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第10話:中国人が好きな本、中国人が好きな日本の本

 皆様は中国人が一番好きな本、知っていますか? 私は知っていますw とどこかのYou Tuberみたいな入り方で始まってしまってごめんなさい。でも.
この本、世界で二番目に売れた本ですし、有名な話でもあるので、ちょっと遊んでしまいましたw

 てことで、その本の名は「毛沢東語録」。あ、ちなみに世界で一番売れた本は「聖書」、三位は「ハリーポッター」です。って、もちろん漫画は除いた条件ですけどねw

毛沢東語録(wikipediaより引用)

 さて何かと日本で評判の悪い「雀の天敵」毛沢東主席ですが、なかなか含蓄の深い言葉を残していますので油断はできないのです! 例えば、

「実践・認識・再実践・再認識という形式が循環・往復して無限に繰り返され、各循環ごとに実践と認識の内容が一段と高い段階に進む」

 どうです? なかなか含蓄深くないですか? その他にも「調査なくして発言なし」とか「反面教師」とか色々な言葉を残しています。何事も「偏見という色眼鏡」で見てはいけないと思い知る「よい一例」だと思いませんか?

 さてそんな中国人、意外と日本文学が大好きです。 特に「東野圭吾さん」が大好きで、って、東野 圭吾さんって知っていますか?

 東野圭吾さんは、昔「DNESO」で仕事の合間に小説を書いて「江戸川乱歩」賞をとったミステリー作家です。 代表作は、『秘密』(1998 年)、『白夜行』(1999 年)、『容疑者X の献身』(2006年)、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2012 年)、『祈りの幕が下りる時』(2013 年)。あと「ガリレオシリーズ」も書いている人です。 テレビドラマ化もされているみたいで日本でもかなりの「人気作家」なので、知らなかったあなたはちょっと恥ずかしいので、この機会に覚えておいてくださいねw

 ただ中国は「SF」も人気があって、私の中国の「SF」は好きなのですが、特に「三体」が好きなのですがって、ま、そんなことはおいておいてですね、日本人が書いた「SF」だと「銀河英雄伝説」が中国では大人気だそうです。私も仕事柄、中国の人と話すことはあるんですが、少なくとも私が一緒に仕事をした人はみんな知っていました。うーん、なんという影響力w

 でも、なんで「銀河英雄伝説」が中国で人気があるか不思議じゃないですか? そこで「私の思い」入れだけで話すのはまずいと思いますので、「銀河英雄伝説」が中国で人気が出ている要因を解析したgryphonさんのHPから要約を引用させてもらいました。
https://m-dojo.hatenadiary.com/entry/20171102/p1 より抜粋)

・「銀英伝」全10巻は実は96年に台湾で翻訳出版され、それがネットや海賊版により中国に流入、
・銀英伝に影響をうけた中国若手SF作家もたくさんおり、というか、宇宙を舞台にした中国SFで銀英伝の影響を受けていない作品はない、とまでいわれている。
・武侠ファンタジー「誅仙」の著者の蕭鼎なども、銀英伝崇拝者
・主役のひとり、ヤン・ウェンリーの名を楊威利 (ヤン・ウェイリー)に変えていた
・銀英伝は「三国演義」や「史記」など、あきらかに中国古典を底本にしたような、エピソード、作戦、人物造形がある。
・「私が文章を書いている紙は、2000年前、東漢の蔡倫が発明したものだ。私は少年時代、西遊記、水滸伝、三国演義と史記を読み、物語と歴史の妙味を知った。私は中国文化の恩恵を深くうけた。今、私の作品を中国で正式出版することで、中国文化に少しでも恩返しができるなら、こんな光栄なことはない。・・・」
・主役のひとり、ヤン・ウェンリーは、明らかに中国人。もう、中国人の自尊心をくすぐる設定なのである。
・中国では、銀英伝をして「謀略小説」「政治教科書」との評もあるのだ。
・中国SF作家・星河の銀英伝論評「写実の伝説」に・・・「作者は意図せず自分の文化背景を作品ににじませている。特に専制と民主(の長所と欠点)を同様に指摘している。これは東洋の思想の影響」
・(コメント欄)創竜伝は銀英伝よりまえに、すでに中国で出版されていました。ネットでも大人気です。

gryphonさんのHP(https://m-dojo.hatenadiary.com/entry/20171102/p1 )から引用

 うーん、これだけ見てもどうして人気が出たのかイマイチ確信できないですよね。そこでちょっとメタいかもしれませんが私なりの考察をしていこうと思います。

 この「銀河英雄伝説」という小説は日本でも有名で、人気のあるSFなんですが、私も好きなんですが、知らない人のためにちょっと概要を足してみます。

 この小説は、物語の終わりに主要キャラをすべて殺す「皆殺しの田中芳樹先生」が書いたSF小説でして、1982年から1989年にかけて徳間書店から発行されました。今は東京創元社から出ていたと思います。ストーリーとしては、「腐敗した民主主義」と「腐敗した専制政治」の国家が対立している社会情勢において、専制政治国家に若き英雄が現れ、専制主義国家の王位を簒奪し、民主主義国家を打倒する」という物語になります。

 ここからちょっと想像の翼を広げますと「清や満州国という専制国家」を滅ぼし、「孫文が建てた中華民国という民主主義国家」を滅ぼし、 中華人民共和国を打ち立てた「毛沢東」に「どことなく」主人公がかぶりませんか? 私はこれが中国の厳しい検閲をくぐることができた理由なのではないか? と「個人的」には考えていますが、皆様はどうでしょうか?

 ちなみに本書、私は高校生の時に読ませていただきましたが、大人が読んでも「なかなか」の名著だと私は思っています。だから読んでない方は、これを機会に読んで欲しいと思う一冊です。なんてったって物語を途中で放り出すことで有名な「田中芳樹」先生が、珍しく完結まで一気に書ききった作品ですので‥‥w

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