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『正欲』朝井リョウ

朝井リョウの著書を読むと心が不安定になる。

というか、
最近、読んだ本に影響され過ぎてる。

その中でも特に朝井リョウは
私の考えてることストレートに刺さる。

この人の思考を越えたいと本気で思う。

それはものすごく苦しい。

そして、これが売れてるんだから
案外みんな同じようなこと考えてるのかもしれない。

内容について

正欲。
正しくありたい欲。

「多様性」がもてはやされる現代において、
この言葉の難しさを突きつける。

あまりに便利に使われるようになってしまった「多様性」。

多様性を認める。多様性を受け入れる。

そんなことができている人は本当にいるのだろうか。

そもそも「多様性を認める」というのが
一つの価値観…

誰でも手軽に大量の情報にアクセスできる時代。
だからこそ、全てを知った気になって、
自分の正義を当たり前のように振りかざす。

自分が受け入れてあげる側だと信じて疑わない。

見えない(見ようとしていない)誰かを
傷つけているとも知らずに。

私は誰にも分かってもらえない。
本当は誰かに分かってほしいのに…
と言いながら、
私は普通ではないから理解されるはずがないと
自分で壁をつくる。

理解されないならせめて攻撃されないために…

自分の中にどちらの側面もある。

受け入れてあげる側と受け入れてもらう側。
1人の人間にも「多面性」があるはずだ。

どんなふうに生まれたって生きていける、生きていていいと思える。そんな社会なら一番いいけれど、そうではないので、そんな空間を自分で作るしかないのだと感じる。

朝井リョウ『正欲』p.309

そのために、私は居場所づくりをしたいのか。

人の集合が社会なら
みんなが少しずつ行動したら社会も変わるはず。

守りすぎ?

誰かを傷つけたくない。

それは自分が傷つかないためなのかもしれない。

自分を守るために
正しくあるために
いろんな情報で武装する。

本当に大事なことってなんだっけ?

ずっとやりたいことを選んでいるつもりで
人生の正解を探していたのかもしれない。

そんなものあるわけないのに。

私はこれからどうしていくんだろう。

強気になったり、弱気になったり、
そんなことを繰り返しながら
頑張りたいと思える場所を見つけられるだろうか。

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