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先生フローズンヨーグルトって何ですか?

ここ数ヶ月、某大学のビジネススクールが提供しているデータサイエンスのクラスをオンラインで取っています。最近はエドテックのおかげで、やる気さえあれば本当に何でも学べてしまうから素晴らしい。

私がとっているクラスは、Courseraというオンラインプラットフォームを通じて提供されているもの。それこそ世界中の色んな大学が、コンピューターサイエンスや数学、写真の上手な取り方から栄養学など食べ物関係のクラスまで、ありとあらゆるコンテンツを提供しています。しかも受講自体は無料。

大学の単位こそもらえませんが、オプションで受講料を払うと、クラス終了時に修了証を発行してくれます。こういうプラットフォームを通じてではなく、大学が直接提供しているオンラインプログラムもありますが、多分それだとすごく高い+知識さえ得られれば別に単位も肩書きもいらないので、今のところこれで十分。いやー年取ってから学ぶって、学生時代より数倍楽しい。ナンジャコリャ。

今のところコースを2つ修了し今3つ目に突入したところですが、修了するにはビデオの講義を聞き、毎週あるテストをパスし、最後にはファイナルプロジェクトをしなくてはいけないので、それなりに時間を取られるし、楽しいけど決して楽ではありません。毎週締め切りに追われる日々。もう学生時代はとっくに過ぎたのにー!キー!

さて、コースのファイナルプロジェクトのひとつは、フローズンヨーグルトのフランチャイズのビジネス改善に関するケーススタディでした。客数は一定なのに利益が減っている、今あるどのデータを見て改善を考えるべきかを考えるのが問題。

フローズンヨーグルト。子供の頃、親が生協で買ってくるちょっと酸っぱ目のフローズンヨーグルトが大好きで、夜に親の目を盗んでこっそり食べるのがたまらなく好きでした。コンビニでも、ヨーグルトの容器みたいなのに入っていて、ヨーグルトをそのまま凍らせたような味わいのものがよく売ってましたよね(今も売ってる?)。

しかし90年代後半、アメリカに来て初めて食べた「フローズンヨーグルト」は、アイスクリームの低脂肪版のような位置づけで、ヨーグルトの味は全く無し。普通に甘いバニラ味やらチョコレート味やらしかなく、えらくがっかりしたものです。

アメリカではフローズンヨーグルトと言うと、アイスクリームの容器に入ったいわゆる低脂肪アイス的なものと、ソフトサーブ(ソフトクリーム風にとぐろを巻いてるやつ)の2種類がありますが、サンフランシスコ・ベイエリアでは2000年代半ば頃に急にソフトサーブの店が増え始めました。

ベイエリアでの流行?のきっかけはここの店。今となっては懐かしいRed Mango。UCバークレーのビジネススクールを卒業し、投資銀行に勤めていた人が始めたお店だそうで、当時なんであんなに話題になったのかもう忘れてしまったけど、LAに一号店が出て、その後ベイエリアではパロアルトなど南の方に店ができ、とうとうサンフランシスコに店ができる!となった時かなりみんな喜んだ記憶が。

日本みたいに毎年スイーツの流行があるわけではないですが、みんながフロヨ(フローズンヨーグルトの略w)フロヨと騒ぎ出し、中毒みたいに通いつめてた知り合いもいました。ソフトサーブのフロヨの良いところは、普通に酸っぱめのヨーグルト味があるところ。これこそ私が食べたかった味だ!お店によっては随時10種類ぐらいのフレーバーが用意されています。当時勤めていた会社の社食にもフロヨの機械が導入されて毎日のように食べたなあ・・。ちなみにAndroidのOS名Froyoもここから来ています。

今では街に数軒はフロヨの店があるのが当たり前になりましたが、基本的にフロヨのお店は、色々なフレーバーのフロヨが入った機械がだーっと並んでいて、自分で好きな大きさのカップを取ってそこに自分で入れていくセルフサービス。その後好きなトッピングもバイキング形式で自分でどんどん載せていき、最後にレジでお支払いするシステムで、量り売りが基本です。

さて何度もフロヨを買いに走りたい衝動を押さえながらやった例のケーススタディですが、需要予測と在庫管理に問題があり、特にヨーグルトミックス(粉末状のヨーグルトの素を水と混ぜて機械に入れる)やフレーバー、トッピングといったアイテムの仕入れデータを見なおさないといけないようでした。

あーフロヨね、ハイハイと何も疑問を持たずに取り組んだ課題でしたが、しかし海外の受講生の間では「フロヨとはなんぞや、どんなオペレーションなんだ」というところからつまずいてしまった人が結構いた模様。生徒同士で質問を投げ合うオンラインフォーラムにスレッドが立っていました。

エドテック、世界中誰でも教育コンテンツにアクセスできるようになったぶん、生徒の国も背景も多種多様。特にこのコースはインドと中国からの受講者がとても多い。日本でもフローズンヨーグルトといえばきっとまだ、あのヨーグルトの容器みたいなのに入ったやつですよね?アメリカのワカモノには人気のフロヨですが、ユニバーサルに理解されている商品じゃあなかったんだなそういえば!

「ヨーグルトとはインドで言うdahiのことだよ」「ブラジルでも同じような売り方をしている」「トッピングは店員がやるのもあるんじゃないか」「毎日閉店後に廃棄するのはヨーグルトミックスだけか」「安心して、私もそんな店に入ったこと無い(オーストラリアの中年女性)」

うーむ、これがインドの大学のオンライン講義で、ケーススタディが道端のプーリ屋だったりダッパーワーラー(弁当配達人)のオペレーションだったりされると確かに困る・・日本の大学が英語の講義でたこ焼き屋台のオペレーションを課題として世界に発信したら・・多分わからん人のほうが多いだろうな。

アメリカでちょっとしたブームになったので、世界のフロヨになったのかと思いきや、意外とまだ微妙な存在だということを知ったフロヨ。ケーススタディも、普通にアイスクリームショップとかにしたほうが、分かりやすかったのかも・・・。

グローバル化やら世界に発信やら言いますが、特にサービスなんかを提供するには、言語だけでなくコンテンツやコンテキストのローカライゼーションにも気を使わないといけない、ちょいとした例だったかもしれません。

日本にも、ソフトサーブのフロヨの店、ちょっとはあるみたいですが、私としては日本のフロヨはまだまだ昔ながらの「フローズンヨーグルト」であって欲しい!次回帰国の際には、コンビニで買い占める予定!

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