魔手__2_

くふうしますか

帰り道についコンビニ立ち寄ってしまう。

光に吸い寄せられる虫のようにまんまとコンビニの策略にはまり、いつの間にか習慣になっている。自分の場合、コンビニより先にスーパーが現れるのでクリアすべき関門は二つある。

よく「一度に大きな買い物をする人より、毎晩コンビニに立ち寄ってしまう人の方がお金が貯まらない」と聞く。いい習慣より悪い習慣の方がつきやすい。意志の弱さが原因かと思ったら、どうやらそうでもないらしい。

アメリカのスタンフォード大学で、心理学者が行った有名な実験がある。

4歳の幼稚園児を対象に「目の前に置かれたマシュマロを食べずに我慢できるかどうか」を試した「マシュマロ実験」だ。

<実験のプロセス>

被験者の4歳児を小部屋に招き入れる
椅子に座らせ目の前のテーブルにマシュマロを一つ置いて告げる
「すぐ食べていいけど、15分待てたらもう一つあげるよ」
「食べたくなったらベルを鳴らして食べられるけど、15分経って無くなっ
   ていたら、もう一つはもらえません」
子どもの行動は隠しカメラで撮影する

結果、マシュマロを食べるのを待てた平均時間は2分。
15分間「食べることを遅らせ」2個ゲットできたのは4人に1人だったという。

実験には続きがある…

12年後、被験者600人に対してアンケートによる追跡調査が行われた。

その結果、食べるのを全く待てなかった、30秒以内にベルを鳴らした子どもたちは、学校や家庭で問題を起こしたり、心理的な悩みを抱えていることがわかった。

一方、15分待てた子どもたちは対人能力に優れ、問題を乗り切る力をつけ、学力面でも優秀だったと言う。

この実験結果からわかることの一つは、自制心の強弱が日々の生活に影響を与えること。ならば、強い意志を持つことが大事かと言うと、そうでもないらしい。そもそも4歳の子どもが意志の強さでマシュマロを食べたいという欲望をコントロールできるのかどうか疑問だ。

実は、実験中、子どもたちは自制心を働かせようと、色々な工夫をしていた。

マシュマロが見えないよう目を隠す髪の毛をいじって気を紛らわせるマシュマロをおもちゃにして遊ぶ。など「食べないようにするにはどうしたらいいか?」という、子どもならではの戦略が見られた。その工夫が成功した子どもが2個のマシュマロにありつけたのだ。

ここでわかるのは、意志よりも「効果的な行動を取れたか」が、結果を左右していた。大人にも当てはまる。いい行動をとる工夫をできるかが、意志のコントロールを可能にすることだ。

自分は意志が弱いと思ったら、嘆く前に効果的な行動を考えてみるのが良さそうだ。

帰り道、コンビニが近づいたら、少し手前で筋道を通ってみる、歩きスマホはいけないが、オンフックで誰かに電話してみるとか…

今夜は、スーパーの閉店時間以降に通ろう。ただコンビニは24時間営業。どうしようか…


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