手で嫌いだったし、「これやって何に繋がるの??」と意味を見出せないまま好きじゃない机上学習に向き合ってきた。

自分が授業を持ち、学生と学びの場を共にするなら。授業体験を通じて、分からなかった自分の気持ちを少しでも理解できるようになったり、人との適切な距離感を掴めたり、伝えたいことを自分らしく表現できるようになったり。

なんだっていい。学んだことが、何かしら自分の成長や変化に繋がる「=楽しい!(意味がある)」きっかけを育みたいなと想う。


②たったひとつの授業が「居場所」にもなる

「個性を生かしたまま心地よく組織/グループに関与し、"自分の居場所がある" と実感できる」状態を、belongingと形容される。

生まれ育った家庭環境、地域コミュニティ、小中高などのクラス、習い事、部活など。さまざまな社会に身を置きながら、私たちは価値観や考え方が形成されて育っていく。

大人へと発達していく過程で、居場所に出会えるのってけっこう難しいと思っている。"難しい" というのは、与えられる環境が運や親の教育観に依るものが多く、「自ら自覚し社会に働きかけて居場所を掴めるようになる」には相応の年月を要するから。

せっかくの巡り合わせで俺の授業と出会ってくれたわけだから、「初めて自分と向き合うきっかけを持てた」と思えるような体験を共にしたいし、「自分らしいコミュニケーションを通じて友達と仲良くなれた」と自信が持てる喜びを紡ぎたい。

「こんな自分でいたいな」というニーズが芽生え、「この空間だったら自分らしくいれるかもしれない」と肯定感を持てて、「こんな居心地よさをこれからも持てるようになりたいな」と自分と未来に対してワクワクできるような瞬間、重ねていきたいな。


③「目の前の人の在り方」そのものが希望に

西村佳哲さんの『かかわり方のまなび方』という本がすきで。西村さんがさまざまな現場で活躍する場の担い手の話を聴いていくストーリーなのだけど、一貫して「在り方」が与える作用について綴られている。

自分が伝える言葉、纏う雰囲気、届けるワークなどたちが、場/学生に対してどのような影響を及ぼすのか。原点となる問いを常に忘れずに持ち、漂う繊細な感情の機微にまなざしを向けていたい。

今日の授業の一説なんやけど、「みんなのことたくさん知りたいし、俺のこともみんなにたくさん知ってほしいし、仲良くなりたい」という言葉が自然と出た。当然びっくりはされた。笑

学ぶ楽しさをたくさん体感してほしいし、「自分らしくいられてうれしい」と感じられる居場所感を紡ぎたい。対話を重ねながら、そんな瞬間を学生と共にできることが俺は楽しいから、こんな在り方でいたい。

授業後のフィードバックシートで「この人話しやすそう!」「想像していたよりも授業楽しそう!」と感想をもらった。それでいい。あんま "先生" でいたくないんだよな~。笑

ちょっとだけ先を生きている自分っていう大人の存在によって、「なんかこういう生き方してるのおもろそうだな」とか「働くのもわるくないのかもな」って少しでも感じでもらえたら万々歳。いっしょに学び合うのたのしもうぜ、俺自身が誰よりもたのしむつもり。

あとがき

問いへのアンサー兼信念を綴った後に、じゃあ具体的にどんな授業をしているのか?を当初は書くつもりやったんやけど、思った以上に文字量いってしまった。笑 また別の機会に言語化することにする。

今日は新年度一発目の授業、初回オリエンテーションということでオンラインでの実施だった。来週から、いよいよキャンパス現地の対面で授業実施。また学生のみんなと共に、学び合いの旅路がはじまる。

今日は授業走り切って、noteまで書けた。えらすぎたので今からココイチにいく。注文は野菜カレーってきまってる。今日は特別にカニクリームコロッケをトッピングでつけちゃおうかな。気が向いたらまた綴ります。

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