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麻利央書店

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高島麻利央による、短編小説~無料版~
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2017年10月の記事一覧

死神の疑い①

死神の疑い①

先日、伊坂幸太郎さんの「死神の精度」を読んだ。
そして、金城武主演で映像化された「Sweet Rain死神の精度」もDVDで見た。

内容を簡単に説明すると、仕事として「人間の生死を判断する」死神が存在し、彼らはその人物が死に値するかどうか1週間観察してジャッジする。1週間後に「可」もしくは「見送り」を決定し、「可」であれば8日目に対象者は死亡、それを確認し任務は終了となる。この物語の主人公で

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言葉に普遍性はない。

言葉に普遍性はない。

誰かが哀しんでいたら、慰める。
誰かが挑戦していたら、応援する。
誰かが間違っていたら、怒る。

時として言葉は重要で、時として不要だ。

友人が大切な存在を亡くした時、私は掛ける言葉が見つからない。
見つけられないのはきっと、今は言葉が不要だからだ。
ただそばにいて、時には距離を置いて、見守る。
私が必要になったら、声を掛けてくれるだろう。
ずっと必要じゃなくてもいい。
哀しみを乗り越えるのは、

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ギョッとするもの。

ギョッとするもの。

関西(特に大阪)を歩いていると、
女装しているオジサンとか、全身ヒョウ柄のオバサンとか、
全身コスプレのUSJ帰りの学生とか、爆買いしている観光客とか、
色んな人を見る機会に恵まれる。

最初でこそ「ギョッ!」としていたが、
最近は、見れてラッキー!、みたいな感じになってきている。

そうやって人間は「慣れる」生き物なのだ。

ここ最近で見る度「ギョッ」とするのは、
イヤホンである。

こういうタ

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誕生日を考える

誕生日を考える

ある人が言った。

「自分の誕生日を祝わないでほしい。
 祝うようなことでもない。祝われたくない」

これが本心かは分からない。
単なる強がりかもしれないし、
押すな押すなと一緒で「祝ってね」の振りかもしれない。

私は本日2017年10月10日現在で34歳。
年が明けて2018年2月3日に35歳となる。
ギリギリアラサーが、アラフォーになる瞬間がやってくる。
もうアラサーとは言えなくなる。
アン

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本棚って恥ずかしい

本棚って恥ずかしい

今月もハッシュタグ企画に参加します。
読書の秋と言うことで、10月のテーマは
#私の本棚

私は本を読む。
数は多いと言えるレベルではないと思う。

自分の本棚を眺めて思うのは、
私の本選びにはある特徴があると言うこと。

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①同じ時期に同じ作家さんばかり読む
「○○(作家)読書月間」
と勝手に決めて、その作家

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本音とは。

本音とは。

「あなたの本音が聞きたいです」

しょっちゅう言われるセリフではないけど、
恋愛にしても、仕事にしても、人生にしても、
『本音』を要求されることは少なからず、ある。

また仕事上、インタビューされたりしたりするけれど
本音を聞かせて下さい、あるいは、聞いてきて下さい、
と言うような依頼を受けることもある。

では本音とは何だ?早速意味を調べる(goo辞書)
【1】本来の音色。本当の音色。
【2】本

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忙しさの定義

忙しさの定義

「忙しそうだねー」

この言葉を受け取る時は慎重にならないといけない。
忙しさは受け手が決める尺度に因るからだ。

他人の「忙しさ」なんてものは、「昨日寝てない」問題と同じくらい
実はどうでも良いにも関わらず、言われた方にリスクが高い。
忙しさを認めると実態はどうであれ仕事が順調に行っているように思われるし
忙しくないと言うのも世間的にいかがなものかと不安になるからだ。

しかも大抵の場合、その言

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