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市原真『どこからが病気なの?』との対話

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市原真『どこからが病気なの?』(ちくまプリマー新書、2020年出版)との対話です。読んで考えたこと、感じたことなど。
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第1章-1 病気だと決める人は誰?

「それはお医者さんでしょ」 って、まっさきに思った。今やわたしにとって「病気」と聞いて思い浮かぶのは、がんで、いわゆるがん宣告、告知が病気決定の瞬間だったからかも。 ふつうに健康、というか、病気がちじゃない人なら、「そりゃ自分でしょ」という答えが多いのかな。 筆者の市原先生は、病気だと決める人は基本的に、本人、医者、社会の3つだと言っている。まずは「本人」。 そうね、わたしもそれはする。たとえば頭痛のときは、「あ〜いつもと同じところが同じ感じで痛い。。そういえばスマホ

第1章「病気ってどうやって決めるの?」

プロローグに引き続き、「病気」っていったいなんなんだ?を考える章。 構成は以下の5つに分かれている。 著者は「医療シアター」という言葉をたびたび使う。それをこう説明している。 そう、わたしの病気は「わたしだけのできごと」ではなくて、舞台上にいる人みんなに関わるできごと。でも、登場人物ごとに、病気の受け止め方や、その病気がその人にどんな影響を与えるかは変わる。 筆者はこのあと、「あなたも、この舞台のどこかにいることは間違いない」と続けている。 患者という主役級じゃないか

プロローグ「病気と平気の線引きはどこ?」

このタイトルを見ただけで、「ほんっと、そう!」って思った。 「病理の結果、乳がんでした」 って言われたときから、いきなり病気。しかも、死んじゃうかもしれないって思っちゃう病気。どっこも痛くもないし、不快なところもないのに。さっきまでは、このあと何食べよう、明日は何しよう、長い休みが来たらどこ行こう、とか考えられていたのに。 がんが見つかったら、そういう当たり前の「これから」のことは全部いったん白紙。ちょっとひどくない?そんなのって。 その通り。 体の実感が伴わないまま