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共働き育児中のみなさまへ週1夜遊びデーのすゝめ

我が家は夫婦がそれぞれ別で週に1度の夜遊びデーを設定している。仕事が終わってから、育児も家事もしなくていい、自由時間だ。

この日は、夫が残業しようとサウナに行こうと私は知らないし、逆に夫も私が素敵なお姉さま方と美食を楽しんでいることは知る由もない。

よく同僚から「小室さんの24時間がどうなっているのか理解できない」と言われていた。
そういえば先日夫も、「今日会社で『小室(夫)さんって時空歪んでますよね』って言われたわ」と。

なぜなら、夫はスタートアップの経営メンバーで24時間仕事オンモードだが、同時に家事育児分担は私と正真正銘の半分こ。それに加えて子ども大好きのサウナ大好き。どうやって24時間の中で仕事、家事、子ども、サウナをやりくりしているのか不思議に思う人もいるだろう。

かくゆう私も、前職はメガベンチャーのマネージャー、現職はスタートアップ。特に前職ではプレイングマネージャー期間も長く、日中はマネジメント系の仕事に明け暮れ、夜中にようやくクライアントへの企画書を書くような生活をしていたのだから、「夜中に人狼ゲーム観てる」とか発言すると、一体どこに時間が?という感想が出るのは当然だと思う。
(※夜中に仕事をしてはいけません。人狼を観過ぎてはいけません。身体が壊れます)

考えてみれば、いわゆる共働きフルタイム育児のイメージってとにかく家事育児が鬼忙しそうって思われてて、それは悲しいかな、間違ってないと実体験でも感じる。

自分の24時間を生きながら、子どもの24時間に並走するのである。忙しくて当たり前といえば当たり前だ。

しかし時間は誰にとっても平等で、1日はどうやったって24時間しかない。

自分であり、妻(夫)であり、母親(父親)であり、ビジネスマンであるという1人4役を演じ切る必要がある私たちが、たった24時間しかない時間の中でこれを成し得るには、結局「自分」を殺さざるを得ないことが多く、実際私たちも最初はそのようにスタートした。

が、すぐに限界を感じ、
ベビーシッターの利用を決め、
夜遊びデーを設定し、
今では、仕事時間も夫婦時間も家族時間も自分時間も全て確保できるようになった。

今日紹介したいのは、そんな試行錯誤の歴史と現状である。(ベビーシッターについての紹介は別記事で!)
あくまで共働きフルタイム育児家庭の生き抜き方の一つとして誰かの参考になればと思う。

前提として私たちの基本情報はこちら↓

前提
・結婚6年目
・夫34歳、私32歳、娘5歳、息子1歳の4人暮らし
・夫=スタートアップ経営メンバー、週1ペースで夜まで仕事があり終電帰宅、仕事とプライベートの境目が無い24時間オンモードの人
・私=スタートアップのマーケター、育休早期復帰、育児も仕事もやりきりたい人

タイムスケジュール(改善の変遷)

実家近接時(職場が遠いver)

一人目の妊娠がわかってから当時住んでいた東京都練馬区から、実家に近い茨城県守谷市に引っ越しを決めた。妊娠当時26歳で、周囲に子どものいる人がまだ少なく、漠然とした共働き育児の不安に駆られ、兎にも角にも実家が近い方がいい、と思った。で、さっさと引っ越した。この時、夫の職場は茅場町、私の職場は恵比寿であった。

当時のスケジュールはこんな感じ。

平日・実家近接ver

で、なんと結果は全員疲弊した。

最も疲弊させてしまった実母は、文句こそ言わないものの、自分の仕事もありながら、父との時間や祖母との時間が減ったことによるストレスを感じているようだったが、一方で娘(私)のためにという強い思いからかなり踏ん張らせてしまっていた。

そんな母を見て、申し訳ない気持ちから、近くにいるのに頼るに頼りきれず、「本当に自分がピンチな時だけ母に頼る」と決めたことで、逆に母を遠ざけるような態度になってしまい、一時、母との関係がギクシャクすることも。

そしてそんな母子の微妙な距離感をはかる必要がある夫の気遣いも大変だっただろう。

これが突然、私の当時の会社の移転をきっかけに新たなステージへ。

職住近接(実家が遠いver)

リアルコミュニケーションを強化するために出社体制を整える方針になり、突然会社がみなとみらいに移転した。特にマネージャー陣は毎日出社。茨城から横浜みなとみらいに毎日4つの都県を移動するは現実的ではない。ここで実質、転職か引っ越しかの2択になったのだ。

現状の育児体制に限界を感じていたこと他、実は当時気になっていたのが子どもの教育。我が家のポリシーとして「親が子どもの天井にならない」「できるだけたくさんの選択肢に触れさせる」ことを重視していたため、田舎では習い事や学校の選択肢が多くないことには気になっていた。
そんなこんなとも相まって、横浜への引っ越しを即決した。

これが単身の引っ越しではないため、ものすごく苦労した。
特に大変だったのが認可保育園。結果的にオフィスの隣にある認可保育園に受け入れが決まるという奇跡が起きて、職住近接ならぬ、究極の職保近接が実現した。

この時、私の職場はみなとみらい、夫の職場は渋谷だった。

当時のタイムスケジュールはこんな感じ。

で、結果は私がものすごく疲弊した。

理由は2つ。「産後復帰を急ぎすぎたこと」と「職場と保育園近すぎたこと」。

私は2人目育休は3ヶ月で復帰予定だったのだが、その間に横浜への引っ越し、復帰直後に昇進という変化があった。

一見ポジティブな変化に思えるが、変化とはポジティブでもネガティブでも多大なストレスがかかるらしい。産後、引っ越し、昇進という3つの大変化を背負い、タカが外れたように仕事してしまったが、身体がついていかなかった。

