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いつから来年の手帳を使いますか

来年の手帳はもう用意されただろうか。
では、その手帳、いつから使いますかという話。

最近の手帳は、買った年の12月や11月、あるいは10月くらいから使えるようになっているものが多い。
来年の手帳とは言え、買ったその時からすぐ使えますよと言うことだ。

僕も昔は、少しで早く新しい手帳が使いたくて、年末から切り替えていた。
遅くとも12月には、その年の手帳は隅の方に押しやられていた。
引き継ぎを終えて、退職日まで有給消化をしている人のように。

ところが、ある日、僕は聞いてしまった。
隅に追いやられた今年の手帳が、来年の手帳に呟いているのを。

「気をつけた方がいいわよ。あの人、私の時も、早めに使い始めて、来年は一年間ずっと一緒だよって言っていたのに。結局は、みんなと同じように捨てられたの。そんな奴だからね」

告げ口をするとは、さすがに、持ち主に似て意地の悪い奴だ。
しかし、その言い分ももっともかもしれない。
その年の手帳は、あくまでもその年の1月1日から12月31日までが受け持ちのはずだ。
最近は4月始まりや、9月始まるもあるが、それらも、日こそ違えど、一年間の任期は変わらない。
その前年から使えるのは、あくまでも彼、彼女の善意に過ぎない。
その善意にかこつけて、あなたはなんて人なの。
確かにそうだ。
あの時には、少し早いけれど、よろしくね、来年の一年間をともに歩もうね。
そう誓ったはずなのに。

それ以来、僕は心を入れ替えた。
今年の手帳は、最後まで使い切って、一年間の役目を全うしてもらう。
最後のページまで添い遂げる。
そして、元日から新しい手帳に切り替える。
どんなに、来年の手帳が誘惑してこようとも。

こんなことを書いている横で、妻は早々と来年の手帳を使い始めている。

みなさんは、いつから来年の手帳を使い始めるのだろうか。

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