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麻利央書店

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高島麻利央による、短編小説~無料版~
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2017年12月の記事一覧

ある本屋で、コーヒーと。6

ある本屋で、コーヒーと。6

続きものです。
5からお読みください。

 それから1ヶ月、私はその本屋のあるカフェに足を運ぶことはなかった。それどころかどのカフェにも行かなかった。仕事が終わったらすぐ家に帰って、部屋で一人、自分で淹れたドリップコーヒーを飲みながら、本を読む。そんな毎日を過ごしていた。
 私はカフェに行かなくとも、本とコーヒーのインスタ投稿は地味に続けていた。今読んでいるのは【待津野ひまわり】の一番新しい本。初

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ある本屋で、コーヒーと。5

ある本屋で、コーヒーと。5

続きものです。
4からお読みください。

 ふたりの時が止まった。
 その瞬間が永遠に思えるほど二人は強く見つめ合った。 
 私は突然、あまりの痛さに目を開けることが出来なくなった。
 両手で顔を覆い、しばらく身悶えていた。声も出せない程の痛み。

 どれくらいの時がたっただろうか。
 ようやく目を開けた私は窓に映る自分の顔を確認した。
 すると、私の目に、正確には瞳孔に、彼の姿が焼き付いていた。

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ある本屋で、コーヒーと。4

ある本屋で、コーヒーと。4

続きものです。
3からお読みください。

 私はコーヒーの海で泳いでいた。いや、正確には溺れていた。
 胃の中は黒くて苦い液体でいっぱいになりかけていた。
 必死でもがいていた。こんなところで死にたくはない。
 すると、固い物体が手に当たった。それは大きな板のようだった。
 その板にしがみ付いて、私はようやく呼吸をすることが出来た。
 空を見上げると、大きなぐるぐるキャンディが太陽のように輝いてい

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