もう一つは保育園が近すぎること。近いからこそギリギリまで仕事をしてしまう。そうすると、頭がなかなか育児モードに切り替わらない。保育園で先生からの申し伝えや堰を切ったように話しまくる子からのきょうの出来事の話についていけないのである。「ママ、わたしの話ちゃんと聞いてる?」

このままでは仕事も中途半端、育児も消化不良という、どっちつかずになってしまう。そこでとにかく集中して仕事を片付けられる「残業デー」を確保しなくては、という思い、ベビーシッターサービスを検討し始めた。

(今考えれば、身銭を切って残業をするなどおかしいが、当時の苦しさを脱するためにはとにかく時間をお金で買うしかなかった

週1残業デーの設定(後に夜遊びデーと設定)

定例の打ち合わせが多い火曜日は仕事が溜まりやすいため、火曜日を残業デーとするために、「毎週火曜日のお迎えから寝かしつけまでを外注」することにした。運よく、1度目の面接で信頼できるシッターさんに出会い、毎週火曜日はまるっとサポートをしてもらえることに。

当時のスケジュールはこんな感じ。

おかげで、私は毎週火曜日は勤務時間ギリギリまで打ち合わせを入れたり、誰もいないオフィスで集中して仕事を片付けることができ、仕事に追われる不安感やストレス、身体的疲労が大幅に改善した。

週1夜遊びデー設定のすゝめ

残業デーを固定で設けていると、残業が不要な日ももちろん出てくる。我が家では、そんな日は自由時間=夜遊びデーでいいということにした。

実はこれが非常に重要で、これまでは残業や会食のようなやんごとなき理由でしか確保できなかった一人時間が、理由によらず週1回確保できるようになったのだ。

それまでは、プライベートの予定でもお互い様の精神である程度やりくりしてきたが、仕事後に疲れ切った体でワンオペをする大変さは痛いほどわかるため、仕事を除いて、本当に重要なプライベートの予定以外は断りがちなってしまっていたのである。

しかし、それでは妻(夫)であり、母親(父親)であり、ビジネスマンである以外の、「自分」でいられる時間が確保できない。こんな息苦しいシステムにはしたくない、というが我が家の考えだった。(あくまで我が家の。)

そこで残業デー改め夜遊びデーを週1定期設定。予定があってもなくてもお互いに週1回は「自分時間」を楽しむに至ったのである。

予定が入った都度相手に相談するのと、最初から定期で自由に使える日が設定されているのとでは、気持ちが天と地ほど違う。仕事家事育児にがんじがらめの毎日に週に1度風穴が空けられる。

そんな夜遊びデーのメリットを、大きく分けて2つ紹介したい。

メリット1:メンタルが安定する

子どもを産んでから「予定がない日」が1日もなかった。子どもを誰かに預けるときはいつだって何か予定があるときだったからだ。

保育園に預けるのは、私が働いているから。実家の両親に預けるのは私と夫が病院に行くから。夫に預けるのは私が出張に行くから。

裏を返せば、予定がなければ子どもを誰かに預ける理由にはならなかった。

しかし定期で夜遊びデーを設定してから、最初は友人や同僚と毎週のように食事に行き、楽しんでいたが、ふと訪れる「何も予定のない日の素晴らしさ」に気づいてしまった。
元々確保していた時間だから、新たな負担を誰かにかけるでもなく、子どもたちもそういうものだと理解している、誰にも罪悪感を感じなくていい夜。

今夜は何しよう?気になってたレストランに行こう。そうだ、映画を観よう。ちょっと遠くのサウナに行ってみよう。買うわけじゃないがウィンドウショッピングしたっていいかもしれない。ダラダラとスマホを眺めていたっていい。

子どもが生まれる前までは当たり前にあった自分の時間が、5年の時を経て戻ってきたかのように、充実感でいっぱいになったのだ。

この1日があることで、常に少しの負荷で溢れそうになっていたコップの水が減り、仕事の大変さも育児の大変さも楽しめる余裕が生まれた。


メリット2:誘われやすくなる

もう一つのメリットはこちら。

子どもがいると、ありがたいことに周囲の人が気を遣ってくれる。例えば、転職すれば「歓迎会はランチにしましょう」とか、夜の食事なら「今度ランチに行くときは誘いますね!」とか。
皆さんに気を遣わせて申し訳ない気持ち半分、私も夜だって飲みに行きたいよ、という気持ち半分。

かといって、いざ夜に誘われても、「お誘いありがとう!夫に育児任せられるか確認するね」というワンクッションが必要で、相手も見ず知らずの夫に対して申し訳ない気持ちにさせてしまい、こっちもすぐにレスポンスできなくて申し訳なくなる。こうなると自己防衛的に「夜は行けないから私のこと気にしないで」という空気を出した方が楽になったりもする。

しかし、週1回の夜遊びデーを設定したことで、「小室さんは火曜日なら大丈夫」という認識が周囲に広がり、気軽に誘ってもらえるようになった。私もいちいち夫にワンオペ育児を任せる相談をする必要がなくなり、かなり気が楽になった。夜遊びデー最高である。


最後に、我が家の夜遊びデーの簡単なルールをご紹介。

一、 夜遊びデーをどう過ごそうか夫(妻)に伝える必要はない
二、 翌朝の家事育児開始までに帰って来れば何時に帰ってきたってよい
三、 たまには夜遊びデーを合わせて夫婦で食事にいこう

夫も私も夫婦である前に一人の人間である。
我が家にとっては、この程よい自由が重要だったようだ。









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