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「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」〜「あれ」は阪神ファンの悲願だが、「それ」は世界を滅ぼす

シリーズ7作目にあたる「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」を先日、公開初日に見てきた。

感想は、とにかく面白い。
トムのアクションに次ぐアクション。
今回の指令は、特殊な二つの鍵を見つけること。
その二つの鍵を手に入れた者が、世界を脅かすAI「それ」をコントロールできる。
つまり、世界を支配できるのだ。
「それ」は、既に様々なシステムに入り込み、影響を及ぼし始めている。
その鍵を巡って、ストーリーは展開していく。
追跡の過程で、イーサンは自分の過去を知る男、ガブリエルに出会う。
ガブリエルこそが、二つの鍵を手に入れて世界征服を狙う今回のヴィラン。

舞台は、アブダビ、ローマ、ヴェネツィア、そしてオーストリアへと移る。
前半のクライマックスは、ローマでのカーチェイス。
展開が目まぐるしくて、誰が誰を追っているのか分からなくなりそうだ。
ローマがもう、ごちゃごちゃ。
そして、後半。
まず、予告編でもさかんに流れていた、バイクからの大ジャンプ。
そして、落ちて行く列車内での無重力状態からのドン!

ほとんどのアクションをトム・クルーズが実際に演じているというのだからすごい。
まさに、ハリウッドの千葉真一。
実際にメイキング映像などもあるが、僕はある程度はそれ用に撮影していると疑っている。
しかし、妻は違う。
絶対にトムは飛んでいると言い張る。

今作はシリーズ初の前後編2部構成。
果たしてミッション完了となるのか。

「スパイ大作戦」の続編として始まった本シリーズ。
「例によって、君、もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで」
そして、
「なお、このテープは自動的に消滅する」
このセリフは、当時小学生だった僕もさかんに口にしていた。
7作目の今回も変わっていない。
同じようにテープは燃える。

いつものチーム、ベンジーとルーサーも健在だ。
そして、第一作に出てきたキトリッジ、イーサンへの指示役も復活する。
また、過去作のオマージュともとれるシーンも出てくる。
このアクション大作は、ぜひ劇場のスクリーンで見てほしい。

なお、今回の作品について、ネット記事を検索していると、AIの「それ」を原語の「エンティティ」そのままにあたかも固有名詞のように書いているものもある。
しかし、戸田奈津子さんの字幕では「それ」と訳されているように、「エンティティ」は固有名詞ではなく、そうとしか言い表せないものではないかと思う。
今年「あれ」と言えば、岡田監督の言う「あれ」で、阪神ファンによると、はっきり「あれ」の意味するところを言ってしまってはだめなんだそうだ。
しかし、この映画の「それ」は、世界を滅ぼしてしまう。

過去作を見ていなくても、充分楽しめるが、できれば、第1作と第6作は、時間があれば見ておいた方がいい。
僕も、第1作を見直した。
見て思い出したが、1作目の監督は、僕の好きなブライアン・デパルマだった。
また、今のようなアクション中心ではなく、誰が敵か味方か、駆け引きに重きが置かれていた。
「スパイ大作戦」の延長と考えるならば、こちらの方がよかったのかもしれない。

とにかく、来年公開予定の後編が待ち遠しい。
早くハリウッドのストも落ち着いて欲しい。

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