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アニメでしか描けないハンパないスパイダーマンの物量に圧倒されるだけでなく、過去の設定をすべて拾う懐の広さに感激した『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』


【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:3/88
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★×20
     映像:★×20
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★×20

【作品情報】

   原題:Spider-Man: Across the Spider-Verse
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
 上映時間:140分
 ジャンル:アニメ、アクション、スーパーヒーロー
元ネタなど:映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)

【あらすじ】

ピーター・パーカー亡き後、スパイダーマンを継承した高校生マイルス。共に戦ったグウェンと再会した彼は、様々なバースから選び抜かれたスパイダーマンたちが集う、マルチバースの中心へとたどり着く。

そこでマイルスが目にした未来。それは、愛する人と世界を同時には救えないという、かつてのスパイダーマンたちが受け入れてきた<哀しき定め>だった。それでも両方を守り抜くと固く誓ったマイルスだが、その大きな決断が、やがてマルチバース全体を揺るがす最大の危機を引き起こす…。

<運命>を変えようとするマイルスの前に立ちはだかる無数のスパイダーマンたち。史上かつてない、スパイダーマン同士の戦いが始まる!

【感想】

スパイダーバース』シリーズ第2作目。これはもう『スパイダーマン:インフィニティ・ウォー』ってタイトルでもいいんじゃないかってぐらい、スパイダーマン史上最も熱戦烈戦超激戦でした!!

<360度見渡す限りスパイディまみれ>

とにかくこの映画はすべてが秀逸だったんですが、一番推したいのはあの圧倒的な数を誇るスパイダーマンたちです。無数にあるユニバースから集ったスパイディたちが暮らす場所があるんですが、その物量がハンパないのなんのって!少数精鋭の組織と聞いていたのに、目の前に広がるのはスパイディづくしの光景。非常勤が多いって話でしたが、「多い」というレベルをはるかに超えた数に圧倒されました。しかも、それだけたくさんいるのに、みんな個性も特徴も見事にバラバラなのがすごいんですよ。特に、レゴやティラノサウルスのスパイディがいたのには驚きましたね。スパイディのデザイン1000本ノックとかやってそうです(笑)そういえば、ネットでこの映画の予告をレゴで作った14歳の少年が話題になっていましたが、なるほど、本編にもレゴのシーンがあるのでそりゃ採用されるわって(笑)

<抗えない運命に抗うマイルスの強さ>

で、次に推したいのがそのスパイディたちの置かれた状況です。みんなユニバースが違うから、人間関係も住んでる環境も微妙にズレがあるんですが、必ず共通して起こるイベントってのがあるんですよ。それが「愛する人を失う」ってこと。これは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)を観ているとイメージしやすいかもしれません。トム・ホランドがメイおばさんを亡くしたことに対して、トビー・マグワイアはベンおじさんを、アンドリュー・ガーフィールドはグウェンを亡くしたことを語ります。そして、この映画の前作でもマイルスはアーロンおじさんを失っていますよね。今回、それと同じようなイベントが他にもあって、それがこの映画の肝になっています。そのあらゆるユニバースで起こる共通イベント(映画ではカノン事象と呼ばれている)は、どんな悲劇であろうが決して阻止してはいけないルール。阻止しちゃうとユニバースすべてが崩壊する可能性があるからってことらしいですが。でも、悲劇とわかっているなら防ぎたいですよね。マイルスは愛する人も世界も両方救うと、これまでのルールを無視しようとするんです。ここまで大きなスケールになってくると、いくら悲劇が起こるとはいっても運命として受け入れるしかないと思っちゃうじゃないですか。僕だったらあきらめてしまいそうですけど。でも、マイルスはスパイダーマンであることの運命に必死で抗うんですよ。だから、組織のリーダーであるミゲル・オハラを筆頭に、その他無数のスパイダーマンたちと前代未聞の超絶バトルが始まるわけです。それをアニメでしか描けないスピーディかつダイナミックなカメラワークで表現するんですから、IMAXで観たときの映像体験は凄まじいものがありました。

で、最後のオチがまた憎い設定なんですよねー。まあ、勘のいい人なら途中で気づくとは思いますが、「そうきたかー」って。マルチバースという設定をうまく使ったスリリングな展開に心躍りました。

<過去作を観ていると気づくあれやこれや>

あと、この映画で注目したいのが、過去作との関係です。実はこの映画、「過去のスパイディ映画の設定を引き継いでいる」ので、これまでの『スパイダーマン』および関連作品を観ていると、エモさを感じるシーンがチラホラあります。過去の作品も「違うユニバースでの出来事」ってことになるので、すべての設定が活きてるんですよね!こんなにいろいろ拾ってくれるなんて、ファンとしてはうれしい限りでした。

<そんなわけで>

スパイダーマン好きには超絶オススメの映画です!正直、前半はあまり動きがないので少し退屈に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、後半からの怒涛の展開ですべてカバーされてます!映像も音楽もとてもいいですし、ぜひこれは映画館で観ていただきたいですね!あー、1年後の続編が今から楽しみで仕方ないです。。。


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