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私たちが描いた未来

君は今どこにいますか?

そんなに遠くにはいないことは知っているけど、今どこで、どんな生活を送っていますか?

君が念願の夢を叶えたことを、風の便りで聞きました。

「20年後くらいなら結婚はしていますか?」と、閉校アルバムに書いていたように、もう結婚しましたか?

私は、1年前にこの街に戻ってきました。

君と最後に会ったのは、8年ほど前のこと。そのころ一時期みんなで頻繁に会っていたことを、懐かしく思います。


卒業してから、電車の中でバッタリ会ったり、文化祭で広いキャンパス中をすれ違ったり、成人式の同窓会でテーブルの下で手を繋いで、君の肩にもたれかかったり、他の子も交えてみんなでよく会うようになったり。

「君に気持ちを伝えられたら」

素直な気持ちを伝えられなかったあの日からずっと願う私の想いを叶えるチャンスを与えてもらえたかのように、

驚くほど偶然に君と会えた。

それは、まるで「神様がくれた必然」かと思ってしまうくらいに。


私はいつも君を失うのが怖かった。

あのときの思い出がなくなってしまうのが怖かった。

あのとき私が感じとった君の気持ちに相違があって、君の口から真実を語られることが怖かった。

君にあのときのことを、私を否定されるのが怖かった。

だから、私はいつも大事な一歩を踏み出すことができませんでした。

君との距離感が変わってしまったら、あのときの真実を知ってしまったら、どうなってしまうのだろう…?想像すらつかない見えない未来に、私は怯えていました。

何度も君と再会しても、連絡を取り合えるようになっても、やっぱり一歩踏み込めなくて。

結局、君の連絡先を消すの繰り返し。


「受験に集中したい」

「あのとき一緒にいたことを思い出したくないんだ。思い出すと辛いんだ」

「あのときも、突き放したあとも、好きだった」

もし、あのときの大好きな君のままで、タイミングもお互いの気持ちも、何もかも全てが合うのなら、私は勇気を出して君と向き合ってみたい。

私の大好きな君の姿は、もしかしたら私の理想と想像が混交した、別の君かもしれない。

今現在の君に会って深く関わらない限り、真実はわからない。

真実は迷宮入りしたまま、出てこないかもしれない。


それでも、今も私の胸の中には14歳の君と私がいます。

制服を着た当時の君と私が、今日も隅田川の河川敷を笑い合いながら歩いている。

夢と希望にあふれる未来を描いて、ふたり一緒にいる未来を見ながら。



自身の経験を踏まえて、心が軽やかになる言葉や文章を発信できたらと思います。 ホッとひと息つける、憩いのページとなりますように😊 ほんの少しであっても、皆様の温かいお気持ちは大きな励みになります。