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映画のノベライズとしては、良くできている~『時の翼にのって ファラウェイ・ソークロース!』(田村源二)~

*この記事は2019年2月のブログ記事を、再構成したものです。


私は映画「ベルリン・天使の詩」が好きです。

だから続編である「時の翼にのって ファラウェイ・ソークロース!」も、一度はぜひ観てみたいと思っています。

しかしアマゾンプライムでは観ることができないし、DVDを買おうとすると、何と現在7,000円以上もします(2024年2月21日現在)。


よって、せめてノベライズ版を読もうと思ったら、こちらも3,000円以上します(2024年2月21日現在)。


そんなわけで、図書館で借りて読んだ次第です。


映画のノベライズって、あんまりうまくいっているものを読んだ記憶がないので、正直期待していなかったのですが、なかなか良かったです。ベルリンの壁崩壊後のベルリンが舞台で、主人公は天使のカシエル。友人のダミエルが人間になって以来、彼も人間になることに興味を持っています。


女の子の命を救ったのを機にカシエルは人間になりますが、なった途端に堕天使のせいで相次ぐトラブルに巻き込まれ、あっという間にホームレスになってしまいます。「ベルリン・天使の詩」の感想で、私は天使の世界を東ドイツになぞらえましたが、今回も純真なオッシー(東ドイツ国民)が、悪いヴェッシー(西ドイツ国民)に騙される様を暗示しているようでした。とことんまで落ちた後、カシエルは再生を果たすのですが……。


ノベライズを読むと、改めて映画が観たくなります。思い切ってDVDを買っちゃおうかなと思いつつ、5年経っても買っていません(^-^;


見出し画像は、1996年のベルリンの街並みです。中央奥に写っているのは、第二次世界大戦で破壊された当時の姿を残す、カイザー・ヴィルヘルム記念教会です。



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